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思った以上に底堅い東京市場

達人の予想 

小動きの一日だが、200日線上はしっかり維持

朝方こそ、軟調に始まったものの、次第に東京市場は切り返し傾向を見せました。
とくに後場、13時以降に前場の持ち合い水準を上にブレイクしています。
グローベックスではトントン、ないしは若干マイナスという気配でしたが、これ20-30ドル高の気配でしっかりし始めたことも影響していたかもしれません。
上海市場でも、朝方はマイナスだったのですが、前日終値対比では、きわめて微弱な下げで、小甘いという程度でした。
ただ、後場も後半になると、グローベックスにしろ上海にしろ、やや軟化。それにつれて日経平均も前場の揉み合いレンジに押し戻される結果となりました。
業種別の上昇率ランキングでは、海運がトップで、10位くらいまで総じてシクリカル(景気敏感)系が多かったようですが、ディフェンシブが弱いという印象もありません。
閑散な出来高が恒常化し、どうしてもこのところの円高気味の傾向に苛まれ、なおかつFOMCという最後のマクロイベントが今月末に控えていて(日米ともに四半期決算が迫っています)、というような状況で、相場はなかなか方向性を見いだせないでいます。
G20で米中が一時的にせよ、予想以上の緊張緩和となったことで、景気敏感株にも買いが始まり、これで指数も上向き加減になってきたものの、まだ出尽くしになるには不十分でしょう。
どんなに短くても、プレアナウンスメント期間中である今週一杯、下手をすると、アメリカ企業の決算発表が本格化する来週、あるいは再来週くらいまで、この閑散で方向感のない相場状況が続くかもしれません。

日銀短観では、製造・非製造とも上方修正出始めている

先日公表された日銀短期経済観測ですが、ここではいくつかの業種で(製造・非製造問わず)、上方修正が出始めています。
設備投資が景気下支えをしているというのが実態のようです。
今年2019年度の大企業の投資計画は製造業で、昨年度比+12.9%増、非製造業でも4.2%増を見込んでいるようです。
重要なのは、これがG20におけるアメリカの対中国制裁緩和や協議再開ということが判明する前の調査だったということです。

在庫が減っている

本日も日経新聞朝刊「スクランブル」に、「電子部品の出荷指数と在庫指数伸び率の差」がグラフ表示されていました。
景気減速過程ですから、出荷全体が落ちていても致し方ないのです。しかし需要の減退以上に、在庫の絞り込みが進行しつつあることはうかがえます。これによって、早晩需給バランスが好転する可能性がでてきているわけです。
もともと当レポートで想定していた、マクロ的には上半期で景気減速も底入れ、というものは、実際にはやや遅れているのかもしれませんが、概ね近い進捗状況になっていると考えています。

対韓国、半導体材料の輸出規制問題

日本にしては、珍しく韓国に対して強硬策に出ています。
韓国経済にとって重要な半導体・有機EL業界が窮地に陥りかねない、フッ化ポリイミドやレジストなどの原料素材の供給に規制をかけるというものでしたが、脅威にはなりますが、致命的ではありません。供給をストップするというものではないのです。あくまで従来フリーで韓国が日本から輸入していたものを、ここの案件ごとに申請するというもので、時間がかかるわけです。これが、韓国の関連業界の生産スケジュールに影響が出てくるでしょう。
これらの原材料素材は日本企業が9割シェアですから、代替が効きません。
一応、日本の関連銘柄の株価は大きな影響を実際には受けていないようです。

JSR<4185>
東京応化工業<4186>
ステラケミファ<4109>

比較的中堅以下の銘柄で言うと、こういったところが目に浮かびます。小型であればそれだけ影響は甚大になるはずですが、株価は堅調ですから問題なさそうです。

日経「銘柄診断」から~日本郵船

海運株は押しなべて長期低落傾向のままです。
本日日経新聞朝刊「銘柄診断」では日本郵船<9101>が解説されていました。骨子は、足元ではブラジル事故の収拾から荷動きが再開されたこと、そしてG20で米中関係の緊張が一時的に緩和されたこと、この二つが上昇要因だということになっていました。
これは確かにそうなのですが、海運市況はバルチックドライ海上運賃(記事にも指摘がありました)が、年初からずっと上昇しています。
ロンドンの非鉄市況もアルミと亜鉛を除けば、復調ですから、だいたい先行指標の動きは整合性があります。足元ではやはり株価の先行指標であるダウ輸送株指数が、ついに今週すべての移動平均線を突破してきて、上昇トレンド入りを果たしました。同時に、総合株価指数S&P500が史上高値を更新したわけです。
これらを総合すると、海上運賃が高いのは、景気を先取りする格好で物流が動き出しているということもありますが、こと海運株という観点から見たときには、かなり船腹逼迫という需給要因が大きいような気がします。
それは、IMO(国際海事機関)が決定した、2020年1月から施行される硫黄酸化物排出規制が要因です。
高い脱硫装置を船につけるか、船そのものを新造船に替えるか、それとも脱硫高品質の高価な燃料を使用するか、三つの選択に悩まされていたのが世界の海運業界です。
このことが、ドック入りしたり、廃船しているケースも多々あるでしょうから、相対的に船腹逼迫状況があり、そこに景気の底入れによる物流増大とがあいまって、海上運賃が上昇している部分が半分はあるのではないかと推察します。
もともと世界的に構造不況業種ですから、なかなか資産運用の担い手として海運株を対象にするということは、こうしたことからみても、いささか荷が重すぎるのではないでしょうか。
それなら、まだ非鉄関連株のほうが、妙味があると思います。

戦略方針

日経レバレッジETF<1570>ホールドのままです。順調にリターンの拡大になっています。

執筆者 松川行雄

執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長 

大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。

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