3月以降のECB理事会が非常に不透明に=NY為替
きょうのNY為替市場はこの日発表の米雇用指標が弱い内容となったことでドル売りが優勢となっており、ユーロドルは1.09ドル台に再び上昇している。ただ、直近高値が1.0930ドル付近だが、そこから上は売り圧力も強いようだ。きょうのFOMCを受けて上値を試しに行くか注目される。
明日はECB理事会が予定されており、0.50%ポイントの利上げが確実視されている。そのこと自体は織り込み済みで、市場の関心は3月以降の理事会がどうなるかに注目が集まっている。ラガルド総裁を始めECB理事からはタカ派な発言が相次いでおり、3月の理事会でも0.50%ポイントの大幅利上げを続けるとの見方が市場では優勢となっている。
しかし、12月の理事会以降に発表になっている経済指標からは明確なイメージはまだ得られておらず、利上げは継続されるであろうが、0.25%ポイントに減速する可能性も捨て切れないといった声も少なからず出ている。
きょうのユーロ圏の経済指標は決定打がない状況をさらに複雑にしている。ロンドン時間に1月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値が公表された。コア指数は前回同様の伸びを示したものの、総合指数は前月比で予想外のマイナスとなり、前年比でも予想を大きく下回る鈍化を示した。
ラガルド総裁は12月の理事会で2月も3月も0.50%ポイントの大幅利上げを示唆していた。しかし、今回のHICPを受けて市場からは「ECBは次の行動を明示することで市場を誘導しようとするのではなく、毎回の理事会に再び焦点を当てるよう市場を誘導する方向に変える可能性もある」との指摘も出ている。
なお、ターミナルレート(最終到達点)は、第2四半期までに3.25%か3.50%の予想で変わらない。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(1月)19:00
結果 8.5%
予想 9.0% 前回 9.2%(前年比)
結果 -0.4%
予想 0.1% 前回 -0.4%(前月比)
結果 5.2%
予想 5.1% 前回 5.2%(コア・前年比)
EUR/USD 1.0920 EUR/JPY 141.22 EUR/GBP 0.8864
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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