GMは好決算も下落 UAWとの交渉が潜在的懸念に=米国株個別
GM<GM>が下落。取引開始前に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。通期のガイダンスも公表し、1株利益の見通しを上方修正したほか、EBIT、自動車フリーキャッシュフロー(FCF)の見通しも上方修正した。収益性の高いモデルの米国での販売が予想以上に好調だった。
今回の結果は投資家が電気自動車(EV)プログラムの進展を待ち望む一方で、ガソリンとディーゼルを燃料とするSUVやトラックを製造する内燃機関が大きな利益をもたらしていることが示された格好。消費者は金利上昇や価格上昇にもかかわらず、高価なモデルを購入している。
バーラCEOは株主宛の書簡で「われわれの業績を支えている最大の原動力は顧客の需要だ。米国では4四半期連続で小売り市場のシェアが上昇している」と述べた。
また、同CEOは「通期の利益予想は2四半期連続で上方修正されたが、それは設備投資の削減によって可能になったものだ」とも述べている。
ただ、好決算の割に株価は冴えない反応を示している。EVへの取り組みの遅さや、全米自動車労組(UAW)と4年間の新たな労働契約交渉が潜在的な懸念になっている模様。通期のガイダンスは労働争議がないことを前提にした数字だが、同社は9月14日の期限を前にUAWとの新契約に向けた協議を開始。協議は紛糾も予想される。
(4-6月・第2四半期)
・1株利益(調整後):1.91ドル(予想:1.86ドル)
・売上高:447.5億ドル(予想:428.2億ドル)
自動車:412.5億ドル(予想:397.9億ドル)
金融:35.0億ドル(予想:32.6億ドル)
クルーズ:2600万ドル(予想:3950万ドル)
・北米EBIT(調整後):31.9億ドル(予想:34.3億ドル)
・自動車FCF:55.5億ドル
(通期見通し)
・1株利益(調整後):7.15~8.15ドル(従来:最大7.35ドル)(予想:7.01ドル)
・EBIT(調整後):120~140億ドル(従来:110~130億ドル)(予想:119.1億ドル)
・自動車FCF:70~90億ドル(従来:55~75億ドル)
(NY時間10:13)
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MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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