ドル売り優勢、一連の米経済統計発表を控えて ポンドドルの上昇がリード=ロンドン為替概況
ドル売り優勢、一連の米経済統計発表を控えて ポンドドルの上昇がリード=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが優勢になっている。東京市場ではリスク回避ムードが広がり、ドル円の下落とともにクロス円も下押しされた。しかし、ロンドン時間にかけてはいずれも下げ渋り。ドル円単体だったドル売りの動きは豪ドル、ユーロ、ポンドなどその他主要通貨にも広がっている。このあとのNY市場ではADP雇用統計、新規失業保険申請件数、非製造業PMI、ISM非製造業景気指数、貿易統計など一連の米経済統計の発表を控えており、前日のドル高に調整が入る面があったようだ。欧州株や米株先物は軟調に推移している。英国では根強いインフレ圧力が追加利上げ観測を高めている。英中銀調査では1年先のインフレ率予測がやや引き下げられる一方で、3年先は引き上げられている。調査対象となった企業担当者のインフレ警戒マインドは根強いようだ。市場では英中銀政策金利が6.5%まで引き上げられることを織り込んでいる。この日発表された英国とドイツの建設業PMIはいずれも過去最低水準に準じる低水準となった。度重なる利上げの悪影響がみられ始めた面も指摘される。ただ、ベイリー英中銀総裁はインフレを抑え込むこと最重要課題との姿勢を示している。ポンドドルは1.27付近での取引から上放れると1.2780付近に上伸。ポンド円は182.50付近まで安値を広げたあと183円台後半へ上伸。対ユーロでもポンドは買われている。ユーロドルは1.08台前半から1.0890付近に上昇。ユーロ円は156円台割れから買われて156.70台まで買い戻されている。ドル円は東京市場で大きく下げたあと、ロンドン序盤には143.56近辺まで安値を広げた。その後は一時144円台を回復も再び143円台後半と落ち着かない値動きになっている。
ドル円は143円台後半での取引。東京市場ではリスク回避ムードが広がるなかで144.66近辺を高値に143円台後半へと沈んだ。ロンドン序盤には欧州株の下落とともに一時143.56近辺まで安値を広げた。しかし、その後は米債利回りの上昇などを受けて144円台を一時回復。足元では143円台後半と上値重く推移している。
ユーロドルは1.08台後半での取引。東京市場では1.08台半ばから一時1.0834近辺までじり安となっていた。ロンドン時間にかけては流れが反転し上昇。米債利回りとともに英債や独債利回りが上昇している。1.08台後半へ反発して高値を1.0890近辺まで伸ばしている。ユーロ円は下に往って来い。東京市場で157.04近辺を高値に155.85近辺まで下落。ロンドン時間に入ると反発に転じて156.70台まで買われている。対ポンドではユーロは上値重く推移。ユーロはポンド買いにつれ高となる面が強かったようだ。
ポンドドルは1.27台後半での取引。東京市場での1.27挟みの揉み合いからやや上昇にシフトしての推移のあと、一気に上抜けて高値を1.2780近辺に伸ばしている。ポンド円は下に往って来い。東京市場で183.81近辺の高値から182.50付近まで下落したあと、ロンドン時間には反発に転じている。足元では183.70台と下げをほぼ解消した。ユーロポンドは0.85台半ばから前半で上下動したあと、0.8520付近へと下押しされている。英インフレ調査で、英企業担当者は3年先のインフレ率予想を引き上げており、英中銀以上に根強いインフレ圧力が警戒されている。市場ではターミナルレート6.5%を織り込む動きとなっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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