EU復興基金は最終合意に至らず、来年の稼働に遅れも警戒=NY為替
きょうはドル売りが一服する中、ユーロドルは戻り売りが優勢となっており、1.18ドル台半ばに伸び悩んでいる。FRBの低金利長期化期待からドル安の見方が根強い中でユーロドルは底堅い展開が見られているものの、1.19ドル台に慎重さも見られており、上値が重くなている印象もある。12月のECB理事会で追加緩和が確実視される中で様子見気分も広がって来ているようだ。
きのうはEU首脳がテレビ会議を行っていたが、議題の中心は1.8兆ユーロのEU予算と復興基金に集中していたようだ。結局、ポーランドとハンガリーの反発が強く最終合意には至らなかった。来年1月の稼働に遅れも警戒されている。ミシェルEU大統領(常任議長)は妥協に向けて取り組むことを約束したが、詳細には言及しなかった。
復興基金の資金分配に法の支配を条件としている。ハンガリーはウイルス感染抑制のために非常事態宣言を無期限に延長し、この間、政府に政令による新たな立法と既存の法律の停止を認めた。更に、パンデミック対策を妨害していると認められる者、および偽りの情報を拡散していると認められる者には刑罰を課すことを可能にしている。法の支配が尊重されているとは言い難いが、感染抑制にはやむを得ないとしている。
ただ、市場は楽観的に見ているのか、ユーロのネガティブな反応は限定的となっている。
EUR/USD 1.1855 EUR/JPY 123.10 EUR/GBP 0.8929
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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