ダウ平均は上下動 パウエル議長解任巡る騒動から最終的に火消し=米国株序盤
NY株式16日(NY時間12:44)(日本時間01:44)
ダウ平均 44062.01(+38.72 +0.09%)
ナスダック 20657.70(-20.10 -0.10%)
CME日経平均先物 39490(大証終比:-100 -0.25%)
きょうのNY株式市場、パウエルFRB議長の解任を巡る一連のニュースで、市場は不安定になる場面があった。トランプ大統領がホワイトハウスで共和党議員に対し、「パウエル議長を解任すべきかどうか」と尋ね、複数の議員が支持の意思を表明したと報じられた。
「トランプ大統領が近くパウエル議長を解任する可能性が高い。書簡を準備している」といったホワイトハウス高官の発言なども報じられ、市場は混乱。ダウ平均はそれまでのプラス圏から一気に264ドル安まで急降下したが、最終的にトランプ大統領が火消しに回っている。
トランプ大統領はその後の会見で「パウエル解任に関する報道は真実ではない。解任の可能性は極めて低く、その計画もない」と述べた。これを受けて米株式市場も一気に買い戻され、ダウ平均は前日付近に戻す展開となっている。
FRB庁舎の改修工事費の不正疑惑が持ち上がっており、パウエル議長の責任問題を追及する声が出ている。トランプ大統領もそのことに言及し、議長はすでに捜査対象となっていると述べていた。それを材料に解任に追い込みたい意向も見え隠れするが、無理があるとの意見も多い。
本日は取引開始前に6月の米生産者物価指数(PPI)が発表になり、予想外の前月比変わらずとなっていた。特にサービス価格の下落が寄与。これは企業が関税コストの一部を吸収している可能性を示唆している。市場は前日のCPIの見方をやや反転させていたが、年内に1回か2回の利下げの可能性に変化はないようだ。
また、取引開始前に大手銀の決算が発表。4月以降のトランプ関税による市場の急変でトレーディングが活発化し、収入が増加。バンカメ<BAC>のトレーディング収入が過去最高を記録したほか、ゴールドマン<GS>の株式トレーディング収入も過去最高を記録し、2四半期連続の記録更新となった。一方、モルガン・スタンレー<MS>も主力のウェルズマネジメント部門が好調だったほか、株式トレーシング収入は過去最高を更新。
今回の大手銀の決算については、前日のJPモルガン<JPM>、シティグループ<C>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>を含めて、概ね同様の傾向を見せ、堅調な内容となっている。ただ、大手銀株はすでに年初来から株価が上昇しており、強い反応は見られず、材料出尽くし感の利益確定売りも出ている。
ジョンソン&ジョンソン<JNJ>が決算を受け上昇。取引開始前に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。通期のガイダンスも公表し、1株利益、売上高とも予想を上方修正している。業務運営の好調と為替の追い風を要因に挙げた。
電子決済のグローバル・ペイメンツ<GPN>が上昇。アクティビスト(物言う株主)として知られるエリオットが相当規模の株式の持ち分を保有したと報じられた。
保険販売のブライトハウス<BHF>が上昇。同社の身売り交渉の報道が流れていた。
トラック輸送のJBハント・トランスポート・サービシズ<JBHT>が決算を受け上昇。厳しい貨物市場環境が当面の上値を抑える可能性もアナリストから指摘されていたが、警戒していたほどは悪くなかったとの評価のようだ。
ジョンソン&ジョンソン<JNJ> 165.11(+9.94 +6.40%)
バンカメ<BAC> 45.58(-0.58 -1.25%)
ゴールドマン<GS> 702.85(+0.34 +0.05%)
モルガン・スタンレー<MS> 137.52(-4.07 -2.87%)
グローバル・ペイメンツ<GPN> 81.32(+3.71 +4.78%)
ブライトハウス<BHF> 51.56(+4.24 +8.96%)
JBハント<JBHT> 150.99(+2.13 +1.43%)
アップル<AAPL> 209.75(+0.64 +0.31%)
マイクロソフト<MSFT> 503.89(-1.94 -0.38%)
アマゾン<AMZN> 223.51(-2.84 -1.25%)
アルファベットC<GOOG> 184.43(+1.33 +0.72%)
アルファベットA<GOOGL> 183.42(+1.42 +0.78%)
テスラ<TSLA> 320.55(+9.77 +3.14%)
エヌビディア<NVDA> 170.59(-0.11 -0.06%)
メタ<META> 702.73(-7.66 -1.08%)
AMD<AMD> 154.84(-0.77 -0.49%)
イーライリリー<LLY> 791.74(+19.99 +2.59%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。