日経、200日線の攻防戦入り
投機筋はショートカバー一巡~次の一手はなにか?
朝から堅調なスタートを切った東京市場でした。グローベックス市場のNYダウ工業株指数も、昨晩終値近辺のとんとんという水準から、次第に気配切り上げとなり、前場中には92ドル高の気配まで上昇していました。
途中から始まった上海コンポジット指数も、小じっかりの続伸でスタート。
ただ、やはり雇用統計前であり、週末なので、さすがに勢いよく買い乗せていくというモーメンタムにはならなかったようです。
前場10時半以降は、引けまで終日、ほぼ高原状態に近い動きでした。値幅はほとんどありません。
短期投機筋はほぼ昨日の上げで、ショートカバーが終わっているのでしょう。本日さほど狼狽した買戻しが見られないことから、そんな気がします。逆にその前にロングだったところも、さして短期利益確定の売りを出していないということも言えます。
週末にも指数がほとんど押さないということからすると、どうやら投機筋あたりは今晩の雇用統計、内容はともあれ、ショートではなくロングで攻めようとしているのかもしれません。
今日のポイントは、やはり日経平均が50日線を突破し、今まさに200日線の攻防に入っているということです。50日線は20,101円なので、寄りから突破しています。
なお、グローベックス市場の先物は、東京大引け時点で51ドル高。
物色動向は、あいかわらず混迷
物色動向としては、やはり混迷の度合いを深めています。
東証REIT指数やOLC<4661>が相変わらず高値更新している一方で、明らかにTDK<6762>、ダイキン<6367>、京セラ<6971>、安川電機<6506>、そしてこのところ連日、日経新聞で特集記事が組まれているホンダ<7267>など景気敏感株の大型が上位ランキングに食い込んでいます。
市場はあたかも「二股」をかけているかのようです。わたしは個人的に、保有銘柄に半導体関連があれば、決して半導体からは離れてはいけないと思います。
指数と半導体株の、移動平均線の逆順列と順列パターン
ただ、移動平均線を見ると、景気後退を前提にした市場の思惑というものはほとんど無いと考えられます。
日経平均は、主要移動平均線が上から順に200日線、75日線、一番下が25日線という、逆順列です。完全にトレンドは崩れているわけです。
が、もっともダメージを受けているはずの半導体銘柄は軒並み反対に、順のパターンになってきています。
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>はすでにそうですし、スクリーン<7735>は、4日の時点で順のパターンに復帰。
ということは、およそ景気後退もまず現時点では考えられなければ、景気敏感株が上がらないはずはない、という結論になってきます。
夏場の雇用統計は弱い~番狂わせで好調なデータになるか?
今晩は、月間で相場が一番下げ易いアノマリーの序盤に当たる、「米雇用統計」の発表です。
昨日解説しましたように、今回のアノマリーは、結果的には「アノマリー破り」になるのではないかと思うのですが、まずはこの雇用統計、水物ですからどういうデータが出てくるか、非常にブレの大きい指標ですので、予測ができません。
市場関係者の予測はあちこちに紹介されていますが、基本的には夏場の数値ですから、弱いというのが通り相場です。もっともこの夏場、決してデータは弱くない実績が続いているので、これも何ともいえません。
また、運用する立場からは、むしろそれよりも出た雇用統計に対して、市場がどういった反応をするかのほうが重要です。
戦略方針
昨日、日経ダブルインバース<1357>から、日経レバレッジETF<1570>へドテン反対売買をしています。現在は日経レバレッジETFにフルベットしています。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。