ドル高基調継続も、上値追いには慎重
ドル高基調継続も、上値追いには慎重
ベイリー英中銀総裁が金利上昇に楽観姿勢示し、一時ポンド買い
【東京市場】米債利回り上昇がドル買い円売り誘う
ドル円は109円20銭台まで上値を伸ばし、先週火曜日の高値を超える場面が見られた。
先週末に一時1.64%を付けた米10年債利回りが週明けも高い水準での推移に。
朝方1.63%前後で始まった後、いったんは1.6036%まで低下。
朝方109円15銭前後まで上昇を見せたドル円が108円98銭と、109円割れを付ける場面も見られた。
しかし、米債利回りがその後上昇に転じ、1.63%台のでの推移となると、ドル円も上昇基調に。
昼前に109円20銭前後まで上昇後、押し目が109円10銭を付けないなど、しっかりの展開が続くと、
ロンドン勢の本格参加を前にもう一段のドル買いが入り109円30銭前後まで。
【ロンドン市場】朝の高値トライ後はもみ合い
ドル円は東京時間午後の109円36銭を高値にもみ合いに転じた。
一時109円ちょうど近くまで値を落としたが、大台を維持してのもみ合いに。
ユーロドルが1.1910台を付けるなどユーロ売りドル買いが見られ、ドル高基調を支えた。
ポンドはしっかりで、対円、対ユーロでも買いが入る展開。
ベイリー英中銀総裁が長期金利上昇について、楽観主義がより強まっている状況を反映と発言し
金利上昇を静観と見られたことがポンド買いを誘った。
【NY市場】高値圏もみ合い
NY市場でドル円は109円台前半でのもみ合いに。
東京午後の高値に届かずも109円台を維持。
ユーロドルは1.19台前半推移と、全般にドル高基調も
FOMCなどをにらんで突っ込んだドル買いにも慎重という流れに。
【本日の見通し】やや様子見ムードも、今日、明日のFOMCにらむ
ドル高基調は継続も、積極的な動きを手控える流れに。
FOMCが今日、明日と開催される。
長期金利上昇についてFOMCの姿勢が注目されていることに加え
今回はFOMC参加者メンバーによる経済見通しが示される。
アフターコロナの経済成長見通しの変化、インフレ期待が広がる中での物価見通しの変化、
さらに今年はともかく来年以降の利上げの可能性を意識しての政策金利見通し(ドットプロット)の変化など
注目ポイントが多く、FOMCまではちょっと手が出しにくい面も。
ユーロドルは頭の重い展開となっており
ここにきてサポートとなっている1.1900を割り込む動きが見られるかがポイントに。
【本日の戦略】押し目買いも
基調はドル買い方向。ドル円は押し目買いも
レンジ取引が中心となりそうで、
スウィングは少し待っての108円台での買い下がり意識か。
付かなければしょうがないぐらいの感覚。
目先は109円台前半レンジが中心と見られ、デイトレは早めの買いでの回転を意識。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/15 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.98 1.1952 130.13
高値 109.36 1.1967 130.49
安値 108.92 1.1911 129.99
終値 109.13 1.1929 130.17
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/15 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 29766.97 +49.14
DOW 32953.46 +174.82
S&P 3968.94 +25.60
Nasdaq 13459.71 +139.85
FTSE 6749.70 -11.77
DAX 14461.42 -40.97
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/15 月曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=65.39(-0.22 -0.34%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1729.20(+9.40 +0.55%)
+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《3/15 月曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
機械受注(1月)08:50
結果 -4.5%
予想 -5.5% 前回 5.2%(前月比)
結果 1.5%
予想 -0.3% 前回 11.8%(前年比)
第3次産業活動指数(1月)13:30
結果 -1.7%
予想 -0.6% 前回 -0.3%(-0.4%から修正)(前月比)
【中国】
鉱工業生産指数(2月)11:00
結果 35.1%
予想 32.1% 前回 2.8%(年初来・前年比)
小売売上高(2月)11:00
結果 33.8%
予想 32.0% 前回 -3.9%(年初来・前年比)
【カナダ】
住宅着工件数(2月)21:15
結果 24.59万件
予想 24.75万件 前回 28.44万件(28.24万件から修正)
製造業売上高(1月)21:30
結果 3.1%
予想 2.5% 前回 1.3%(0.9%から修正)(前月比)
【米国】
ニューヨーク連銀製造業景気指数(3月)21:30
結果 17.4
予想 14.5 前回 12.1
対米証券投資(1月)05:00
結果 908億ドル
予想 N/A 前回 1210億ドル
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/15 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【豪州】
*ロウ豪中銀総裁
我々の直面する課題は大きい。
RBAはインフレターゲットの達成と景気回復による強い雇用市場を支援することを目指している。
豪州はパンデミックに非常によく対応してきた。
政府は、広範な所得支援、インフレへの支出の増加、賃金補助プログラムによる迅速かつ断固たる対応。
中銀の対応により借り入れコストを歴史的に低い水準まで削減し、信用供給を支援
その結果予想を超える迅速かつ強力な景気回復が実現
パンデミック前にGDPレベルに近い距離に、就職者もほぼ回復。
他の先進国よりもはるかに優れている。
依然として回復には長い道のり
失業率はまだ高すぎる、経済はそのキャパシティのかなり低いところ
インフレと賃金の伸びも期待より低い
準備が整っていない回復の一つは事業投資
データは21世紀の新しい石油
データとデジタルへの投資は将来の反映に非常に重要
【英国】
*ベイリー英中銀総裁
英国のロックダウンは1年前ほどの悪影響はみられない。
経済に対するリスクは上下、双方向ある。
英公務員休暇の延長、失業のピークを低下させるだろう。
英中銀はインフレ上昇の持続性に関するより一層の証拠を求めている。
経済を助けるために、英中銀の手段やパワーは衰えていない。
マイナス金利を政策手段として用意することは正しい。
市場金利の上昇は、楽観主義がより強まっていること反映。
生活習慣や労働の様式はコロナ以降で変化。
コロナ以降は、よりハイブリッドな働き方となろう。
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
鉱工業生産・確報値(1月)13:30
予想 N/A 前回 4.2%(前月比)
予想 N/A 前回 -5.3%(前年比)
【香港】
失業率(2月)17:30
予想 7.1% 前回 7.0%
【ユーロ圏】
ドイツZEW景況感指数(3月)19:00
予想 74.0 前回 71.2
【米国】
輸入物価指数(2月)21:30
予想 1.1% 前回 1.4%(前月比)
予想 2.7% 前回 0.9%(前年比)
小売売上高(2月)21:30
予想 -0.5% 前回 5.3%(前月比)
予想 0.1% 前回 5.9%(自動車除くコア・前月比)
設備稼働率(2月)22:15
予想 75.5% 前回 75.6%(前月比)
鉱工業生産指数(2月)22:15
予想 0.4% 前回 0.9%(前月比)
企業在庫(1月)23:00
予想 0.3% 前回 0.6%(前月比)
【NZ】
経常収支(第4四半期)17日6:45
予想 -28.65億NZドル 前回 -35.21億NZドル
-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆-★-☆
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員