市場はターミナルレートが想定よりも高くなるリスクを無視 6%まで引き上げる可能性も
市場は米利上げサイクルのターミナルレート(最終到達点)が想定よりも高くなるリスクを無視している。しかし、そうなった場合には債券と株式がいずれも激しい売りに見舞われる恐れがあるとの指摘が米大手銀から出ている。
米国、欧州、香港、韓国など世界各地の株式は高過ぎで、向こう3-4カ月に下落が見込まれるという。S&P500は今年、現行水準から15%安の3500未満に下落すると見ているという。
株式について強気になるにはドルがここからさらに10%安くなる必要があるが、もし、FRBが市場で想定されていないような利上げを実施するならば、それは難しいと考えており、上値での戻り待ちを推奨している。
市場が織り込んでいない1つのリスクは米政策金利が6%になることだと指摘。市場は、このところのFOMC委員からのタカ派発言を受けてターミナルレートを5%強と織り込んでいる。これはFRBの想定と同水準だが、投資家はなお、リセッション(景気後退)によりFRBが年内に利下げに転じると見込むポジションを維持している。
利下げは金利が極端に高い水準になった後に訪れる公算が大きいが「市場はこの可能性についてのストレステストをまだ受けていない。現在の市場は様々な矛盾を抱えており、調整プロセスは金利、債券、株式市場に痛みをもたらすかもしれないという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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