往って来い、特にポンドは300ポイント超の振幅
往って来い、特にポンドは300ポイント超の振幅
ドル円は103円台での振幅。ポンド売りドル買いからのドル全面高で上昇も、その後落とす
【本日の見通し】不安定な動き
ドル円は103円台での推移となりそう。
昨日は大きな行ってこい。ブレグジットがらみの期待感がポンド買いに。
ただ、新型コロナウイルスの変異種への警戒感は継続しており、
きっかけ次第で再びポンド売りの動きも。
一方ブレグジットがらみでは漁業権問題での英国の譲歩がかなり大きい。
EU側が受けるかは微妙だが、通商協議が合意するとポンドはもう一段の買いも。
欧州議会の設定した期日は過ぎたものの
暫定的な延長などで対応可能な時期であり、
一気に合意に動く可能性は十分にありそう。
【本日の戦略】無理は禁物
ここまで不安定な振幅の後ではやりにくさも。
ドル円は戻り売りを意識で、103円台後半の売り場探し。
ポンドは手を出さないのが基本だが、EUとの通商協議にらみ。
基本は戻り売りも合意もしくは合意に向けた動きが見られるとすぐに買い戻しできる状況にしておきたい。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
【東京市場】ポンドが急落して始まる
週明けポンドが急落した。感染力が最大7割強い新型コロナウイルスの変異種の感染が英国で広がっており、ロンドンを含むイングランド南東部にTIER4が発令され、事実上のロックダウン再開となった。欧州、カナダなど多くの国で渡航禁止措置が取られたほか、フランスなどは貨物も緊急で止めており、社会的な混乱が懸念される状況。こうした状況を受けてポンドは週末時点から大きく下げて始まり、さらに売りが強まるという展開に。
欧州議会が年内に承認するためには20日深夜までの合意が前提として提示されていたEUと英国との自由貿易協定に関する協議も、期日までに合意ができず、ポンド売りに拍車をかける格好に。
ポンドドルは先週松野1.3490前後から1.34割れを付ける形で始まり、1.3440前後まで値を戻した後、再び売りが強まる形で1.34割れ。1.34ちょうど前後でのもみ合いを経て昼前後にさらに売りが強まり1.3335近くまで値を落とすという展開。その後は1.3350を挟んで安値圏もみ合いに。
ポンド円も同様に139円40銭前後の先週末から138円台後半まで下落。139円ちょうど前後まで値を戻すもすぐに売りが入り、138円台半ばをしっかり割り込むと売りが加速し、137円80銭台まで。その後138円台を回復も138円台前半推移に。
ドル円はリスク回避のドル買いにいったんドル買い円売り水準で始まり、すぐに先週末終値近辺に戻すなど荒っぽい動きで始まった。103円30銭前後から103円50銭超えをつけて103円30銭割れ。その後再び103円台半ばに迫るなど方向性がはっきりせず。
リスク警戒の円買いの動きに昼前に103円25銭前後まで値を落とすも、午後はドル買いが優勢で103円台半ば前後までと、結局振幅に終始する展開となった。
【ロンドン市場】ポンド売り加速
ポンド売りが加速し、一時1.3180台まで。1.33台後半もみ合いから売りが一気に強まった。
欧州株が大幅安。米株先も東京市場の下げ渋りから一気にマイナス圏に。
リスク回避のドル買いが強まる中でドル円は103円89銭を付ける動きに。
ドル買い一服後は調整も不安定な動きに。
【NY市場】ドル売りの動き、ポンドは先週末終値水準まで値を戻す
ポンドは1.35近くまで値を戻しており、300ポイントを超える大きな行ってこい。
英国がEUとの通商協議において争点となっている漁業権問題でもう一歩妥協した調整案を示し
ポンドの買い戻しを誘う格好に。
ドル円が103円30銭前後まで値を戻すなど、基本的に行ってこいで
東京ロンドン午前のドル買いが解消される格好に。
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《12/21 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.40 1.2237 126.58
高値 103.89 1.2253 126.67
安値 103.25 1.2130 125.92
終値 103.32 1.2244 126.51
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《12/21 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26714.42 -48.97
DOW 30216.45 +37.40
S&P 3694.92 -14.49
Nasdaq 12742.52 -13.12
FTSE 6416.32 -112.86
DAX 13246.30 -384.21
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《12/21 月曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=47.74(-1.36 -2.77%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1882.80(-6.10 -0.32%)
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《12/21 月曜日に発表された主な経済指標》
【香港】
消費者物価指数(11月)17:30
結果 -0.2%
予想 -0.1% 前回 -0.2%(前年比)
【ユーロ圏】
消費者信頼感指数(速報値)(12月)0:00
結果 -13.9
予想 -17.3 前回 -17.6
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《12/18 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【英国】
*英政府報道官
新型コロナの変異種はジブラルタル、デンマーク、オーストラリアでもみつかった。
フランスの措置がブレグジットに関連しているとは考えていない。
我々のサプライチェインはしっかりとしており買い物は平静に、パニック買いに対して。
ジョンソン英首相は政府官邸でクリスマス過ごす。
英国はどのような合意であっても1月1日より前に批准する必要、ブレグジットで。
時間は極めて限られている。
EUとの協議で重大な食い違いは依然として残っている。
引き続き食い違いを埋める努力をしている。
【米国】
*米20年債入札結果
最高落札利回り 1.470%(WI:1.478%)
応札倍率 2.39倍(前回:2.27倍)
*ムニューシン米財務長官
早ければ来週初めにも国民1人当たり現金600ドルの直接給付開始。
経済に資金注入する非常に早い方法。
*ペロシ米下院議長
個人向けの特別給付はすぐに配られる。
下院ではまもなく通過するだろう。
ウイルスを粉砕するために追加の行動をとる必要。
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《本日予定されている主な経済指標》
【英国】
GDP・確報値(第3四半期) 16:00
予想 15.5% 前回 15.5%(前期比)
予想 -9.6% 前回 -9.6%(前年比)
公共部門ネット負債(11月)16:00
予想 268億ポンド 前回 216億ポンド
経常収支(第3四半期)16:00
予想 -117億ポンド 前回 -28億ポンド
【香港】
国際収支(第3四半期)17:30
予想 N/A 前回 594.3億香港ドル(経常収支)
予想 N/A 前回 -155.1億香港ドル(総額)
【米国】
実質GDP・確報値(第3四半期)22:30
予想 33.1% 前回 33.1%(前期比年率)
GDPデフレータ・確報値(第3四半期)22:30
予想 3.6% 前回 3.6%(前期比年率)
PCEコアデフレータ・確報値(第3四半期)22:30
予想 3.5% 前回 3.5%(前期比年率)
個人消費・確報値(第3四半期)22:30
予想 40.6% 前回 40.6%(前期比年率)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(12月)23日0:00
予想 97.0 前回 96.1
中古住宅販売件数(11月)23日0:00
予想 670万件 前回 685万件
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員