【NY市場】ドル円が再び200日線下回る FOMC前にドル売り強まりポジション調整
きょうのドル円は一本調子の下げが続き111円台前半まで一時下落した。東京勢が連休中ということもあり下値での買いも乏しく下値を切り下げたようだ。NY時間に入って下げは一服したものの上値は重い。明日のFOMCの結果を前に市場全体はドル売りが強まり、ドル円もポジション調整が入っているものと見られる。きょうの下げで再び200日線を下回って来ており、明日以降の動きが注目される。
FOMCに関しては大きな政策変更はないものと見られている。これまで通りに「辛抱強くいられる」の言及と量的緩和縮小の終了を強調してくるものと見られる。
ただ、一部からは超過準備の付利(IOER)が引き下げられるのではとの見方も出ている。FF金利の市場取引のボラティリティが上昇しており、テクニカル的な対応の一環と見られているようだ。しかし、IOERの調整はリバースレポ金利との差を前例のない水準まで縮小させることから、可能性は小さいとの見方もあるようだ。また、実施すれば市場とのコミュニケーションの問題も生じる恐れもあるという。
しかし、相場に大きく影響を与える可能性は小さい。むしろ、今年から毎回実施されているパウエルFRB議長の会見などで利下げの可能性に触れて来るか注目される。直近の指標からは利下げの可能性を示唆する可能性は低いものと見られる。
ユーロドルは途中で伸び悩む動きも見られたものの、1.12ドル台を維持している。ロンドン時間に発表になった第1四半期のユーロ圏GDPが予想を上回ったことで、きょうのユーロは買い戻しが優勢となった。ドイツの消費者物価指数(HICP)速報値もユーロ買戻しをフォロー。
前日からユーロドルは買い戻しが強まっていたが、その流れを踏襲する形で一時1.1230ドル付近まで上昇し、21日線をうかがう動きも見せた。ただ、いまのところ、その水準では上値が抑えられている。
明日のFOMCの結果を見極めたい雰囲気もあるようだ。ただ、きょうの上げは自律反発を期待させる動きとも見られており、FOMC後の動きが注目される。
ポンドドルが力強い動きを見せており、1.30ドル台を回復している。きょうの上げで一気に200日線を回復し、21日線まで到達。再び買い戻しの流れに戻せるか注目される。
メイ政権と野党労働党との超党派協議が続いている中で英BBCは、もし、総選挙か政府の姿勢に変化がなければ、労働党は2回目の国民投票を支持していると伝えている。これまでも伝わっていた内容でもあり、特に市場の反応は限定的となった。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美