ドイツ誌の報道でユーロドルは買い戻しも次第に下向きの流れ=NY為替
ユーロドルはNY時間に入って買い戻しが優勢となっているものの、きょうは一時1.1070ドル近辺まで下落していた。ドイツのシュピーゲル誌が、ドイツのメルケル首相とショルツ財務相はドイツが景気後退に陥った場合、財政赤字を拡大させる準備をしていると報じている。景気低迷による税収不足を国債の発行増で相殺させる可能性があるという。
ドイツはプラス成長時の財政赤字はGDPの0.35%までが上限と憲法で定めているが、景気後退に陥った場合は規制を緩和してもよいルールとなっている。この報道が伝わるとユーロドルは買い戻しが強まり、一時1.11ドル台まで買い戻される場面も見られた。
しかし、ユーロドルは次第に上値が重くなってきている。前日のレーン・フィンランド中銀総裁の発言でECBの追加緩和は予想以上の規模になるのではとの期待が市場に強まっている。同総裁は「世界経済の減速が相当かつ十分な債券購入をECBに実施させる」と述べていた。米国債のイールドカーブのフラット化も一服しており、ドル売りが緩んでいることもユーロドルの売りを誘っている面もありそうだ。
目先は8月1日安値1.1025ドル付近が下値サポートとして意識される。
EUR/USD 1.1093 EUR/JPY 117.95 EUR/GBP 0.9128
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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