ドル円は再び112円台に下落 米国で初のオミクロン感染確認=NY為替概況

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 きょうのNY為替市場でドル円は再び112円台に下落。前日はパウエルFRB議長の議会証言はタカ派色を強めた印象で、112円台まで調整していたドル円も113円台に急速に買い戻されていた。しかし、きょうの値動きを見た限りでは、買い戻しの動きは維持できておらず、オミクロンをきっかけとした調整の流れは続いている印象だ。

 米疾病対策予防センター(CDC)が米国で初のオミクロン感染を確認したと伝わったことで米株が序盤の上げを失い、ドル円も上値が重くなった。CDCは声明で、感染が確認されたのはカルフォルニア州に住む市民で11月22日に旅行先の南アフリカから帰国したという。オミクロンについては、欧州や日本でもすでに感染が確認されており、驚くようなケースではないが、市場は敏感に反応していたようだ。

 きょうから師走相場に入ったが、今年のドル円は年初から堅調な流れを維持し、115円台を回復する場面も見られた。ドル高はもちろんのこと、株式市場の底堅さもあって、円安もドル円をフォローしたものと思われる。師走相場に入って、これまで積み上げてきたロングポジションの調整やファンド勢のリバランスが出てもおかしくはない。

 ただ、前日のパウエル証言を受けてドルに強気な見方も根強い。オミクロン株が今後どう展開するか次第だが、「インフレに関する『一過性』の表現を止める時が来た」との議長のコメントは、年末にかけドルを上昇させる可能性が高いという。議長のコメントは確かに今後のインフレリスクに対する懸念の高まりを示し、資産購入ペース縮小の早期終了への期待感を高めている。それに伴い、年末に向けてさらにドルは買われる可能性があるという。一方、感染拡大に対する不確実性を考えると、利上げ期待はオミクロン以前のレベルに完全に戻ることは見込んでいないという。

 ユーロドルは1.13ドル台で上下動。前日のユーロドルは急速に戻り売りを強めたが、きょうの動きを見た限りではリバウンド相場の流れは維持している模様。目先は前日高値の1.13ドル台後半が意識される。その水準はフィボナッチ38.2%戻しも来ており、その水準を突破できれば、50%戻しの1.1440ドル付近までの上昇も視野に入る。

 前日のユーロ圏のインフレ指標は強い内容だったものの、ECBに関しては慎重な見方が多い。ECB理事会の一部メンバーは、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了後の政策に関する決定を来年2月の理事会まで延期したいと考えているとの報道も伝わっていた。PEPPの来年3月での終了には合意しており、いまのところ今月16日の理事で正式に決定する見通しだという。オミクロンやインフレ見通しに鑑み、PEPP以外の債券購入策をどう調整するかについて決定を先送りする必要があるという。

 ポンドドルは1.32ドル台に下落。前日のタカ派なパウエルFRB議長の証言を受けてポンドドルは急速に下落し、瞬間的に1.31ドル台を付ける場面も見られていた。本日は1.33ドル台半ばまで一時上昇するなど一服感も出ていたが、上値は依然として重いようだ。

 市場は今月16日の英中銀金融政策委員会(MPC)での利上げを巡って見解が分かれている。前回11月MPC以降に発表になった英経済指標が強い内容で、インフレ指標はもちろんのこと、雇用も9月末の英政府の雇用支援満了の影響が出ていないことが示されている。しかし、ここに来てオミクロンの出現が利上げ期待に対する不透明感を強めているようだ。市場は0.15%の利上げを期待しているが、短期金融市場ではその確率を五分五分で織り込んでいる。1週間前は90%の確率で織り込んでいた。利上げなしを見込んでいる向きからは、英中銀はオミクロンに対するワクチンの効果がどれほどなのか確認したいと考えており、その答えが出るのは16日のMPC以降になると見ている。一方、前日のパウエル証言を受けてFRBの早期引き締め期待が高まっているが、英中銀も追随するのではとの声もあるようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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