欧州のエネルギーコストは莫大に、ECBの断片化対策は金融政策の方向性に逆行
16日、ロシアのノバク副首相は欧州が追加で4000億ドルのエネルギーコストが必要になるとの認識を示した。エネルギー安全保障の欠如が欧米でインフレを招いているとも批判した。
今週、欧州中央銀行(ECB)は国債市場の断片化対策の策定することを明らかにし、脆弱なEU加盟国の国債を買い支える方針を示した。ウクライナで戦闘が続き、合意に沿って脱ロシアを進めると冬場のエネルギー危機は避けられそうになく、一部の加盟国の経済や金利が不安定化する可能性が高い。ラガルドECB総裁は断片化対策の目的は国債の利回り格差を縮小することではなく、正常化であると述べているものの、エネルギー危機が長期化すれば脆弱な国の国債を際限なく買い支える必要が生じる。正常化の意味が問われそうだ。
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執筆者 : MINKABU PRESS
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