次第に底入れしていく相場
東京市場は、底練りから浮上へ
本日の東京市場は、しっかり上昇。日経平均は76円高の20,593円。
グローベックスはザラ場中、朝方にトントン、ないしは20-30ドル安の気配でしたが、そのうちプラスに浮上。さらに、前場後半から後場になりますと100ドル高に気配切り上げ。
上海コンポジット指数も常時プラスで推移していました。(大引け時点でも同じ)
セクターの物色では、上昇率上位にはシクリカル(景気敏感)系が多く、精密、金属、化学といったところが目立ちました。
先行指標となる半導体では、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>などベンチマーク級には、昨日あわやと思われましたが、本日はトレンドを崩さず反発しているところを見ると、問題なさそうです。
6日の最後の突っ込みから、東京市場もようやく底練りを脱し、浮上し始めたかもしれません。
本日の年初来安値更新銘柄数は、84銘柄。昨日が63銘柄でしたから、増えたのですが、200どころか100以下ですから、完全に底入れたという確認ができたわけです。
2番底シナリオと、シェイクアウトシナリオ
市場には、まだ弱気が非常に多く、6日の安値を割っていく相場展開を警戒する意見がそうです。
本日の日経新聞朝刊「スクランブル」でもヘッジファンドがその動きをする可能性について触れていました。
この警戒は怠ってはいけないでしょう。なにしろ、ここからお盆休みが本格化するので(アメリカでも夏休みの真っ最中です)、市場参加者が極端に減るわけで、薄商いの中、どういう波乱が起きるかはわからないからです。
ただ、そういう横車を除けば、基本的には先週からの大幅下落(4日で日経平均は1,000円超の下落)は、本質的には、「アメリカのファンダメンタルズとは関係のない、チャイナリスク発生を恐れた」ことからくる一時的なシェイクアウト(振るい落とし)だと考えています。
アメリカは、この長期金利低下によって、むしろファンダメンタルズは強化される結果になるので、まったく問題ないと当レポートでは考えています。
この薄商いの膠着相場から、上にブレイクするときには、往々にして直前にいったん急落するようなシェイクアウト(振るい落とし)が発生しがちだと、以前から指摘していますが、今回も結局そのシェイクアウトが発生したのだとすれば、これは、2番底を取りに行く、大きな打ち返しというものはほとんど起きないのではないでしょうか。順当に上昇相場を維持していくような気がしています。
戦略方針
日経ダブルインバースETF<1357>の買い持ち持続です。6週線、3週前の終値の二つを抜かない限り、日経レバレッジETF<1570>に入れ替えることはできません。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。