米債利回り上昇受けてドル買い加速
米債利回り上昇受けてドル買い加速
ドル円は109円手前まで上値を伸ばす、ユーロドルは1.18台前半へ
【東京市場】ドル円は108円台前半でのもみ合いに
週明けの東京市場でドル円は108円台前半での推移となった。
朝からのレンジは108円31銭から49銭までの18銭にとどまっている。
先週末に米雇用統計の好結果もあり108円64銭まで上昇も、すぐに値を落としており、ここからの買いには慎重。
2月23日に105円割れを付けてからの目立った調整の無い上昇が続いていることに加え、
先週後半の107円ちょうど前後からのドル高の勢いが強いこともあり、やや高値警戒感が出ている。
ただ、基調はまだドル買いと見られ、下値もしっかり。
ユーロドルは1.1910前後での推移。昼頃には1.1899までと先週末に続いて1.19を割り込む場面が見られた。
【ロンドン市場】米債利回り上昇でドル買い
米10年債利回りが1.61%を付けるなど上昇傾向が強まったことでドル買いの動きが広がった。
同連は108円台後半まで上昇。ユーロドルが1.19割れをしっかり付けて1.18台後半推移に。
ベイリー英中銀総裁がマイナス金利に慎重姿勢を示したことで、ポンドはユーロドルの下げの割には県庁。
【NY市場】ドル買い加速
ドル円は108円90銭台まで、109円は何とかつけずも上値しっかりの展開に。
ユーロドルが1.18台前半まで値を落とすなどドル全面高の流れに。
追加経済対策法案への期待感などがインフレ期待を誘っている。
ダウが幅広く買われて300ドルを超える上昇となる一方で
ナスダックが300ポイントを超える下げとなるなど、米株が不安定でリスク警戒のドル買いも。
【本日の見通し】ドル高の意識継続、109円台に向けた動きへ
ドル高の勢いが止まらない。
高値警戒感が残っているほか、ハイテク株に売りが出るなどリスク選好の動きにも陰りが出ているが
長期金利の先高観が強いだけに、金利差を狙ったドル買い円売りの流れが継続。
金利面では、日本は日銀の長短金利操作付き量的質的緩和の影響で
先進国の中でも長期金利の上昇が抑えられ気味なだけに、
ドル円で特に出やすい面も。
ドル円は109円台を意識する展開、この上110円に向けた動きも十分にあり得そう。
ユーロドルは1.1900がすでに重くなっており、ドル全面高基調が意識される。
【本日の戦略】押し目買い
ドル買いの流れ自体は継続も突っ込んだ買いは避けたいという流れ
押し目を丁寧に拾う展開か。
スウィングは108円台での買い下がりを意識も無理をせず
デイトレは早めに買いに回って、見切りも早く。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《3/8 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.29 1.1915 129.07
高値 108.94 1.1932 129.39
安値 108.27 1.1844 128.78
終値 108.89 1.1847 129.00
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《3/8 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 28743.25 -121.07
DOW 31802.44 +306.14
S&P 3821.35 -20.59
Nasdaq 12609.16 -310.99
FTSE 6719.13 +88.61
DAX 14380.91 +460.22
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《3/8 月曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=65.05(-1.04 -1.57%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1678.00(-20.50 -1.21%)
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《3/8 月曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
国際収支(1月)08:50
結果 6468.0億円
予想 12306.0億円 前回 11656.0億円(経常収支)
結果 14998.0億円
予想 22072.0億円 前回 20768.0億円(22784.0億円から修正)(経常収支(季調済))
結果 -1301.0億円
予想 -393.0億円 前回 9651.0億円(貿易収支)
景気動向指数(速報値)(1月)14:00
結果 99.1
予想 96.8 前回 95.3(景気先行指数)
結果 91.7
予想 91.6 前回 88.3(景気一致指数)
【スイス】
雇用統計(2月)15:45
結果 3.6%
予想 3.8% 前回 3.7%(失業率(季調前))
結果 3.6%
予想 3.6% 前回 3.5%(失業率(季調済))
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産(1月)16:00
結果 -2.5%
予想 -0.4% 前回 1.9%(0.0%から修正)(前月比)
結果 -3.9%
予想 -3.7% 前回 1.0%(-1.0%から修正)(前年比)
【米国】
卸売売上高(1月)5日0:00
結果 4.9%
予想 1.0% 前回 1.9%(1.2%から修正)(前月比)
卸売在庫(確報値)(1月)00:00
結果 1.3%
予想 1.3% 前回 1.3%(前月比・確報値)
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《3/8 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*雨宮日銀副総裁
感染症、経済・物価への下押し圧力は長期間継続へ。
物価目標実現には現行緩和の枠組みで粘り強く。
より効果的で持続的な金融緩和実施していくことが課題。
景気は厳しい状態にあるが基調として持ち直している。
ETF購入、必要な時に思い切った積極買い入れ考えたい。
ETF購入、メリハリある買い入れで緩和持続性高める。
消費者物価の前年比、当面はマイナスが続くとみている。
消費者物価の前年比、経済落ち込みに比べ底堅い動き継続。
必要な時に、長短金利の引き下げを的確に行う方針。
追加緩和の手段として長短金利引き下げは重要な選択肢の一つ。
現在はイールドカーブ全体を低位で安定させることが重要。
超長期金利の過度な低下、保険・年金など運用に影響。
市場機能と金利コントロールの適切なバランスに工夫余地。
ワクチン巡る動き心強いが、普及のペースや効果には不確実性。
当面、感染症の帰趨やその影響に注意が必要な状況が続く。
コロナ特別プログラム、さらなる延長も必要に応じ検討。
ETF購入、一定の株価レベルのために買い支えしてない。
主要中銀の目的共有が為替市場や経済の安定につながる。
マイナス金利、プラス金利のようにどんどん深堀りできない。
金融仲介機能は円滑に発揮されている。
長期金利、緩和効果損なわない範囲でもっと上下していい。
【英国】
*ベイリー英中銀総裁
英中銀はマイナス金利についての準備をしていると繰り返す。
マイナス金利の準備のみに注力しているわけではない。
新型コロナウイルスからの回復について、リスクは依然として下向き。
新型コロナウイルスからの回復リスクは時とともに収束に向かう。
回復については注意深く、現実的であるべき。
英国における資産配分は極めて不均一。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
GDP・2次速報(第4四半期)8:50
予想 3.0% 前回 3.0%(前期比)
予想 12.6% 前回 12.7%(前期比年率)
GDPデフレータ・2次速報(第4四半期)8:50
予想 0.2% 前回 0.2%(前年比)
マネーストックM2(2月)8:50
予想 9.5% 前回 9.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ経常収支(1月)16:00
予想 218.0億ユーロ 前回 282.0億ユーロ
ドイツ貿易収支(1月)16:00
予想 145.0億ユーロ 前回 152.0億ユーロ
ユーロ圏GDP・確報値(第4四半期)19:00
予想 -0.6% 前回 -0.6%(前期比)
予想 -5.0% 前回 -5.0%(前年比)
【南アフリカ】
GDP(第4四半期)18:30
予想 5.6% 前回 66.1%(前期比年率)
予想 -4.5% 前回 -6.0%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員