一時ドル安強まるも、米株の調整もあり、その後ドルの買い戻し
一時ドル安強まるも、米株の調整もあり、その後ドルの買い戻し
ドル円は先月のパンデミック後の安値割り込み一時102.71円まで、その後103円台回復
【東京市場】緊急事態宣言検討報道で円高
3が日明けの東京市場はドル安円安の展開となった。
朝方はユーロ買いドル売りが主導する格好に。リスク選好の意識が継続する中でドル安が広がり、
ユーロドルは朝方1.2250超えまで。年末に一時1.23台を付けたが、ポジション調整に1.2210前後まで下落。
もっとも基調としてドル安継続が意識される中で、朝にユーロの買い戻しが入った格好に。
ドル円は103円10銭割れまでドル売りが強まったが、その後いったん買い戻しに。
ユーロ円の買い戻しが目立つ格好となり、103円30銭台を付ける動きが見られた。
しかし、その後円高の動きが広がり、ドル円は102円台を付ける動きに。
昨年末の米株高を受けてプラス圏で始まった日経平均が一時400円超の下げとなり27042.32円を付けるなどの動きも見られ、
リスク警戒の展開に。
菅首相が今週中に一都三県に緊急事態宣言を発令の意向との報道が警戒感につながったと見られた。
ドル円は昨年12月30日の安値を割り込み、102円94銭まで値を落とす展開となった。
【ロンドン市場】ドル円102円71銭まで値を落とす
ドル円は一時102円71銭まで値を落とす場面が見られた。
ドル安基調が継続する中で、菅首相の緊急事態宣言検討報道が円高を誘い、ドル円は直近安値を割り込み値を落とした。
12月17日のパンデミック後の安値を割り込み、3月以来の安値圏に。
ユーロドルが1.23台に乗せる場面が見られるなどドルは全面安。ポンドドルも一時1.37台を付けている。
その後は安値から買いが入る展開に。
【NY市場】午前はドル安の調整
午前中はロンドン昼前のドル安基調に対する調整の動きが継続。
ドル円は103円台を回復する動きを見せた。
ユーロドルが1.22台半ばを割り込んでの動きとなるなどドル安全般に対する調整の流れに。
今日のジョージア州での上院決選投票を前にやや警戒感から米株に調整が入り
リスク選好でのドル安が後退した格好。
ポンドは対ドル、対円ともに軟調。ポンドドルは1.35台半ば割れまで値を落としている。
ドル安の調整に加え
ジョンソン首相がイングランド全域でロックダウンを実施すると発表したことなどがポンドの重しに。
【本日の見通し】ドル先安観は継続
ドルの先安観は継続。
米長期金利の低迷が長く続くと見込まれる中で、
ドル全面安基調の意識が強い。
ただ、今週は本日のジョージア州での上院決選投票
明日の上下両院合同会議での選挙人集計などが警戒されており
リスク選好の動きがやや後退傾向に。
週末には米雇用統計も控えており、突っ込んだドル売りには慎重姿勢も見られそう。
ドル円は振幅の中で上値の重さを確認する展開に。
ユーロドルは1.22台でしっかりの展開が続くと、再び1.23台を試す展開もありそう。
ポンドはこれまでの上昇が厳しかった分、調整がやや入りやすい。
【本日の戦略】戻り売り
流れとしてのドル売りは継続。
ドル円は103円台での売り場探し。
短期的には103.50超えでストップ。そのうえでも104円台に乗せるようだといったん様子見に回りたい。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《1/4 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.22 1.2225 126.56
高値 103.32 1.2309 126.79
安値 102.71 1.2221 126.10
終値 103.13 1.2248 126.32
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《1/4 月曜日の主要株式指数》
日経 27258.38 -185.79
DOW 30223.89 -382.59
S&P 3700.65 -55.42
Nasdaq 12698.45 -189.83
FTSE 6571.88 +111.36
DAX 13726.74 +7.96
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《1/4 月曜日の商品市場》
NY原油先物2月限(WTI)(終値)
1バレル=47.62(-0.90 -1.85%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1946.60(+51.50 +2.72%)
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《1/4 月曜日に発表された主な経済指標》
【トルコ】
消費者物価指数(12月)16:00
結果 1.25%
予想 0.9% 前回 2.3%(前月比)
結果 14.6%
予想 14.2% 前回 14.03%(前年比)
【香港】
小売売上高(11月)17:30
結果 -4.0%
予想 -7.4% 前回 -8.7%(-8.8%から修正)(価額ベース)
結果 -4.7%
予想 -7.8% 前回 -9.2%(-9.3%から修正)(数量ベース)
【スイス】
SVME購買担当者景況指数(PMI)(12月)17:30
結果 57.0
予想 54.3 前回 55.2
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・確報値(12月)17:55
結果 58.3
予想 58.6 前回 58.6
ユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数)(確報値)(12月)18:00
結果 55.2
予想 55.5 前回 55.5
【英国】
CIPS製造業PMI・確報値(12月)18:30
結果 57.5
予想 57.3 前回 57.3
【米国】
建設支出(11月)00:00
結果 0.9%
予想 1.0% 前回 1.6%(1.3%から修正)(前月比)
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《1/4 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*菅首相
都圏での緊急事態宣言の再発令を検討する
新型コロナ対策の特措法改正案を通常国会に提出する
不要不急の外出などは控えてほしい
*菅首相
1都3県が念頭にあることは事実、緊急事態宣言。
去年は1カ月程度、参考にし諮問委で決めてもらう、発令期間。
イベント開催、すべてなくすということでない、宣言発令でも。
学校は基本的に考えていない。休業要請の対象。
時短への協力金、増額を考えている。
罰金とかいろいろな考え方ある、特措法改正の罰則。
ワクチンが大きな安心感を与えてくれると期待、五輪開催。
秋までのどこかで選挙をやりたい、衆院解散。
【ユーロ圏】
*デコス・スペイン中銀総裁
イールドカーブコントロールは選択肢として検討する価値あろう。
現在の金融環境が継続するなら、金融緩和措置をすべて使い切る必要はないだろう。
PEPPの総枠を使い切ること可能、必要であれば増額も。
【英国】
*ジョンソン英首相
より一層強いウイルス措置が必要なことに疑問の余地ない。
*ジョンソン英首相
イングランド全体で都市封鎖を実施。
期間は月曜日の夜から2月中旬まで。
学校はすべての小学校から大学がまで閉鎖。
外出は特定の理由のみ。
テレワークができない場合の出勤、生活必需品の購入、運動、
病人の支援、医療の予約などに限られる。
必要不可欠でない小売店やホスピタリティ、パーソナルケアサ
ービスはすべて閉鎖。
【米国】
*エバンス・シカゴ連銀総裁
モメンタムと伴にインフレが上昇して行くことが重要。
金融政策は長期間、緩和的であろう。
インフレ目標として2.5%付近は重要。
平均インフレが2%に上昇するには何年もかかる可能性。
FRBの資産購入はしばらく続くかもしれない。
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《本日予定されている主な経済指標》
【シンガポール】
小売売上高(11月)14:00
予想 N/A 前回 0.2%(前月比)
予想 -8.1% 前回 -8.6%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(11月)16:00
予想 -2.0% 前回 2.6%(前月比)
予想 4.0% 前回 8.6%(前年比)
ドイツ失業率(12月)17:55
予想 6.2% 前回 6.1%
ドイツ失業者数(12月)17:55
予想 1.00万人 前回 -3.90万人
【スイス】
消費者物価指数(12月)16:30
予想 0.0% 前回 -0.2%(前月比)
予想 -0.7% 前回 -0.7%(前年比)
【カナダ】
鉱工業製品価格(11月)22:30
予想 N/A 前回 -0.4%(前月比)
原材料価格指数(11月)22:30
予想 N/A 前回 0.5%(前月比)
【米国】
ISM製造業景気指数(12月)6日0:00
予想 56.5 前回 57.5
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員