ダウ平均は下げが止まらず、1200ドル超の急落=米国株後半
NY株式18日(NY時間15:32)
ダウ平均 31406.72(-1247.87 -3.82%)
ナスダック 11403.48(-581.04 -4.85%)
CME日経平均先物 26345(大証終比:-515 -1.95%)
NY時間の終盤に入ってダウ平均は下げが止まらず、1200ドル超の下げ幅となっている。きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅に4日ぶりに急反落。きのうまでの3日間でダウ平均は900ドル超買い戻されていたが、その上げを帳消しにしている。前日のパウエルFRB議長の講演はこれまで以上にタカ派な印象ではあったものの、前日の株式市場は底入れへの期待感もあり、買い戻しが優勢となっていた。
しかし、当面はFRBの0.50%の大幅利上げが続くとの見方に変化はなく、景気の先行きへの懸念は根強い。あくまで足元の買い戻しはベア・マーケット・ラリー(弱気相場の中での一時的な株高)で、最終的な底打ちではないとの指摘も少なくない中、市場は再び下値警戒感を強めたようだ。
「市場は不確実性を嫌い、現時点ではFRBがインフレ抑制のためにどこまで踏み込むのか不明確だ。それがはっきりするまでは不安定な状態が続くだろう」とのコメントも聞かれた。
全面安の中、景気に敏感なIT・ハイテク株が下げを先導したほか、小売株の売りが目立った。前日もウォルマート<WMT>が決算を受けて失望売りを強めていたが、きょうは同業のターゲット<TGT>が決算を受けて大幅安となっており、それが他の小売株にも波及している模様。売上高は堅調なものの、サプライチェーン問題を抱える中で、仕入れや人件費、輸送コストなどのインフレの影響が利益を圧迫していることが失望売りに繋がっているようだ。
米国の広範囲で夏に停電のリスクがあると伝わったことも重石となった模様。北米の五大湖から西海岸にかけての広大な地域で夏の停電リスクが高まっていると、北米電力安定供給審議会(NERC)が警告した。暑さや干ばつ、発電所の操業停止、サプライチェーンの問題で電力網に負担がかかっているという。
テスラ<TSLA>が反落。きょうはアナリストの目標株価引き下げが伝わっている。従来の1260ドルから1035ドルに引き下げた。投資判断は「買い」を継続。感染拡大による中国のロックダウンを背景に挙げている。
ホームセンター大手のロウズ・カンパニーズ<LOW>が下落。取引開始前に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益は予想を大きく上回ったものの、既存店売上高は予想以上の減収となった。4月の季節外れの悪天候がアウトドア部門の売り上げを圧迫した模様。
きょうは小売株の売りが目立つ中で、アパレル販売のTJX<TJX>が決算を受け逆行高。ウォルマート<WMT>やターゲット<TGT>は売上高はそこそこの内容だったものの、利益率に懸念を強めている。その一方で同社は利益率の高いオフプライス業者として評価された模様。
ターゲット<TGT> 159.74(-55.54 -25.80%)
ウォルマート<WMT> 121.59(-9.76 -7.43%)
ロウズ<LOW> 181.11(-12.92 -6.66%)
TJX<TJX> 59.60(+3.41 +6.07%)
アップル<AAPL> 140.62(-8.62 -5.78%)
マイクロソフト<MSFT> 254.12(-12.08 -4.54%)
アマゾン<AMZN> 2132.98(-174.39 -7.56%)
アルファベットC<GOOG> 2260.58(-73.45 -3.15%)
テスラ<TSLA> 705.04(-56.57 -7.43%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 192.75(-9.87 -4.87%)
AMD<AMD> 96.21(-6.27 -6.11%)
エヌビディア<NVDA> 169.68(-12.10 -6.65%)
ツイッター<TWTR> 36.80(-1.53 -3.98%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。