債券も株価も相場行き過ぎ
日本は、むしろ反落傾向
本日の東京市場は朝高で、その後ジリ貧となり、結局204円安で21,258円。
アメリカについていけない日本株市場でした。もちろん、日本市場が日米金利差縮小(米国の過度な利下げ期待)で107円も割るかという円高が進行している中で、日本株が足を取られているというのは、確かにあるでしょう。また、週末だけに、アメリカも短期的な利益確定が入ると警戒している部分もあるんでしょう。
が、それはさておき、ある意味、米国株市場が正直かなり異様な暴走になっている印象が強いので、かえって日本株がこれに乗らない、というのは個人的には安心した部分もあります。このまま指数プレイで、何が柱かもはっきりしないままに、日経平均だけアメリカについて上昇し続けられたら、たまったものではありません。
日経平均はそもそも苦戦する水準にある
ちょうど75日線21,428円、3月の月中平均21,414円。50日線が21,421円。似たようなこの帯域に重要な水準が密集しているわけで、ここで揉み合い、攻防戦になるのはごく自然なことです。
むしろアメリカの過度な利下げ期待と、株高のほうがいささか怖い感じがしてしまいます。
恐らく、週末と言うこともあるので、今晩短期的な利益確定で米国株が下がるか、来週早々にも、米国株市場は頭を冷やして、おとなしくなってくるのではないかと考えています。
外部環境は、米国株気配切り下げ、上海続伸
ザラ場中のグローベックス市場では、NYダウ工業株先物は60ドル安くらいの気配切り下げ。
ちなみに上海コンポジット指数は、恐らく当局の強引な人民元買い支えが行き過ぎて人民元高にブレているので(昨日から)、人民元流出の懸念が緩和されているのでしょう。本日も続伸で50日線突破。しょせんこちらは国家隊による買いでしょう。
この上昇ラウンドの天井
一応、この上昇ラウンドの終点の目安としては、従来の想定から、5月ビットコイン高値から53日後ということで、7月21日前後。もう一つは6月に入ってからビットコインが、中国人買いによりイレギュラーな天井をつけたとして、その53日後なら、8月末から9月初。
この二つの天井想定を述べました。
速いほうは、7月21日です。ここから相場が異様な上昇に入っていった場合、米国企業決算のクライマックスはちょうど、7月20日の週だと推定されます。ビッグネームが軒並み決算発表となる週だからです。
一応この早めの天井形成のタイミングを、念頭に入れて、今後、米国長期金利、米国ジャンクボンド、人民元、金先物、ダウ輸送株、こういった定点観測指標になんらかの異変が起きないか、チェックを怠らないようにいたしましょう。
戦略方針
日経平均レバレッジ<1570>の持続です。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。