雇用統計好結果も上昇限定的、その後売りも
雇用統計好結果も上昇限定的、その後売りも
レンジ取引が継続見込み、新型コロナウイルス警戒が重石
【東京市場】ドル円若干調整も続かず
ドル円は艦内で感染者が出ているクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」内でこれまでの感染者20名に加え新たな感染者が41名出たとの報道にドル安株安の場面が見られ、朝方、昨日NY市場夕方に続いて110円を付けていたドル円は109円81銭まで。もっともすぐに少し戻して109円90銭近辺でもみ合いに。
【ロンドン市場】やや頭の重い展開
ドル円はやや頭の重い展開で、東京市場の安値を割り込んで109.67近辺まで値を落とした。
新型コロナウイルス対策を各国が発表し
実体経済への影響が懸念されたことなどが重石。
独・仏の鉱工業生産の弱さからユーロ円が売られたことも、ドル円の重石に。
ユーロ円は120円台前半に。
ユーロは対ドルでも1.0980近辺から1.09台半ば割れと4か月ぶりの安値圏。
【NY市場】雇用統計後に振幅
ドル円はロンドン市場の流れを受けて頭の重い展開に。
109円台半ば手前に買いが入っており下押しには慎重で
109円70銭台で週の取引を終えている。
半期議会証言で利用する金融政策報告書の内容が伝わっており
新型コロナウイルスが新たな脅威と言及するなど警戒感を示したが
市場の反応は限定的。
雇用統計は予想よりも強めでこちらはドル買い材料も
110円台に乗せるだけの勢いが出ず
110円手前で頭を押さえられ、その後は調整にいったん値を落とすという流れ
もっとも109円台半ばも付けきれず戻してのもみ合い。
【本日の見通し】109円台後半推移
ドル円は109円台後半での推移が続く展開に。
雇用統計の好結果を受けても110円を付けきれないなど、頭の重さが意識されるものの、
一方で、109円台半ばも付けておらず、
上下ともに動きにくいところに。
109円台後半のレンジを意識という流れか。
今週予定されている半期議会証言の現行が発表され
新型コロナウイルスへの警戒感を示すところが見られたが、
ある程度は想定内で、影響は限定的。
ただ、証言での質疑応答などで追加緩和の可能性が示されるようだとドル売りも。
【本日の戦略】押し目買い
流れは押し目買い
下がったところで丁寧に買いたいところ。
デイトレは109円台半ば割れでストップ
スウィングはポジションにもよるがもう少し待ちたいところ。
もっとも109円割れではいったんストップか。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/7 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.99 1.0983 120.79
高値 110.02 1.0985 120.82
安値 109.53 1.0942 120.09
終値 109.75 1.0946 120.14
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《2/7 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23827.98 -45.61
DOW 29102.51 -277.26
S&P 3327.71 -18.07
Nasdaq 9520.51 -51.64
FTSE 7466.70 -38.09
DAX 13513.81 -61.01
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《2/7 金曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=50.32(-0.63 -1.24%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1573.40(+3.40 +0.22%)
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《2/7 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
景気動向指数(速報値)(12月)14:00
結果 91.6
予想 91.3 前回 90.8(景気先行指数)
結果 94.7
予想 94.7 前回 94.7(景気一致指数)
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産(12月)16:00
結果 -3.5%
予想 -0.2% 前回 1.2%(1.1%から修正)(前月比)
結果 -6.8%
予想 -3.7% 前回 -2.5%(-2.6%から修正)(前年比)
ドイツ貿易収支(12月)16:00
貿易収支(12月)16:00
結果 152億ユーロ
予想 150億ユーロ 前回 186億ユーロ(183億ユーロから修正)(貿易収支)
ドイツ経常収支(12月)16:00
結果 294億ユーロ
予想 235億ユーロ 前回 241億ユーロ(249億ユーロから修正)(経常収支)
【カナダ】
雇用統計(1月)22:30
結果 3.45万人
予想 1.75万人 前回 2.73万人(3.52万人から修正)(雇用者数)
結果 5.5%
予想 5.7% 前回 5.6%(失業率)
Ivey購買担当者景況感指数(1月)00:00
結果 57.3
予想 n/a 前回 51.9
【米国】
雇用統計(1月)22:30
結果 22.5万人
予想 16.5万人 前回 14.7万人(14.5万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 3.6%
予想 3.5% 前回 3.5%(失業率)
民間部門雇用者数
結果 20.6万人
予想 15.5万人 前回 14.2万人(13.9万人から修正)
製造業雇用者数
結果 -1.2万人
予想 -0.2万人 前回 -0.5万人(-1.2万人から修正)
平均時給
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.1%(前月比)
結果 3.1%
予想 3.0% 前回 3.0%(2.9%から修正)(前年比)
週平均労働時間
結果 34.3
予想 34.3 前回 34.3
労働参加率
結果 63.4%
予想 63.2% 前回 63.2%
卸売在庫(確報値)(12月)00:00
結果 -0.2%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
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《2/7 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【新型コロナウイルス関連】
*日本
クルーズ船で新たに41人が感染、クルーズ船での感染者は計61人。
*中国国家衛生健康委員会
6日時点で死者は計636人。感染者は新たに3143人増え、計3万1161人。
*シンガポール、
新型コロナウイルスの警戒レベルを引き上げ、SARSの時と同水準に。
*香港特別行政区行政長官
政府職員の在宅勤務期間を1週間延長し2月16日までに。
*台湾
中国本土とのほとんどの航空便を来週月曜日から停止。
北京、上海、成都、廈門への航空便は継続する。
飛行禁止措置は4月29日まで効力持つ。
【米国】
*クオールズFRB副議長
短期金融市場の流動性の拡充を目的として銀行監督の枠組みを変更することを検討。
金融政策については現行が適切。
新型コロナウイルスの感染拡大について慎重な監視が必要。
見通しについて引き続き楽観的だが堅調なリスクも認識。
*アイオワ州予備選挙
ブティジェッジ前サウスベンド市長が26.198%で首位。
2位はサンダース上院議員の26.128%
3位はウォーレン上院議員の17.980%
4位はバイデン前副大統領の15.847%
クロブチャー上院議員以下は代議員割り当てに必要な15%を獲得できず。
*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
中国の習国家主席はトランプ大統領に2年間の購入目標は達成すると発言。
*FRB
半期に一度の金融政策報告を議会に提出。
下振れリスクは昨年終盤に後退したものの、ウイルス感染が新たな脅威。
世界経済に混乱をもたらす可能性がある。
資産のバリュエーションは高まった。
一部は低金利によるもの。
貿易、製造業の世界的な減速は終了に接近。
レポの変動は他の市場にも影響。
中国が重大な困難に陥った場合、世界経済に広がる可能性。
【豪州】
*ロウ豪中銀総裁
2020年の経済成長見通しは2.75%、2021年以降に3%。
低金利の便益とリスクの間のバランスをとる必要
世界経済は徐々に向上
データは全般的なターニングポイントを超えたことを示している
量的緩和は現状の議題ではない。
マイナス金利政策はほとんどあり得ない
消費の拡大は徐々に
政策金利が0.25%となった場合に検討
給与上昇の見通し直近では変化なし、雇用市場を引き続き注視。
山火事がGDPを0.2%減少させるとみられる
【中国】
*習近平国家主席
新型コロナウイルスとの戦いに勝利すると確信
中国経済の良好なモメンタムは不変
*中国統計局、貿易収支の発表、1月と2月データをまとめて公表へ。
(この日予定されていた1月データの発表を延期)
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
国際収支(12月)8:50
予想 344億円 前回 -25億円(貿易収支)
予想 4647億円 前回 14368億円(経常収支)
予想 16605億円 前回 17949億円(経常収支・季調済)
【中国】
消費者物価指数(1月)10:30
予想 4.9% 前回 4.5%(前年比)
生産者物価指数(1月)10:30
予想 0.1% 前回 -0.5%(前年比)
【スイス】
失業率(1月)15:45
予想 2.3% 前回 2.3%(季調済)
予想 2.6% 前回 2.5%(季調前)
消費者物価指数(1月)16:30
予想 -0.3% 前回 0.0%(前月比)
予想 0.1% 前回 0.2%(前年比)
【トルコ】
失業率(11月)16:00
予想 13.4% 前回 13.4%
【カナダ】
住宅着工件数(1月)22:15
予想 20.50万件 前回 19.73万件
住宅建設許可(12月)22:30
予想 2.8% 前回 -2.4%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員