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新型コロナウイルス関連での薬・ワクチン報道にドル買い強まる

見通し 

新型コロナウイルス関連での薬・ワクチン報道にドル買い強まる

ドル円は109円80銭台、ユーロドル1.10割れ

【東京市場】落ち着いた動き

 ドル円は109円37銭から52銭と落ち着いた動きとなっている。昨日のNY市場で株高などを好感してドル買い円う入りが進行、ドル円は109円50銭台まで上値を伸ばす展開となり、東京朝も高値圏で迎えた。

 東京市場では利益確定の売りなども入ったが、安値は109円37銭まで。午後は109円40銭台で小動きとなった。

 アジア株が堅調な動きを見せ、日経平均も200円を超える上昇となったが、昨日の海外市場での株高である程度は想定済みであり、上値を買う勢いは生じず。中国人民銀行がオペを見送り、以前のレポの満期分で300億元の吸収となったことなどが頭を抑える格好に。

 昨日120円97銭と121円に迫る動きを見せたユーロ円は朝の120円96円を高値にやや調整が入り120円70銭台での推移。

 トランプ大統領の一般教書演説ではこれまでの実績を強調。市場の反応は限定的。

【ロンドン市場】ウイルス開発報道で一気にドル買い

 英スカイが英チームが新型コロナウイルス対応の薬を開発などの報道で
一気にドル買い円売りの動きが広がった。
ドル円は109円台後半での推移に。
クロス円も一気に変われユーロ円は121円台。
米債利回り一気に1.63%台を付けるなど
リスク警戒感後退の動きが顕著に。

【NY市場】ドル円は高値圏

 ドル円は高値圏推移に。
中国の浙江大学のチームが生体外細胞実験で
ウイルスを阻害する可能性のあるいくつかの薬を発見したといったニュースや
英スカイによる新ワクチンの開発過程の一部を大きく短縮の突破口とのニュースが
ドル買い円売りにつながった。
ドル円は109円85銭近辺まで上昇。
ドル全般に買いが入り、ユーロドルは1.10割れをトライに。

【本日の見通し】ドル高期待

 ドル買い円売りの期待が強まる展開となっている。
ドル円は109円80銭台まで上値を伸ばした。
ワクチン開発関連報道がきっかけだが、
有効性確認期間が短くなったとはいえ
治験は早くても夏以降で今回の流行にはあまり影響がないとみられるが
市場は神経質な反応をしめした。

 当面はこうしたうごきがつづくとみられ、
ドル買い円売りの動きが優勢に。

 もっとも110円手前にはまだ売りが残る
明日の米雇用統計を前に上値を押さえらえると
109円台後半を中心としたレンジ取引が続きそう。

【本日の戦略】押し目買い

 デイトレは109円台半ば近くからの買いでの回転を意識も。
スウィングは少し待ちたいところで109円台買い下がりか
ただ明日の雇用統計でポジションを維持するべきかは微妙で
ポジションを軽めに。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《2/5 水曜日》
 ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  109.52  1.1044  120.96
高値  109.85  1.1048  121.15
安値  109.30  1.0994  120.66
終値  109.83  1.0999  120.80
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《2/5 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  23319.56 +234.97
DOW   29290.85 +483.22
S&P    3334.69 +37.10
Nasdaq  9508.68 +40.71
FTSE   7482.48 +42.66
DAX   13478.33 +196.59
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《2/5 水曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=50.75(+1.14 +2.30%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1562.80(+7.30 +0.47%)
–+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《2/5 水曜日に発表された主な経済指標》

【ユーロ圏】
ドイツ非製造業PMI・確報値(1月)17:55
結果 54.2
予想 54.2 前回 54.2

ユーロ圏非製造業PMI・確報値(1月)18:00
結果 52.5
予想 52.2 前回 52.2

ユーロ圏小売売上高(12月)19:00
結果 -1.6%
予想 -1.1% 前回 0.8%(1.0%から修正)(前月比)
結果 1.3%
予想 2.3% 前回 2.3%(2.2%から修正)(前年比)

【英国】
CIPS非製造業PMI(1月)18:30
結果 53.9
予想 52.9 前回 52.9

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(01/25 – 01/31)21:00
結果 5.0%
予想 N/A 前回 7.2%(前週比)

ADP雇用者数(1月)22:15
結果 29.1万人
予想 15.7万人 前回 19.9万人(20.2万人から修正)(前月比)

貿易収支(12月)22:30
結果 -489億ドル
予想 -482億ドル 前回 -437億ドル(-431億ドルから修正)

ISM非製造業景気指数(1月)00:00
結果 55.5
予想 55.1 前回 54.9

【カナダ】
国際商品貿易(12月)22:30
結果 -3.7億カナダドル
予想 -6.1億カナダドル 前回 -12.0億カナダドル(-10.9億カナダドルから修正)

【ブラジル】
ブラジル中銀政策金利 5-6日に発表予定
結果 4.25%
予想 4.25% 現行 4.50%
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《2/5 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【米国】
*トランプ大統領、一般教書演説
3年前に偉大なアメリカを取り戻すと宣言した
雇用は回復し、給与は上昇し、犯罪は低下し、米国は自信を強めた
対中関税政策は機能している
習主席との関係はこれまでで最も良好だろう
USMCAが米国の農家や工場の輸出を拡大
宇宙軍は非常に重要
新型コロナウイルスで中国と協力
薬価引き下げのための超党派での法案を
処方薬価格引き下げの法案なら署名する

【豪州】
*ロウ豪中銀総裁
新型コロナウイルスは新たな不確実性
以前のSARSがガイドとなるが、影響は今回の方が大きい
失業率がもし上昇するならば利下げの強い論拠に
超低金利下での資産価格は信頼感に対するリスクとなる。
2020年のGDP、山火事の影響を大きく受ける
経済はすでに改善に向けた緩やかな転換点を通過
追加的な金融緩和のメリットについて議論を続けている
このところの物価動向や失業率は正しい方向に向かっている
金利はすでに非常に低い水準

【新型コロナウイルス関連】
*中国国家衛生健康委員会
国内での新型コロナウイルス感染による死者は490人、感染者は2万4324人に。

*WHO、新型ウイルスに対する有効な治療薬についてまだ確認していない。
(中国や英国で有効な治療薬を開発との一部報道について)

【ユーロ圏】
*デコス・スペイン中銀総裁
2%のインフレ目標は「明確さ」をもたらすだろう。
インフレ目標は「シンプルな水準」であることが良いと思う。

*レーンECBチーフエコノミスト
ECBは政策の副作用に気付くべきだ。
インフレは今後2年間で改善する見通し。
市場の多くがドイツがリセッションに陥ると考えている。
緩和政策がドイツ経済成長を下支えする。

*ラガルドECB総裁
気候変動は金融政策に影響を与えるだろう。
新型コロナウイルスは経済に新たな不透明感をもたらしている。
ECBのガイダンスは効果的な自動安定化装置だ。
欧州の資本市場の統合が極めて重要。

【米国】
*デーリー・サンフランシスコ連銀総裁
ウイルスの経済への影響はまだ小さい。
中国は向こう数四半期は減速が見込まれる。
米経済への具体的な影響は見込んでいない。
米GDPはトレンドを若干上回る水準を見込む。
我々は好位置の政策に達した。
労働市場はタイトだが、賃金圧力は高まっていない。
–+—+—+—+—+—+—+–+—+-
《本日予定されている主な経済指標》

【豪州】
貿易収支(12月)9:30
予想 55.00億豪ドル 前回 58.00億豪ドル

小売売上高 9:30
予想 -0.2% 前回 0.9%(12月・前月比)
予想 0.3% 前回 -0.1%(第4四半期・前期比)

【インド】
インド中銀政策金利 15:15
予想 5.15% 現行 5.15%

【ユーロ圏】
ドイツ製造業受注(12月)16:00
予想 0.7% 前回 -1.3%(前月比)
予想 -6.6% 前回 -6.5%(前年比)

【南アフリカ】
SACCI景況感指数(1月)18:30
予想 93.2 前回 93.1

【米国】
新規失業保険申請件数(1日までの週)22:30
予想 21.5万件 前回 21.6万件

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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