為替相場まとめ10月5日から10月9日の週
5日からの週は、フランスの財政悪化と高校生デモの拡大が引き金となり、欧州発のリスクが全体を支配した。ユーロドルは1.12を割り込み1.11台へ急落し、独仏利回り格差の拡大がユーロ売りを強めた。ユーロ円も176円台へ沈み、欧州政治不安が通貨全体の重しとなった。一方でドルは安全通貨として全面高となり、ドル円は157円台から158円台へ戻す展開が続いた。FRBは10月利上げ見送り観測が強まったものの、年末までの追加利上げ余地が残り、金利差構造がドル円の下値を支えた。日銀は利上げ示唆を避け、円安圧力を温存したため、ドル円は158円台半ばを試しつつも介入警戒で上値が重い状態が続いた。週を通じてユーロ売り・ドル買い・円買いが交錯し、原油高や米債利回りの上下が短期的な方向感を左右した。ユーロの戻りは仏債動向に左右され限定的で、ユーロドル1.12や1.1180、ドル円158.30が主要な攻防ラインとなった。欧州財政不安が長期化すれば、ユーロは1.10-1.05方向への下押し余地が広がるとの見方も強まっている。
(5日)
東京市場では、フランスの財政悪化懸念やデモでの拘束報道を受け、ユーロ売りが先行した。ユーロドルは1.1260付近から1.1161まで急落。ドルは全面高となり、ドル円は朝方にユーロ円の売りに押されて157.44まで下落した後、節目の158.00を超えて158.17まで反発した。ただし日米当局による円安牽制への警戒感から157.70付近へ押し戻された。ユーロ円は178.03から176.41まで売られ、戻りも176.80付近にとどまった。ポンドドルは1.3250付近から1.3190付近へ下落。ポンド円は209.20まで上昇後、208.40付近へ転落した。
ロンドン市場では、フランスの財政・政情不安を背景にユーロ売り主導で始まったが、欧州債取引の開始に伴い仏債利回りの上昇が一服し、ユーロに買い戻しが入った。ユーロドルは1.1220付近まで持ち直し、ポンドドルも1.32付近へ戻す往って来いの展開となった。ドル指数は年初来高値更新後に伸び悩んだ。ユーロ円は176円台前半から177円台、ポンド円は208円前半から209付近へ反発。ドル円は東京午後の158.17付近から157.50付近へ下落後、158付近で揉み合い、ドル買いと円買いが交錯して明確な方向性を欠いた。英独株は小動きも、仏株の下落が目立った。
NY市場では、ドル高傾向が続き、ドル円は再び158付近へ上昇した。GPIFの基本ポートフォリオ見直し観測を裏付ける材料が出なかったことも押し上げ要因となった。市場では米雇用統計の振るわず10月FOMCの利上げ見送り観測が強まる一方、27年末までの継続利上げ期待が下値を支えた。ユーロドルは欧州の政局・財政リスクから一時1.1160付近へ下落し、オプション絡みの売りも誘発したが、その後1.12付近を回復。ユーロ円は一時176.22まで下落後に下げ渋った。ポンドドルは1.32割れで押し目買いが入り底堅く、ポンド円は209を挟み推移した。
(6日)
東京市場では、ドル円が157円台後半から午後にかけてドル高が強まり、158.22まで上昇した。株高によるリスク選好の円売り、米長期金利上昇、原油高が支えとなった。植田日銀総裁の発言で10月利上げへの慎重姿勢が意識されると、158.24まで高値を更新。その後、ロンドン勢の参入に伴い米金利や原油が急落すると158.00付近へ調整した。ユーロドルは仏財政懸念のユーロ売りから1.1203まで下落。ポンドドルも1.3201まで売られた。ユーロ円は177.49上昇後に177.10付近へ押し戻され、ポンド円も209.08から208.70付近へ反落した。
ロンドン市場では、仏財務相の発言やルペン氏の赤字削減目標により仏債売りが一服、独仏金利差が縮小しユーロに買い戻しが入った。ユーロドルは1.12割れ試行後に1.1249付近まで上昇、ユーロ円も177.95付近へ上伸した。サウジの原油供給回復期待による原油安や米金利低下もドル売り圧力となった。ポンドドルは1.3248付近へ上昇、ポンド円も209.61付近へ買われた。ドル円は日銀の10月追加利上げに慎重な見方や植田総裁挨拶を受け円売りが優勢となり、158.25付近まで高値を伸ばした後も158.20付近で高値圏を維持した。
NY市場では、原油相場と米長期金利の上昇が一服し、ドルの上値が重くなったものの、ドル円は158付近で底堅く推移した。植田総裁発言から10月利上げ観測が後退し日米金利差が意識される一方、158円台半ばの200日線や介入警戒感が上値を抑えた。ユーロドルは買い戻しが入って1.12付近を維持し、ユーロ円は178付近を回復。欧州の政治リスクはあるもののユーロの下落基調加速は懐疑的との見方も出た。ポンドドルも1.32付近へ反発し、ポンド円は一時210付近へ上伸。英経済の足元の底堅さが意識されたが、今後の光熱費上昇やインフレ懸念も残る。
(7日)
東京市場では、ドル円が堅調に推移し、午前に158.51まで上値を伸ばした。時間外の原油高や米長期金利の5.30%台乗せがドル買いを支援。しかし日米当局による円安牽制への警戒感から158円台半ばの上値は重く、午後は158.30割れへ伸び悩んだ。ユーロドルは前日の上昇後、フランス政局不安やドル高に押され1.1223へじり安。ポンドドルも1.3243へ下落した。ユーロ円は朝方に178.30まで買われた後、対ドルのユーロ安により177.68へ反落。ポンド円も210.21まで上昇後に209.67へ押し戻された。
ロンドン市場では、フランスの政局・財政不安再燃により仏10年債利回りが上昇、独仏金利差拡大を受けてユーロ売りが強まった。ユーロドルは1.1200を割り込み1.1180付近へ急落。ユーロ円は176.30付近、ポンド円は208.95付近へ下落した。このユーロ安に伴い円買い・ドル買いが波及し、ドル円は158.51付近から157.85付近へ反落後、米金利上昇を受けて158付近へ買い戻される神経質な展開となった。ポンドドルは1.3222付近へ下落。対ポンドでもユーロ売りが優勢で、不安心理が払拭されない状況が続いた。
NY市場では、米10年債入札の好結果を受けて米長期金利が低下し、ドル円は一時157付近へ押し戻された。200日線付近では上値を抑えられている。9月FOMC議事録では全委員の利上げ支持や年内追加利上げの可能性が示されたが、市場の反応は限定的。イランによるタンカー攻撃懸念から原油高が続きボラティリティの上昇も見られた。ユーロドルは仏財政懸念から1.12を割り込む場面があったが下放れには至らず、ユーロ円は177付近で推移。ポンドドルは1.31付近へ下落後1.32付近で下げ渋り、ポンド円は208付近へ下落した。
(8日)
東京市場では、ドル円が仲値にかけてのドル売りで157.59まで下落後、米長期金利の上昇や地政学的リスク(トランプ氏のイラン攻撃報道)による原油高を受け反発、午後には158.29まで上昇した。クロス円も軒並み反発し、ユーロ円は176.53から177.29、ポンド円は208.20から209.00付近へ上伸。一方、対ドルでの欧州通貨安が重石となり上値は抑制された。ユーロドルは1.1213買戻し後に1.1190へ押し戻され、ポンドドルも1.3220超えまで上昇後に1.3194へ反落した。
ロンドン市場では、原油高を背景にドル高が進行した。ユーロドルは仏財政懸念も重なり1.1172まで下落したが、NY勢参入や米10年債利回りの低下に伴い1.1200近くへ反発した。ポンドドルも1.3184へ下落後に1.32付近へ持ち直した。ドル円は東京午後の上昇後、日米当局の円安牽制警戒から158.09-158.30の狭いレンジで揉み合い。ユーロ円は対ドルのユーロ安で176.80付近へ売られた後に177.10付近へ反発。ポンド円は208.50付近へ下落後、ポンド買い戻しに伴い209付近を回復した。
NY市場では、トランプ氏が中間選挙前のイラン攻撃を見送ると表明したことや30年債入札の堅調な結果から米長期金利が低下し、ドル円は158円台半ばから157円台半ばへ急落した。ユーロドルはドル高一服で1.11付近から1.12付近へ買い戻され、1.12の節目で押し目買いが確認された。ユーロ円はドル円の押しに連れて176付近へ低下、上値の重い展開が続く。ポンドドルは1.31付近へ下落後に1.32付近へ買い戻され強いサポートが意識された。ポンド円は209.40付近から208付近へ伸び悩んだ。
(9日)
東京市場では、ドル円が堅調。NY市場で米債利回り低下を受け158.30円台から157.52円まで下落後、東京でも安値からの買い戻しが続いた。仲値にかけてドル買いが入り158.10円台へ上昇し、仲値後に157.70円台へ押される場面もあったが、高市首相の「為替・物価動向を注視」との発言を受け円売りが強まり、午後に158.20円を付けた。もっとも動きはNYレンジ内に収まり、過度な変動への警戒も残った。ユーロドルはドル売り優勢で1.1243ドルまで上昇後、1.1220ドル台へ戻し上値は慎重。ポンドドルは1.3251ドルまで上昇し前日の高値を更新。ユーロ円は177.71円、ポンド円は209.49円まで上昇した。
ロンドン市場では、円安水準で神経質な振幅を伴いつつ円売り地合いが続いた。ドル円は東京早朝の157円台後半から158円台半ばへ上昇後、介入警戒で158円トビ台まで調整。その後は三連休前の思惑が一巡し、日米金利差を意識した円売りが再び優勢となり底堅い。クロス円もユーロ円177円台半ば、ポンド円209円台半ばと円安水準を維持。ドル相場は東京のドル売りがロンドンで一服し、ユーロドル1.12台前半、ポンドドル1.32台前半から半ばで推移。原油高や仏債利回り上昇は沈静化し欧米株は堅調。米10年債利回りは5.25%台へ上昇しドル買い圧力が残る。
NY市場でドル円は158円台での底堅い推移が続いた。157円台に値を落としていたが、下値での買いも根強いようだ。ただ、158円台半ばに来ている200日線に慎重な雰囲気に変化はない。前日はトランプ大統領が中間選挙が終わるまでイランへの攻撃を見送ると表明したことや、米30年債入札が底堅かったことで利回りが低下し、ドル円も値を落としていた。ただ、ドル高も去ることながら、円安も根強い。本日の日本国債利回りが全年限に渡って低下していたことが円の重しとなった。
執筆者 : MINKABU PRESS
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