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【来週の注目材料】米利下げ開始時期にらみ、注目度高まる=米消費者物価指数(CPI)

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【来週の注目材料】米利下げ開始時期にらみ、注目度高まる=米消費者物価指数(CPI) 

 10日21時半に3月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。6月にも米国の利下げが開始されるとの見通しが出ていますが、利下げ開始がもう少し先送りされるとの見方もあり、関連指標に注目が集まっています。
 特に米物価動向は利下げ開始時期にまともに影響することもあり、注目度が高いです。米国のインフレターゲットの対象物価指数はPCEデフレータであってCPIではありませんが、CPIの方がPCEよりも2週間ほど発表が早く、変化傾向は似通ることから、市場はCPIを重視する傾向があります。
 特に今回のCPIについては、今年のFOMCでの投票権を持つリッチモンド連銀のバーキン総裁が、利下げには広範囲な物価の鈍化が必要、年明けの状況が物価安定に向けた凸凹(バンプ)なのかを確認するためにも、3月のCPIが重要と発言するなど、米FOMC内で注目されていることが示されており、いつも以上に注目が集まっています。

 前回2月のCPIは前年比+3.2%と1月の+3.1%から小幅ながら伸びが強まりました。市場予想は1月と同じ+3.1%となっていました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比+3.8%と1月の+3.9%から伸びが小幅鈍化しました。予想は+3.7%への鈍化で、予想に比べて小幅な鈍化となっています。前月比は+0.4%と1月の+0.3%を上回る伸びで市場予想とは一致。コア前月比は+0.4%と1月と同水準の伸びで市場予想の+0.3%を上回っています。

 2月のCPI前年比の内訳を確認してみましょう。
エネルギー価格はガソリンの影響で下げ幅縮小となりました。米国のガソリン小売価格は全米全種平均で1月の1ガロン当たり3.197ドルから2月は3.328ドルへ上昇しました(米エネルギー情報局調査)。23年の同時期よりは低いですが、CPIのガソリン部門は1月の前年比-6.4%から-3.9%に低下幅が減少しました。この結果エネルギー価格も-4.6%から-1.9%となっています。食品は伸びの鈍化傾向が継続し、前年比+2.2%と1月の+2.6%から鈍化。食品に関しては2022年8月をピークに18カ月連続での伸び鈍化となっています。
 このように食品は伸びが鈍化、エネルギーは下落率が縮まると、まちまちな結果でした。CPI全体に占めるウェイトとしては食品の方が大きい(CPI全体を100としたとき、食品は13.6、エネルギーは6.7)ですが、変化がエネルギーの方がかなり大きかった分、マイナス幅縮小の影響が大きく全体の伸びにつながった形です。

 コア部分の内訳も確認します。
 食品とエネルギーを除いた財部門に関しては、1月と同じ-0.3%と価格低下が見られました。中古車価格の低下傾向が少し収まり1月の-3.5%から-1.8%となりましたが、新車部門は+0.7%から+0.4%に伸びが鈍化。その他大きな項目では衣料品が+0.1%から±0.0%となるなど、幅広く伸び鈍化が見られました。
 食品とエネルギーを除いたサービス部門は+5.3%から+5.2%に鈍化しました。この部分に関しては住居費が1月の+6.0%から+5.7%に鈍化した影響が大きいです。CPI全体の36.2%、コアのサービス部門の60%弱という大きな項目である住居費は、水準的には依然かなり高く、CPI全体を支える形となっています。ただ伸びの鈍化傾向は続いており、2月までで11カ月連続の伸び鈍化となって、CPIの鈍化傾向につながっています。1月予想外に強く出てCPI全体を押し上げた住居費の中の帰属家賃については+6.0%と1月の+6.2%から鈍化し、コアサービス部門の伸び鈍化につながっています。
 少し気になるのは住居費を除いたサービス部門の強さで、1月の3.6%から+3.9%となりました。医療サービスの伸びなども影響していますが、賃金上昇率の鈍化が昨年秋ぐらいから足踏み状態で、対人属性の強い業種での価格が上昇傾向を強めるという形になっているようです。今後もこの傾向が続くと、利下げ開始にも影響が出てきます。

 こうした状況を踏まえ、今回の市場予想です。
3月の消費者物価指数前年比は+3.5%と2月の+3.2%から大きく上昇見込みです。コア前年比は+3.7%と小幅鈍化見込みです。
エネルギー価格、特にガソリン価格の上昇が全体を押し上げると見られます。3月のガソリン小売価格は全米全種平均で1ガロン=3.542ドルと、2月の3.328ドルから6.4%の上昇。なお比較対象元となる2023年の数字を見ると、2023年2月の前年比-2.0%から3月は-17.4%となっています。こうした状況から今回のガソリン価格は前年比でのマイナスが小さくなると見込まれます。

 コアに関しては住居費の低下傾向が続くと見込まれることから、小幅な鈍化見込みとなっていますが、住居費を除くサービスの強さが加速しているようだと、横ばいもしくは2月よりも強い結果になる可能性があります。

 複数の地区連銀総裁が指摘しているように、物価の鈍化傾向が鈍り、高止まり感が広がると、6月の利下げ開始期待が後退します。大きなドル高につながる可能性があるだけに要注意です。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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