ドル高に調整、ドル円一時106円台半ば割れ
ドル高に調整、ドル円一時106円台半ば割れ
ユーロドル1.18台半ばを付ける動きも
米中閣僚級通商協議は延期
【東京市場】朝方107円台付ける動き
ドル円は昨日のNY市場朝、午後と二度107円台を付けた流れが継続。
朝方107円04銭を付ける動きとなった。もっともNY市場同様に107円台での買いには慎重ですぐに106円台に、
その後は107円ちょうど近くでのもみ合いが少し続いたが、
午後に入ってドル高の調整が入り106円80銭台に。
目立った材料が出たというよりも週末を前にポジション調整の動きが広がった格好に。
昨日ロンドン市場で126円70銭台まで上昇。今週に入っての上げ幅を2円40銭強まで広がったユーロ円は、
昨日NY市場午後に126円14銭まで調整。ドル円がしっかりしていることもあり東京朝に107円を付ける局面で126円47銭まで上昇。
その後は少しもみ合いとなり126円台前半でのもみ合い。
昨日1.1860台まで上昇し、その後1.17台まで値を落としたユーロドルは、1.1800-20レンジでのもみ合い。
堅調地合いも上値追いには慎重。
【ロンドン市場】欧州株安が調整誘う
欧州株が軟調となり、ドル円クロス円の円高を誘う展開に。
週末の米中閣僚級貿易協議を前にした調整の動きなどが出ている。
ドル円は107円台で売りが出る印象が強く、
週末を前に調整が入りやすくなっていた面も、
ユーロ円は126円台を割り込み、125円70銭台まで。
ユーロは株安を嫌気して対ドルでも売りが出て1.18台を割り込んで1.1782近辺まで。
【NY市場】調整ムード広がる
米小売売上高が予想を下回り、ドル円、クロス円の重石となった。
もっとも内訳をみると変動の激しい自動車、建材などが中心でそれほど悪くないという見方も。
欧州市場からの調整が継続し、ドル円は106円台半ばを付ける動き。
通信社が週末の米中合意の6カ月検証を延期と報じたが、相場への影響は限定的に。
【本日の見通し】ドル円もみ合い
ドル円は106円台でのもみ合いが続く展開。
107円台での買いに慎重で、上値がやや重いが、
下がると海外入る展開。
先週末も106円台半ば割れでは買いが入っていた。
ユーロドルは1.18台後半トライの勢いを探る展開。
1.19台回復に向けたトレンドに復した印象があり
下がると買いが入りそう。
【本日の戦略】押し目買い
レンジ取引が基本となりそう。
ユーロドルでのユーロ高ドル安からドル全面安の流れもあり
上値が重い展開となっているが、基調はまだ上方向。
106円台前半での買い場を探りたい。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《8/14 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.93 1.1814 126.32
高値 107.04 1.1850 126.47
安値 106.44 1.1782 125.74
終値 106.60 1.1842 126.24
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《8/14 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23289.36 +39.75
DOW 27931.02 +34.30
S&P 3372.85 -0.58
Nasdaq 11019.30 -23.20
FTSE 6090.04 -95.58
DAX 12901.34 -92.37
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《8/14 金曜日の商品市場》
NY原油先物9月限(WTI)(終値)
1バレル=42.01(-0.23 -0.54%)
NY金先物12月限(COMEX)(終値)
1オンス=1949.80(-20.60 -1.05%)
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《8/14 金曜日に発表された主な経済指標》
【中国】
鉱工業生産指数(7月)11:00
結果 4.8%
予想 5.2% 前回 4.8%(前年比)
結果 -0.4%
予想 -0.4% 前回 -1.3%(年初来・前年比)
小売売上高(7月)11:00
結果 -1.1%
予想 0.1% 前回 -1.8%(前年比)
結果 -9.9%
予想 -9.8% 前回 -11.4%(年初来・前年比)
【日本】
第3次産業活動指数(6月)13:30
結果 7.9%
予想 6.4% 前回 -2.9%(-2.1%から修正)(前月比)
【インド】
卸売物価指数(7月)15:30
結果 -0.58%
予想 -0.54% 前回 -1.81%(前年比)
【香港】
実質GDP(確報・前期比)(2020年第2四半期)17:30
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前期比)
結果 -9.0%
予想 -9.0% 前回 -9.0%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏GDP・改定値(第2四半期)18:00
結果 -12.1%
予想 -12.1% 前回 -12.1%(前期比)
結果 -15.0%
予想 -15.0% 前回 -15.0%(前年比)
ユーロ圏貿易収支(6月)18:00
結果 171.0億ユーロ
予想 145.0億ユーロ 前回 86.0億ユーロ(80.0億ユーロから修正)(季調済)
結果 212.0億ユーロ
予想 N/A 前回 94.0億ユーロ(季調前)
【米国】
小売売上高(7月)21:30
結果 1.2%
予想 2.1% 前回 8.4%(7.5%から修正)(前月比)
結果 1.9%
予想 1.3% 前回 8.3%(7.3%から修正)(コア・前月比)
鉱工業生産指数(7月)22:15
結果 3.0%
予想 3.0% 前回 5.7%(5.4%から修正)(鉱工業生産指数)
結果 70.6%
予想 70.3% 前回 68.5%(68.6%から修正)(設備稼働率)
企業在庫(6月)23:00
結果 -1.1%
予想 -1.1% 前回 -2.3%(前月比)
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(8月)23:00
結果 72.8
予想 72.0 前回 72.5
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《8/14 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【英国】
*ジョンソン首相
新型コロナウイルス対策の新しい方針15日から施行。
屋内公演の開催は可能、屋内のプレイセンター、カジノはオープン。
美容院、ビューティーサロン、スパなど密着型のサービスの提供可能。
スポーツイベントは今週末のワールドスヌーカーチャンピオンシップから観客を入れるテスト開始。
ソーシャルディスタンスのルールを厳格化。
マスクを未着用の場合の罰金は違反を繰り返すごとに100ポンドから倍になっていき最大3200ポンド。
首相は英国民の多くはルールを守り、ウイルス感染を制御するための努力を続けている。
我々は集中し続ける必要があり、満足することはできない。
よってルールを無視している人に対する執行力を強化する。
【豪州】
ロウ豪中銀総裁
第4四半期までGDP上昇を期待していない
数年にわたって政策金利は現行の0.25%で維持される可能性が高い
ビクトリア州でのアウトブレイクは第3四半期のGDPを少なくとも2%ぽいtの引き下げる。
少なくとも3年は雇用やインフレの目標に到達しないだろう。
目標到達に向けた前進がなければ政策金利の引き上げはない。
経済の回復は予想よりも強い可能性が高い。
見通しの不確実性は高い。
マネタリーファイナンスは議題に上っていない
労働市場は予想ほど悪くない
豪ドル高に対する介入についての質問を受けて
通貨安を果たすためには巨額の介入が必要。
【中国】
*中国
米国との貿易合意は履行しているとあらためて表明。
米国が中国企業に対する差別をやめるよう期待。
米国からの輸入、新型コロナや米の輸出規制が影響。
【ユーロ圏】
*ドイツ経済省月報
ドイツ経済は7-9月(第3四半期)に力強い成長が見込まれる。
その後の景気回復は国内外の新型コロナウイルスの状況に大きく左右される。
ドイツの貿易相手国の多くが今も新型コロナの影響を大きく受けている。
この理由から、5-6月に見られた当初の力強い復活後、さらなる独経済回復の過程は遅いペースでしか進まず、完了までに長い時間がかかるだろう。
【米国】
*米世論調査
バイデン氏支持率53%でリード、トランプ氏は42%
米公共ラジオNPRと公共放送PBSの「ニュースアワー」、マリストの合同世論調査。
調査は1261人の成人を対象に8月3-11日にかけて電話で実施。
調査の誤差率はプラスマイナス3.3ポイント。
*カプラン・ダラス連銀総裁
インフレは2.25%~2.375%での推移が望ましい。
FRBはあくまで貸し手であり、資金の使い手ではない。
財政赤字拡大には懸念。
米国は現実的に管理できる範囲以上に負債を拡大させた。
私が会話した企業はサプライチェーンを見直している。
何兆ドル規模の失業給付よりもウイルス抑制への支出の方が好ましい。
*米中が明日の貿易合意の6ヵ月検証を延期
*トランプ大統領
直接給付を準備するよう財務長官に指示。
財務省と中小企業庁は追加給与保護プログラム(PPP)の準備ができている。
警察、消防士、救急隊、および教師の雇用維持のために、州および地方自治体
への追加支援の準備ができている。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
GDP・1次速報値(第2四半期)8:50
予想 -7.5% 前回 -0.6%(前期比)
予想 -26.9% 前回 -2.2%(前期比年率)
GDPデフレータ・1次速報値(第2四半期)8:50
予想 1.8% 前回 0.9%(前期比年率)
設備稼働率(6月)13:30
予想 N/A 前回 -11.6%(前月比)
鉱工業生産・確報値(6月)13:30
予想 N/A 前回 2.7%(前月比)
予想 N/A 前回 -17.7%(前年比)
【米国】
NY連銀製造業景気指数(8月)21:30
予想 14.5 前回 17.2
対米証券投資(6月)18日5:00
予想 N/A 前回 1270.0億ドル
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員