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[資源・新興国通貨12/9~13の展望] 12日、トルコ中銀は利下げするか

達人の予想 

豪ドル

RBA(豪中銀)は3日、政策金利を過去最低の0.75%に据え置くことを決定。据え置きは2会合連続です。

声明では、「経済の持続的成長、完全雇用、長期的なインフレ目標の達成を支援するために、必要ならば金融政策をさらに緩和する用意がある」と改めて表明。追加利下げの可能性を残しました。

一方で、声明の最終段落では新たに、「低金利の影響や金融政策の伝達の長期かつ変動の遅れを考慮し、労働市場などの動向を引き続き監視する一方で、今回の会合で政策金利を据え置くことを決定した」との文言を追加。これまでの利下げの効果を当面見極める姿勢を示しました。

***

RBAの声明では近い将来の利下げは示唆されませんでしたが、市場は依然として2020年前半に利下げが行われるとみています。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、2020年4月までに利下げが行われる確率がほぼ織り込まれています。RBAの利下げ観測を背景に、豪ドルは上値が重い展開になりそうです。

豪ドルについては、米中貿易協議の行方も材料になりそうです。米国は12月15日に対中追加関税を発動する予定。関税が発動される可能性が一段と高まれば、リスク回避の動きが強まる可能性があります。リスク回避は豪ドルにとってマイナス材料です。

NZドル

NZドルは今週12/2の週)、対米ドルや対円で約4カ月ぶりの高値を記録しました。NZの11月企業信頼感指数(11/28発表)がマイナス26.4と、10月のマイナス42.4から改善したほか、中国の11月財新製造業PMI(12/2発表)が51.8と、約3年ぶりの高水準となり、それらがNZドルの支援材料となりました。中国はNZの最大の輸出先です。

市場ではRBNZ(NZ中銀)の利下げ観測が後退しており、それを背景にNZドルは引き続き堅調に推移しそうです。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込むRBNZの利下げの確率は、2020年2月の次回会合で2割弱。利下げの確率はその後上昇しますが、それでも11月までで5割強です。

一方で、豪ドルと同様にNZドルも米中貿易協議の行方に要注意。リスク回避はNZドルにとってマイナス材料です。

カナダドル

BOC(カナダ中銀)は4日、政策金利を1.75%に据え置くことを決定。BOCは2018年10月に利上げ(0.25%)して以降、政策金利を据え置いており、今回で9会合連続です。

BOCは声明で、世界経済が安定化しつつあり、カナダ経済は底堅いとの見方を示し、コアインフレはBOCの目標水準近辺で推移すると予想。また、前回10月の「貿易摩擦や不確実性が続くなか、カナダ経済の回復力がますます試されていることに留意している」との文言を削除しました。

声明をみる限り、BOCが利下げに向かう可能性は低下したとみられます。市場では利下げ観測が後退しており、カナダドルは堅調に推移しそうです。原油価格や米ドル/円の動向にも影響を受けますが、カナダドル/円は83.061円(11/7高値)超えを試す可能性があります。

トルコリラ

12日、TCMB(トルコ中銀)が政策金利を発表します。市場では追加利下げに踏み切るとの見方が有力です。一方で、トルコの11月CPI(消費者物価指数)上昇率は前年比+10.56%と、10月の+8.55%から加速したうえ、TCMBは7月以降、合計10%もの大幅な利下げを実施しました(現在の政策金利は14.00%)。今回は政策金利を据え置いてこれまでの利下げの効果を見極める可能性もあります。TCMBが市場予想(1.50~2.00%程度)を上回る幅の追加利下げを決定すれば、トルコリラが軟調に推移する可能性があります。一方、政策金利が据え置かれた場合にはサプライズとなり、トルコリラが上昇しそうです。

トルコのS400(ロシア製地対空ミサイルシステム)導入問題には引き続き要注意です。トランプ米大統領は3日、「トルコへの制裁を検討しており、協議中だ」と語りました。米国が対トルコ制裁に向けて動いた場合、トルコリラに下押し圧力が加わりそうです。

南アフリカランド

3日、南アフリカの7-9月期GDPが発表され、結果は前期比マイナス0.6%と、市場予想(+0.1%)に反してマイナス成長を記録。それにより、南アフリカ経済は2019年に入り、3四半期のうち2四半期でマイナス成長となりました。GDPの結果によって同国経済の低迷が改めて浮き彫りとなったことで、南アフリカランドは上値が重い展開になりそうです。

一方で、南アフリカランドは米中貿易協議の行方にも影響を受けそうです。リスク回避の動きが強まる場合、ランドの上値は一段と重くなる可能性があります。

メキシコペソ

ライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表とセアデ・メキシコ外務次官は4日、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の修正について協議しました。

米、メキシコ、カナダは2018年11月にUSMCAに署名。USMCAの発効には3カ国すべての議会で承認される必要がありますが、現時点で承認したのはメキシコのみ。米国とカナダは未承認です。米国の承認が遅れているのは、下院で多数を占める民主党が内容の修正を求めているためです(カナダは米国の承認を待つ姿勢)。

民主党はバイオ医薬品保護や環境に関する条項の修正のほか、労働規定の実効性を確保するためにメキシコが労働基準を順守しているかを監視する査察官を置くことを提案。トランプ政権と民主党は協議を続けています。

一方、査察官を置く提案にメキシコは反発しています。ロペスオブラドール大統領は3日、「査察官による監視は受け入れられない」と述べ、「USMCAを修正するなら、メキシコ上院(議会)の承認が必要だ」と強調。セアデ外務次官は4日のライトハイザーUSTR代表との会談後、USMCAの修正について「協議は進展しており、数日中に(米国と)合意に達する可能性はある」としながらも、解決すべき問題がいくつか残っており、「メキシコが受け入れ不可能なこともある」と語りました。

USMCA発効のメドがたたないことがメキシコの景気低迷の一因となり、メキシコペソの重石にもなっています。そのため、USMCAの先行き不透明感が払しょくされればペソの上昇要因となり得る一方、不透明感が残る限り、ペソは上値が重い展開になりそうです。

執筆者 八代 和也

執筆者 : 八代 和也|マネ―スクエア シニアアナリスト

マネースクエア シニアアナリスト。資源・新興国通貨を中心に分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。

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