主要通貨レンジ取引、NY市場ではややドル売り優勢も
主要通貨レンジ取引、NY市場ではややドル売り優勢も
FOMCを前に一方向の動きには慎重
【東京市場】主要通貨狭いレンジでのもみ合い
ドル円は103円台後半でのもみ合いが続いた。昨日のNY市場でのドル高局面で103円90銭台まで上昇も、104円を付けきれなかったことで短期筋の調整が入る場面が見られたが、押し目は103円60銭台までにとどまっており、地合いは依然堅調。
日経平均の弱い展開に加え、アジア株式市場が昨日強い動きを見せた香港を中心に値を落としており、リスク警戒からのドル買い円買いがやや優勢に。ユーロドルは1.2140を挟んでのもみ合いから午後に1.2130割れまでユーロ売りドル買いに。イタリアのコンテ首相がこの後辞任を正式に表明するとの報道もやや重石となっている。
【ロンドン市場】ドル振幅
朝方は東京市場からの株安の流れを意識したリスク警戒のドル買いが入り、ドル円は103円80銭台、
ユーロドルが1.2108を付けるなど、ドル全面高に。
ユーロが1.2100手前で下値進行を止められたこともあり、その後はいったん調整の動き。
クロス円の買い戻しなども支えとなりユーロドルが1.2140前後、1.3610前後まで下げていたポンドドルが1.3660台まで上昇。
【NY市場】ドル売りやや優勢
ドル円はロンドン上の水準からやや値を落とした。ロンドン市場で103円80銭台を付けていたドル円は103円50銭台まで。
米株が反発して始まり、リスク警戒の動きが後退した。もっとも米株はその後マイナス圏に転じており、頭の重い展開に。
ユーロドルは1.21台後半でのもみあいに。
【本日の見通し】FOMCにらむ展開に
今晩の米FOMC(連邦公開市場委員会)を前に様子見ムードが広がりそう。
FOMCでは金融政策の現状維持が確定的。
注目は声明とパウエル議長の会見となりそう。
ここにきて量的緩和の縮小(テーパリング)の議論を今年終盤には始めるべきとの意見がメンバーから出てきているが
議長は慎重姿勢を崩しておらず、そうした見方を否定してくる可能性。
投票権を持つメンバーが今年からよりハト派的にシフトしたこともあり、
声明もより緩和姿勢を強調してくる可能性も。
【本日の戦略】戻り売り
ドル円は103円台後半での推移が続く展開。
FOMC次第では動きが出る可能性も、レンジ取引が続く可能性も高い。
デイトレは売りからの回転を意識。
スウィングも売りからで、103円ちょうどトライの動きを取りに行きたいところ。
104円台にしっかり乗せるといったんストップ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《1/26 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.75 1.2139 125.95
高値 103.83 1.2176 126.16
安値 103.56 1.2108 125.69
終値 103.62 1.2160 126.00
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《1/26 火曜日の主要株式指数》
日経 28546.18 -276.11
DOW 30937.04 -22.96
S&P 3849.62 -5.74
Nasdaq 13626.06 -9.93
FTSE 6654.01 +15.16
DAX 13870.99 +227.04
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《1/26 火曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=52.61(-0.16 -0.30%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1854.80(-4.20 -0.23%)
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《1/26 火曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
実質GDP・速報値(第4四半期)8:00
結果 1.1%
予想 0.9% 前回 2.1%(実質GDP(速報値)(前期比))
結果 -1.4%
予想 -1.6% 前回 -1.1%(実質GDP(速報値)(前年比))
【シンガポール】
鉱工業生産指数(12月)14:00
結果 2.4%
予想 -1.1% 前回 7.5%(7.2%から修正)(前月比)
結果 14.3%
予想 12.0% 前回 18.7%(17.9%から修正)(前年比)
【英国】
ILO失業率(11月)16:00
結果 5.0%
予想 5.1% 前回 4.9%
雇用統計(12月)16:00
結果 7.4%
予想 N/A 前回 7.3%(7.4%から修正)(失業率)
結果 0.7万件
予想 N/A 前回 3.81万件(6.43万件から修正)(失業保険申請件数)
【香港】
貿易収支(12月)17:30
結果 -457.0億香港ドル
予想 -255.0億香港ドル 前回 -256.0億香港ドル
【米国】
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(11月)23:00
結果 9.08%
予想 8.70% 前回 8.01%(7.95%から修正)(前年比)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(1月)00:00
結果 89.3
予想 89.0 前回 87.1(88.6から修正)
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《1/26 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*日銀金融政策決定会合議事要旨(12月17日18日開催分)
運営実績、企業などの資金繰り支援のための措置として新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの下で
CP・社債の買い入れや新型コロナ対応金融支援特別オペを実施。
金融市場の安定を維持する観点から、国債買入れやドルオペなどによる、
潤沢かつ弾力的な資金供給を行ったほか、ETFおよびJ-REITの積極的な買入れを行った。
海外金融経済情勢、一部で感染症再拡大の影響も、持ち直している
先行きの海外経済については、各国・地域の積極的なマクロ経済政策にも支えられて、改善していくとみられる。
ただし、当面は、米欧を中心とした感染症の再拡大の影響もあって、改善ペースは緩やかで不均一なものとなる可能性が高い。
また、感染症の帰趨や、それが海外経済に与える影響を中心に、引き続き、きわめて不確実性が大きい。
国内金融経済情勢、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している。
先行きについては、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて、持ち直しを続けるが、
当面は、対面型サービスを中心に感染症による下押し圧力が続く中で、そのペースは緩やかなものにとどまるとみられる。
*黒田日銀総裁
通常であれば物価動向は貨幣的現象。
物価2%目標達成できておらず、責任感じている。
最大限の緩和でも2%達成できず、金融政策に一定の限界。
日本の財政状況は極めて深刻。
物価目標に近づけば、当然出口を検討。
国債購入含めた大規模緩和、あくまで物価目標実現のため。
財政の持続性可能性高めることは重要。
金融緩和、財政ファイナンス・国債買い支えのつもりない。
物価2%目標に近づけば、YCC・国債購入も出口検討。
【米国】
*米上院、ジャネット・イエレン前FRB議長の財務長官を承認。
*米5年債入札結果
最高落札利回り 0.424%(WI:0.426%)
応札倍率 2.34倍(前回:2.39倍)
【その他】
*IMF
2021年の世界成長予想を上方修正、刺激策やワクチンで。
2021年の世界の成長率予想5.5%(昨年10月時点は5.2%)
新型コロナ変異種、経済見通しの懸念材料に。
世界のリセッション、従来予想よりは落ち込み小さい。
2021年の米成長率予想5.1%(昨年10月時点は3.1%)
2021年の日本成長率予想3.1%(昨年10月時点は2.3%)
2021年の中国成長率予想8.1%(昨年10月時点は8.2%)
2021年のユーロ圏成長率予想4.2%(昨年10月は5.2%)
*IMFチーフエコノミスト
バイデン政権の刺激策で米GDPは3年間で5%押し上げられる可能性。
バイデン政権の刺激策で米GDPは2021年に1.25%押し上げられる可能性。
【ユーロ圏】
*ECB
銀行融資の監視を強化 デフォルトリスク見極めで。
*ビルドワドガロー仏中銀総裁
パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を含むすべての手段
に柔軟になる用意。
緩和スタンスをコミットしている。
ショックやボラティリティによる正当化されない崩壊は避けたい。
目標はなおインフレであり、資金調達の条件は金融政策の波及。
*デコス・スペイン中銀総裁
第4四半期に見られた下振れリスクは第1四半期も続く可能性。
第1四半期でのユーロ圏の景気回復はなお不透明。
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《本日予定されている主な経済指標》
【豪州】
消費者物価指数(第4四半期)9:30
予想 0.7% 前回 1.6%(前期比)
予想 0.7% 前回 0.7%(前年比)
予想 0.4% 前回 0.4%(加重平均・前期比)
予想 1.1% 前回 1.2%(加重平均・前年比)
予想 0.4% 前回 0.3%(刈り込み平均・前期比)
予想 1.2% 前回 1.3%(刈り込み平均・前年比)
【日本】
景気一致指数・改定値(11月)14:00
予想 N/A 前回 89.1
景気先行指数・改定値(11月)14:00
予想 N/A 前回 96.6
【ユーロ圏】
ドイツGfk消費者信頼感(2月)16:00
予想 -7.9 前回 -7.3
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(22日までの週)21:00
予想 N/A 前回 -1.9%(前週比)
耐久財受注・速報値(12月)22:30
予想 1.0% 前回 1.0%(前月比)
予想 0.5% 前回 0.4%(輸送除くコア・前月比)
FRB政策金利 28日4:00
予想 0.00%-0.25% 現行 0.00%-0.25%
【NZ】
貿易収支(12月)28日6:45
予想 8.00億NZドル 前回 2.52億NZドル
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員