ユーロドルは1.20ドル台に下落 ユーロに対する弱気な見方も=NY為替
きょうのNY為替市場は朝方発表の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回る強い内容となったことで、市場はインフレ警戒感を強める中でドル買いが強まっている。そのような中でユーロドルは戻り売りを一気に強めており、1.20ドル台に下落している。
米CPI発表直後に売りが強まり、一旦買戻しの動きも見られていたが、発表後の売買交錯が終了すると、本格的に戻り売りを強める展開が見られている。一時1.2065ドル近辺まで下落する場面がみられたが、本日の21日線が1.2060ドル付近に来ており、その水準を試す動きもみられている。
欧州委員会は本日、今年のユーロ圏の成長見通しを上方修正した。ワクチン展開の加速と復興基金の稼働、世界経済回復による輸出への追い風が見通しを改善させたとしている。本日は下落しているものの、短期的にはユーロドルは上昇を見込む声も少なくない。
しかし、ユーロに対する弱気な見方も出ている。ユーロ圏のインフレは持続的に低いほか、他の先進国と比較してユーロ圏の成長見通しも弱く、ECBは引き続き緩和的な金融政策を継続するという。米国のインフレと成長見通しはユーロ圏よりもかなり強く、ユーロ安をフォローする利回り格差が徐々に拡大。ワクチン展開の加速により、ユーロ圏の見通しはやや改善したが、ECBは市場が現在割り引いているよりも遥かに長期間政策金利を据え置くと考えられるという。21年と22年末のユーロドルの予測は1.15ドルとしている。
EUR/USD 1.2076 EUR/JPY 132.22 EUR/GBP 0.8568
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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