米GDPが予想下回る 個人消費急増もサプライチェーン問題が影響=NY為替
NY時間の午後に入ってもドル円の下値模索は続いており、109.50円近辺での本日安値圏での推移となっている。きょうのNY為替市場は前日のFOMC後の流れを継続し、ドル売りが優勢となっている。ドル円も下値模索の展開となり、100日線が控える109.60円付近を割り込む動きがみられている。朝方発表の第2四半期の米GDP速報値が予想を下回ったことも、ドル円の売りを加速させていた。
そのGDPだが、前期比年率換算で6.5%増と予想(8.4%)を下回った。ただ、米経済の約7割を占める個人消費は11.8%増加し予想も上回った。コアPCE価格指数は6.1%上昇し、1983年以来の高い伸びとなっている。サプライチェーンの制約が影響し、政府支出や住宅投資、在庫が伸びを抑制。ただ、インフレ調整後のGDPはパンデミック前のピークを上回っており、ネガティブな雰囲気はさほどない。
個人消費については、ワクチン接種の進展による経済活動再開する中で、政府からの直接給付や失業保険の支援もある中で、消費者は資金を手にしている。第2四半期はそれをサービス業中心に支出したようで、第2四半期の貯蓄率は10.9%と、第1四半期の20.8%から低下していた。パンデミックの間に積み上がった現金が支出に回った状況が示されたが、今後はデルタ株の急速な蔓延でリスクもある。
一方、生産側は供給と労働の制約が長期化している上に、今後は政府の支援も徐々に縮小されることから、先行きへのリスクも予想される。
USD/JPY 109.52 EUR/USD 1.1886 GBP/USD 1.3966
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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