ドル売りの動きが優勢に、リスク選好の動きも
ドル売りの動きが優勢に、リスク選好の動きも
ポンドがしっかり、直近の売りに対する調整入る
【東京市場】午前中にやや円買い、午後はもみ合いに終始
前日の海外市場、ロンドン市場では比較的しっかりとなったドル円は、NY市場でダウ平均が値を落とすなどリスク選好の動きが一服したこともあり、やや頭の重い展開となり105円10銭台に値を落として朝を迎えた。
今週105円台に乗せてから、実需売りなどが目立つ東京市場では、午前中にドル売り円買いの動きが強まり、105円の大台を割り込んで104円86銭まで。もっとも火曜日の安値を付けきらず、その後は104円90銭台を中心とした狭いレンジでもみ合った。
ユーロドルは1.1800台での小動き。1.18割れの場面も続かず、とはいえ上値も重いという展開で、朝からのレンジは16ポイントにとどまっている。
【ロンドン市場】ドル売り円売り
ユーロドルなどでドル売りの動きが目立ったもののドル円では円売りがやや優勢に。
東京市場で104円台に値を落としていたが、ロンドン市場では105円10銭台を回復する動きを見せている。
ユーロドルは1.1830台まで。1.1800からの売りに慎重でいったん買いが入った格好。
ポンドもしっかりで木曜日のポンド売りの調整が入った。
【NY市場】104円50銭台まで
ドル円は104円50銭台まで値を落とした。
週末を前にドル売り円買いの動きが強まった。
ポンドドルが1.31台後半まで上昇するなどしっかり。
ユーロドルは1.1830台を中心とした動きに。
株高の動きなどが見られ、リスク選好の流れからのドル売り。
ドル円に関してはファイザーでの急騰以降106円を付けに行くような動きにならなかったことで
いったん調整の動きが広がった面も。
【本日の見通し】ドル売りの意識
ファイザーによる新型コロナウイルスのワクチン開発への好感からのドル買い円売りの動きが一服。
ドル円は先週105円台後半まで付けたものの、そこからの買いには慎重で104円台に値を落とした。
今週は目立った材料がなく、上値の重い展開が続く可能性が高そう。
104円台半ばを割り込むようだともう一段のドル売り円買いも。
ポンドはEUとの自由貿易協定の協議が大詰め。非公式期限であった15日を過ぎてもまとまらず
16日以降も協議継続となっている。
ブレグジットの立役者の一人で離脱強硬派として知られるカミングス上級顧問が13日に解任されたことで
離脱交渉が前向きに進むのではとの期待も広がっている。
【本日の戦略】戻り売り
ドル売りが優勢な展開か。
株高の動きが広がると東京市場では円売りも出てくると期待されるが
海外市場ではドル売りが勝る展開が期待される。
突っ込んだ売りは避けたいところだが、戻りを丁寧に売りに回る展開。
105円台半ばを戻すような動きを見せるといったんストップに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《11/13 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 105.13 1.1806 124.12
高値 105.16 1.1837 124.30
安値 104.56 1.1799 123.66
終値 104.63 1.1834 123.85
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《11/13 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 25385.87 -135.01
DOW 29479.81 +399.64
S&P 3585.15 +48.14
Nasdaq 11829.29 +119.70
FTSE 6316.39 -22.55
DAX 13076.72 +23.77
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《11/13 金曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=40.13(-0.99 -2.41%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1886.20(+12.90 +0.69%)
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《11/13 金曜日に発表された主な経済指標》
【香港】
実質GDP(確報・前年比)(2020年第3四半期)17:30
結果 -3.5%
予想 -3.4% 前回 -3.4%(前年比)
実質GDP(確報・前期比)(2020年第3四半期)17:30
結果 2.8%
予想 3.0% 前回 3.0%(前期比)
【ユーロ圏】
貿易収支(9月)19:00
結果 248.0億ユーロ
予想 N/A 前回 147.0億ユーロ(季調前)
結果 240.0億ユーロ
予想 225.0億ユーロ 前回 210.0億ユーロ(219.0億ユーロから修正)(季調済)
貿易収支(9月)19:00
結果 248.0億ユーロ
予想 N/A 前回 147.0億ユーロ(季調前)
結果 240.0億ユーロ
予想 225.0億ユーロ 前回 210.0億ユーロ(219.0億ユーロから修正)(季調済)
【米国】
生産者物価指数(10月)22:30
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.4%(前月比)
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 0.4%(前年比)
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.4%(コア・前月比)
結果 1.1%
予想 1.2% 前回 1.2%(コア・前年比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(11月)0:00
結果 77.0
予想 82.0 前回 81.8
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《11/13 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ミューラー・エストニア中銀総裁
PEPP単独では追加刺激提供の最善の手段でない。
異なる手段の組み合わせについて少なくとも考えるべき。
民間セクターの資金調達条件により直接働きかける手段を見つけられればベスト。
TLTROは検討すべき有力な手段。
*シュナーベルECB理事
あらゆる手段を模索している。
これまで利下げを行わなかったことには様々な理由がある。
現在は、それらの理由を再び見直す必要ある。
ECBは3月当時とは異なった状況に直面。
資産購入の拡大、ペースについて議論するべき。
金融政策だけではなく、財政政策が引き続き必要だ。
(CNBC)
*デコス・スペイン中銀総裁
12月に発表されるマクロ経済予測は下方修正されるだろう。
今後数四半期にわたりインフレは予想を下回る見込み。
ワクチンの報道はポジティブ。
しかし、経済活動に対する前向きの影響示すには時間がかかるだろう。
ユーロ圏でのリスクは下向きに傾斜。
【米国】
*ウィリアムズNY連銀総裁
経済に関するニュースは想定よりも良いものだ。
経済指標は引き続き経済が上昇軌道であること示している。
インフレにとっては多くの下方圧力がみられる。
今後数年間はインフレは望ましい水準を下回るだろう。
金利についての決定は経済に何が起きるのかに依存。
市場はインフレよりも、経済見通しの改善に反応している。
*ペロシ米下院議長
きのうバイデン氏と話し、パンデミックについて協議した。
ウイルス感染支援に焦点をあて続けている。
レームダックの間の焦点はウイルス感染支援。
共和党は協議のテーブルに戻るべき。
自身はフェイスブックの大ファンではない。
*バイデン政権移行チーム
バイデン氏は今週、アドバイザーと閣僚について協議した。
バイデン氏は来週、国家安全保障の専門家から説明を受ける。
希望者は迅速なウェブサイトから管理職への応募を奨励。
バイデン氏は引き続き景気刺激策について議会に関与。
バイデン氏はマコネル共和上院院内総務と協力して雇用回復を熱望。
バイデン陣営は選挙結果を巡る訴訟についてきょう遅くに最新情報を更新予定。
【英国】
*英首相報道官
ブレグジット協議では依然として公平な条件と漁業権で溝がある。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
GDP・1次速報(第3四半期)8:50
予想 4.4% 前回 -7.9%(前期比)
予想 18.9% 前回 -28.1%(前期比年率)
GDPデフレータ・1次速報(第3四半期)8:50
予想 1.0% 前回 1.3%(前年比)
設備稼働率(9月)13:30
予想 N/A 前回 2.9%(前月比)
鉱工業生産・確報値(9月)13:30
予想 N/A 前回 4.0%(前月比)
予想 N/A 前回 -9.0%(前年比)
【英国】
ライトムーブ住宅価格(11月)9:01
予想 N/A 前回 1.1%(前月比)
予想 N/A 前回 5.5%(前年比)
【中国】
鉱工業生産(10月)11:00
予想 6.7% 前回 6.9%(前年比)
予想 1.8% 前回 1.2%(年初来・前年比)
小売売上高(10月)11:00
予想 5.0% 前回 3.3%(前年比)
予想 -5.9% 前回 -7.2%(年初来・前年比)
【米国】
ニューヨーク連銀製造業景気指数(11月)22:30
予想 13.8 前回 10.5
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員