【中銀チェック】日銀金融政策決定会合、海外勢中心に利上げ期待見られる、米FOMCは声明や会見に注目
【中銀チェック】日銀金融政策決定会合、海外勢中心に利上げ期待見られる、米FOMCは声明や会見に注目
30日、31日に日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。結果発表は日銀が31日昼前後の会合終了後、米FOMCが日本時間1日午前3時となります。
日銀金融政策決定会合では、前回の会合で示された国債買入れ減額の具体的な計画が示される予定です。予想は現状の月6兆円から、1-2年をかけて3兆円に減額となっています。ただ、元々はもともとはもう少し穏やかな減額を見込む動きが見られていたことから、予想ほどの減額が示されない可能性があります。
また、海外勢を中心に追加利上げを同時に行うとの期待が広がっています。17日に河野デジタル相が通信社とのインタビューで日銀に利上げを求めたとの報道が出たこと(河野氏はその後一般論を語っただけで要求したわけではないと否定)や、茂木自民党幹事長が22日に都内で行った講演において、「段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と過度な円安是正に向けた姿勢を求めたことなどが、利上げ期待につながりました。
短期金利市場では70%以上が利上げを織り込む展開となっています。もっともエコノミスト予想は据え置きが多数派となっています。国債買入れ減額と同時の利上げは、金利が想定以上に上昇するリスクがあることや、やや弱含んでいる消費動向を確認したい意向があるとの見方が広がっていることが、今回の会合での据え置きと、9月か10月会合での利上げ実施という見通しにつながっています。海外勢を中心に利上げ期待がかなり強まっている分、据え置きとなった場合はいったん円売りとなる可能性があります。
米FOMCでは政策金利が据え置かれる見込みです。ごく一部で今回の会合での利下げ開始を期待する動きがありますが、金利先物市場からの政策金利見通しを示すCMEFedWatchツールでは7%程度、短期金利市場では2%程度の織り込みと、据え置き見通しがほとんどです。25日に発表された米第2四半期GDP速報値の力強さも、据え置き見通しを支えています。注目は声明とパウエル議長会見です。9月の会合での利下げ開始見通しは、CMEFedWatch、短期金利市場ともに100%となっています。利下げ開始に向けた示唆が声明や会見でどこまで示されるかが注目されます。緩和姿勢を強調してくると、9月とこちらもほぼ織り込み済みの12月だけでなく11月も利下げを実施し、年内3回利下げという期待が広がる形でドル売りとなる可能性があります。
MINKABUPRESS 山岡
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執筆者 : MINKABU PRESS
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