ドル円は147円台に下落 ドル高の動き一服=NY為替概況
ドル円は147円台に下落 ドル高の動き一服=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル高の動きが一服し、ドル円は147円台に下落。米国債利回りも低下する中で、ドル円は148円台後半の水準が重かったことで、短期筋の売りが出たものと思われる。
ただ、先週のパウエル議長の会見以降の一連のイベントを通過して、市場は早期の米利下げ期待を後退させている。一連のイベント前は次の展開待ちの雰囲気も出ていた為替相場だが、イベントを通過して、年初からのドル高の流れを再確認している。テクニカル的にもドル高のサインが点灯しており、このままドルの調整が続く雰囲気はない。本日は金曜日と月曜日の急速な上げの短期的な調整が出ているものと思われる。
円は日銀のマイナス金利解除観測にもかかわらず、年初から対ドルで最も下落してい通貨の1つ。為替市場が年初からの流れを再確認しているとすれば、早晩148円台後半の上値抵抗を突破して、150円を試す展開はまだ期待できそうだ。
米株式市場が下落し、リスク回避の円高を指摘する声もあるが、一連のイベントの割にはしっかりと推移している印象もある。特に決算を通過した主要IT・ハイテク株には下値での押し目買いが活発に出ている。強気相場はなお継続していると言えよう。
ユーロドルは下げ渋る動きが見られ、1.07ドル台半ばに戻している。ただ、積極的に買い戻そうという動きまでは見られず、依然として上値の重い状況に変化はない。一部からは、ユーロは短期的に脆弱だが、その後は堅調に推移する可能性があるとの指摘が出ている。中東の緊張が長引けばユーロ圏経済は主要国の中で最も苦しくなる可能性が高い。そのような中で景気後退のリスクが残るため、ユーロは短期的に脆弱だという。
しかし、年後半には景気後退リスクの後退と第2四半期以降の各国中銀の利下げがユーロを支えるだろうとも述べた。
ポンドドルは買い戻しが見られ、1.26ドル付近まで戻した。きょうの上げで前日割り込んだ200日線を回復しており、下げトレンドに入った気配はまだないが、21日線の傾きも下を向き始めており上値は重くなっていそうだ。
市場は先週の英中銀金融政策委員会(MPC)を受けて、利下げは遅れるとの見方が広がっている。しかし一部からは、英インフレが予想以上に粘着性を示す一方でマクロ状況は不安定なことから、英中銀が現在の市場の織り込みよりも早期に利下げを実施する必要があるとの見方が出ている。
なお、この日の1月の英小売売上高は予想は上回ったものの前回から伸びは減速していた。英消費者の財布の紐が固くなり、需要が減速していることが示されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。