【通貨別まとめと見通し】ポンド円:213円割れからの驚異的V字回復、ダブルボトムを経て215円台奪還への神経質な足固め
【通貨別まとめと見通し】ポンド円:213円割れからの驚異的V字回復、ダブルボトムを経て215円台奪還への神経質な足固め
先週から今週(6月8日〜6月15日)のまとめ
先々週末5日の米雇用統計を境に急反落(週末終値213.860円)した流れを引き継いだ先週のポンド円は、極めてボラティリティの激しい乱高下を演じた。週明け8日(月)のロンドン・NY時間にかけて急激なポジション調整売りに押され、一時212.938円まで深く売り込まれる展開となったものの、213.00円割れの局面では猛烈な押し目買いを確認して急反発。週後半に一度213.875円まで再調整(ダブルボトムを形成)したものの、週末にかけてショートカバーが加速した。週明け15日(月)には一時215.376円まで急騰し、雇用統計前の高値圏へ迫る力強い歩みを見せた。足元は214円台後半へとやや押し戻されているものの、底堅い足固めを模索するステージへと移行している。
詳細な値動きの振り返り
■ 213円割れからのV字反転と214円台の回復(6月8日〜10日)
5日の急落の余波が残る中、週明け8日(月)の17:00〜18:00台には調整売りが加速し、一時212.938円まで水準を切り下げた。しかし、この213円割れの安値圏が格好の押し目買いの好機となり、翌9日(火)にかけてV字反発を達成。9日深夜23:00台には214.689円まで買い戻された。10日(水)は214.40 - 214.70円台を中心とした揉み合いとなり、急速な買い戻し一巡後のパワー蓄積フェーズとなった。
■ ECB後の市場動向に伴う再調整と底堅さ(6月11日〜12日)
11日(木)の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ発表およびその後の市場の神経質な反応に巻き込まれる形で、12日(金)00:00台には一時213.875円まで深く押し戻される場面があった。しかし、先々週末安値(213.860円)の手前で綺麗にサポートされ、事実上の「ダブルボトム(二番底)」を形成。不透明感の払拭とともに再び猛烈なショートカバーが入り、12日深夜から13日(土)早朝にかけては214.90円台まで力強く急反発してクローズした。
■ 週明けの215円台急騰と足元の攻防(6月15日〜16日現在)
週明け15日(月)に入ると、東京時間から欧州時間前半(14:00台)にかけてポンド買い・円売りが一段と加速。一時215.376円まで上値を伸ばし、前週の下落分をほぼ帳消しにする力強い強気ステージへと回帰した。本日16日(火)昼現在、直近では214.60円台(12:00時点214.630円)へとやや利食い売りに押されているものの、前週の抵抗帯がサポートとして機能するかのテストを行っている。
ファンダメンタルズ分析
英国・米国側(イベント通過と利下げ慎重論): 5日の米雇用統計でのサプライズを機に急速なポジション調整(ポンド売り・円買い)が進んだが、11日のECB理事会を通過したことで欧州発の市場の不透明感が一服した。さらに、イングランド銀行(BOE)の早期利下げ観測が依然として慎重であることから、主要通貨の中でもポンドの「相対的な高金利の魅力」が意識されやすく、クロス円全体の買い戻しを牽引する原動力となっている。
日本側(実質金利差を背景とした押し目買い): 再び215円台へと急接近したことで本邦当局による為替介入リスクが意識され、上値を抑える要因となった。しかし、依然として圧倒的な「日英の実質金利差」を背景に、8日の212.938円や12日の213.875円といった急落局面はすべて「絶好の押し目買い好機」と捉えられ、下値の強固さを補強している。
テクニカル分析
トレンド: 短期的には一時213円を割り込む崩れを見せたものの、日足・4時間足レベルの長期上昇トレンドの根底は崩れていない。特に、11日〜12日にかけての急調整が213.875円でピタリと下げ止まり、先々週末安値(213.860円)と並んで強固なダブルボトム(二番底)を形成したテクニカル的意味合いは大きい。現在はポジションが整理され、次なる上昇へのパワーを蓄積するフェーズ(底固め)にある。
レジスタンス1: 215.00(心理的節目。ここを安定的にクリアすれば買い戻しに一段と弾みがつく)
レジスタンス2: 215.35 - 215.40(15日につけた直近高値215.376円を基準とする、目先戻り売りの防衛線)
レジスタンス3: 215.60 - 215.65(6月5日に阻まれた直近の高値圏抵抗帯)
サポート1: 214.40 - 214.55(前週前半の揉み合い、および足元で踏みとどまっている短期支持帯)
サポート2: 213.85 - 214.00(11〜12日の急調整で驚異的な底堅さを見せた下ヒゲ安値213.875円を基準とする最重要支持帯)
サポート3: 212.90 - 213.00(8日の急調整で長い下ヒゲをつけてV字反発した直近の最安値・長期最終防衛線)
今後のポイント・見通し
今週の最大の焦点は、急激な反発を見せた後の利食い売りをこなし、失った「215.00円の大台奪還」および「215.30円以上の強気チャネルへの完全復帰」を定着させられるかである。
【メインシナリオ】下値切り上がりによる215円台定着と高値再挑戦
213.80 - 214.00円のダブルボトム完成を背景に、足元の調整売りを214.40円近辺で完全に吸収する展開。日英金利差を背景としたポンド買いが再燃し、再び215.00円を明確に上抜け、15日高値である215.37円を突破して215.60 - 216.00円台への 본격的な復帰へ向かう可能性が高い。
想定レンジ: 214.30 - 215.80
根拠: ダブルボトム形成によるテクニカル的な底打ち感、および金利差を背景としたショートの巻き戻し圧力。
【対抗シナリオ】介入警戒感に伴う214円割れとレンジ保ち合いへの移行
215円台到達による本邦当局の口先介入警戒や、実需の利益確定売りが強まるシナリオ。214.40円近辺のサポートを割り込んだ場合、再び心理的節目である214.00円、および重要支持線である213.85円近辺をテストする形となる。ただし、地合いの強さから213円台後半では再度買い支えられ、パワー蓄積期間(揉み合い)の延長となる可能性が高い。
想定レンジ: 213.80 - 215.00
根拠: 215円台前半のレジスタンスの重さ、および為替介入リスクに伴うロングのポジション調整。
総評
6月8日から15日にかけてのポンド円は、一時213円を割り込む局面を迎えながらも、驚異的な押し目買い圧力によってV字反転を遂げた。テクニカル的にも213.80円台で明確な二番底(ダブルボトム)を確認し、週明け15日には一時215.37円まで急騰するなど、相場の底流にある「強烈なポンド高・円安地合い」を改めて証明する1週間となった。
足元は急反発後の自律調整売りに押されているものの、下値確認は極めて順調に完了しており、この調整をこなせば再び215円台の完全定着、そして215.60円超えの年初来高値圏への再挑戦に向けた歩みを再開させるものと期待される。
今週の主な予定
英国
06/15 08:01 ライトムーブ住宅価格 (6月) 結果 -0.6% 前回 1.2% (前月比)
06/15 08:01 ライトムーブ住宅価格 (6月) 結果 -0.5% 前回 -0.3% (前年比)
06/17 15:00 消費者物価指数(CPI) (5月) 予想 0.4% 前回 0.7% (前月比)
06/17 15:00 消費者物価指数(CPI) (5月) 予想 3.0% 前回 2.8% (前年比)
06/17 15:00 消費者物価指数(CPI) (5月) 予想 2.7% 前回 2.5% (コア・前年比)
06/17 15:00 小売物価指数(RPI) (5月) 予想 0.6% 前回 0.7% (前月比)
06/17 15:00 小売物価指数(RPI) (5月) 予想 3.2% 前回 3.0% (前年比)
06/17 15:00 小売物価指数(RPI) (5月) 予想 3.2% 前回 3.0% (前年比・除くモーゲージ利払い)
06/17 15:00 生産者物価指数(PPI) (5月) 予想 0.4% 前回 2.4% (仕入・前月比)
06/17 15:00 生産者物価指数(PPI) (5月) 予想 8.7% 前回 7.7% (仕入・前年比)
06/17 15:00 生産者物価指数(PPI) (5月) 予想 0.4% 前回 1.4% (出荷・前月比)
06/17 15:00 生産者物価指数(PPI) (5月) 予想 3.9% 前回 4.0% (出荷・前年比)
06/18 15:00 ILO失業率 (4月) 予想 5.0% 前回 5.0% (ILO失業率)
06/18 15:00 雇用統計 (5月) 前回 4.4% (失業率)
06/18 15:00 雇用統計 (5月) 前回 2.65万件 (失業保険申請件数)
06/18 20:00 英中銀政策金利 (6月) 予想 3.75% 前回 3.75%
06/19 08:01 GfK消費者信頼感調査 (6月) 予想 -22.0 前回 -23.0
06/19 15:00 小売売上高 (5月) 予想 0.4% 前回 -1.3% (前月比)
06/19 15:00 小売売上高 (5月) 予想 1.8% 前回 0.0% (前年比)
06/19 15:00 小売売上高 (5月) 予想 0.2% 前回 -0.4% (除自動車燃料・前月比)
06/19 15:00 小売売上高 (5月) 予想 3.1% 前回 1.1% (除自動車燃料・前年比)
06/19 15:00 公共部門ネット負債 (5月) 予想 190.0億ポンド 前回 243.0億ポンド
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。





