ドル振幅、英MPCは発表後にポンド買いもその後振幅激しい
ドル振幅、英MPCは発表後にポンド買いもその後振幅激しい
MPCは現状維持も、2名がQE拡大主張、追加緩和も示唆
【東京市場】ドル円もみあい
ドル円は106円台前半でのもみ合いが続いた。
前日のNY市場夕方(本日東京早朝)に106円割れを付けたドル円。下押しには慎重も戻りも鈍く、朝方は106円ちょうど前後での推移。東京勢の本格参加とともに少しドル買い円売りが入り106円20銭台まで上昇。もっとも下落時にサポートとなった106円台半ばが意識される中で、ドル買い円売りにも慎重で値幅は限定的なものにとどまった。
午後に入っても買い戻しの流れが見られ106円30銭台を回復。
ユーロドルは1.07後半での推移。昨日の海外市場で1.07台まで値を落とし、その後は1.08兆度を挟んでの振幅。昼前後に1.08005近くまで戻すも、戻りでは売りが出る流れで午後に再び1.0790台に。
【ロンドン市場】MPC後にポンド買い
午後3時に発表された英中銀金融政策会合は
金利・QEの現状維持を発表。
この発表自体は事前見通し通りであったが、2名の委員がQE拡大を主張したことや
声明・四半期インフレ報告で今後の追加緩和が示唆されたことなどを好感して
ポンド買いの動きが広がり、ポンドドルは1.23台前半から一時1.24台へ。
ポンド円も131円ちょうど前後から132円台に迫る動きを見せた。
ドル円は106円台半ばでもみ合いが続いた。
東京午後からドル買い円売りが入り106円台半ばに上昇した。
【NY市場】振幅
ロンドンフィックスにかけて実需がらみの外貨買いが入り、ドル円は106.65近辺を付けるも
その後は伸び悩みを見せて106円30銭前後でのもみ合いに。
株高の動きなども序盤のドル買いに寄与も、106.50超えでは売りが出る流れとなり、
短期筋の調整を誘って値を落とした格好に。
序盤の動きはドル全面高を誘った形で
ロンドン市場で1.24台を付けたポンドドルは1.22台を付ける動き。
もっとも午後のドル売りで1.23台後半と振幅が激しい展開に。
【本日の見通し】やや上値に重さ
昨日の海外市場で一時ドル買いが広がったが続かなかった。
ドル円は106円台半ばからの売りが意識される展開に。
水曜日NY市場夕方から昨日東京朝にかけての106円割れトライでは
すぐに106円台を回復するなど下押しにも慎重姿勢が見られるが
上値の重さを意識した後だけに、どこまで支えられるか。
ドル主導での動きだけに、あっさりと105円台トライもありそう。
とはいえ、新型コロナウイルス関連での不透明感が続く中
週末越えのポジションには慎重姿勢も見られ、突っ込んだ動きも取りにくい。
特に今日はこの後NY朝に米雇用統計が控えている。
相当弱い数字がすでに織り込み済みで短期的なインパクトがどこまであるかは微妙も、
発表前に突っ込んだ売り買いはやりにくいことから
106円台前半を中心としたレンジが続く可能性。
【本日の戦略】無理をせず
空前絶後の2000万人超えの雇用減が見込まれる今回の雇用統計前に無理は禁物
基本はレンジ取引でデイトレは回転を意識
スウィングは指標を待っての次の流れ待ち。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《5/7 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.12 1.0795 114.54
高値 106.66 1.0834 115.14
安値 105.99 1.0767 114.44
終値 106.28 1.0834 115.10
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《5/7 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 19674.77 +55.42
DOW 23875.89 +211.25
S&P 2881.19 +32.77
Nasdaq 8979.66 +125.27
FTSE 5935.98 +82.22
DAX 10759.27 +153.07
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《5/7 木曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=23.55(-0.44 -1.83%)
NY金先物6 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1725.80(+37.30 +2.21%)
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《5/7 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
貿易収支(3月)10:30
結果 106.02億豪ドル
予想 60.00億豪ドル 前回 38.65億豪ドル(43.61億豪ドルから修正)
【中国】
貿易収支(4月)12:00
結果 453.4億ドル
予想 86.8億ドル 前回 199.3億ドル(ドル建てベース)
結果 3181.5億元
予想 395.0億元 前回 1394.2億元(元建てベース)
【スイス】
雇用統計(4月)14:45
結果 3.3%
予想 3.4% 前回 2.9%(失業率(季調前))
結果 3.3%
予想 3.4% 前回 2.9%(2.8%から修正)(失業率(季調済))
【英国】
英中銀政策金利(5月)15:00
結果 0.10%
予想 0.10% 前回 0.10%
【ユーロ圏】
鉱工業生産指数(3月)15:00
結果 -9.2%
予想 -7.4% 前回 0.3%(前月比)
結果 -11.6%
予想 -8.9% 前回 -1.2%(前年比)
【南アフリカ】
SACCI景況感指数(4月)18:30
結果 77.8
予想 80.0 前回 89.9
【米国】
新規失業保険申請件数(04/26 – 05/02)21:30
結果 316.9万件
予想 300.0万件 前回 384.6万件(383.9万件から修正)(前週比)
【カナダ】
Ivey購買担当者景況感指数(4月)23:00
結果 22.8
予想 N/A 前回 26.0
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《5/7 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【NZ】
*ロバートソン財務相
以前の目標をはるかに超えるレベルで新型コロナウイルス関連負債が認められ、長期にわたる財政赤字が続く
こうした追加的な負債にもかかわらず、NZは財政赤字が小さい国の中にとどまる。
我々の役目を果たすことに責任を持って取り組んでいる。
現状で役目の責任とは国民・企業・社会の支援のために投資し、再構築を助けていくことだ
経済成長予想は地味になるだろう。明らかに短期の成長について話をしている状況ではない。
経済の縮小の規模と期間について話をしている。設備投資と景況感は打撃を受け、失業率は悪化する。
予算によって政府は経済の再生機会を供与する。
住宅不足はいったん解消され、都市の閉塞を取り除くインフラの構築が可能。
【英国】
*英中銀
政策金利現行0.10%及び量的緩和(債券購入プログラム)現状6450億ポンドを据え置いた。
直近数週間、指標は低位置で安定
債券購入プログラムに関しては7対2の賛成で現状維持を決定
政策金利据え置きは全会一致
英中銀は損を吸収するに十分の資産
今後数カ月以内にインフレ率が1%を下回るとみている
量的緩和現状維持に反対の二名は1000億ポンドの拡大を主張
現状のQEは7月初めに上限に達する
コアの金融システムは直近の市場のストレスに抵抗できる
一時的に不調も、その後徐々に回復
2021年の平均レートは0.1%
必要であれば追加的な措置
下方向のリスクがやや大きい
市場環境が悪化した場合、すぐに対応
2020年の経済成長率 -14% 追加緩和の用意
2021年の経済成長率 15%に急回復
弱い雇用と物価の見通しがさらなる対応を求めるであろう
*英中銀金融安定報告
英銀行業界には新型コロナの感染拡大に耐えうる財務健全性が備わっている
英中銀ストレステストの結果、来年末までに800億ポンドの貸倒損失の可能性
損失を吸収する十分な資本があり、政府の融資保証も借り手企業と経済を支える
*ベイリー英中銀総裁
行動を起こすこと明確にコミットする、必要であれば
資産買い入れは積極的かつ適切なものだ
英中銀はいかなるイールドカーブについても目標とする証拠無い
来年の回復見通しは楽観的過ぎるものではない
次の英中銀の政策決定は資産買い入れプログラムが終了する前に
*ベイリー英中銀総裁、6月に量的緩和拡大の可能性
(ブルームバーグTV)
【ユーロ圏】
*デギンドスECB副総裁
ECBは現在の政策措置を一段と調整する準備ある
常に状況を監視している
ECBは経済に重要な支援策を提供している
今後数カ月でインフレは一段と低下する可能性
PEPPは金融環境が不当に引き締まること防ぐために先手打つもの
財政措置が経済防衛のための第一の手段だ
*ラガルドECB総裁
戦争と2次感染は恐怖。
平和時で最も厳しい経済危機を見込む。
どのように経済への悪影響が出るか未知数。
危機を乗り越えるために全ての手段を取る必要。
【米国】
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
FEDは経済を支援するために何でも行う
FEDは経済を支援するためにすべての装備を配置する
新型コロナ対応には財政出動が不可欠
米経済回復は新型コロナの状況に依存
経済の再生の道筋は極めて不透明だ
緊急プログラムの解除は急がず
テキサス州の経済活動は新型コロナによって急激に落ち込んでいる
石油企業の倒産を警戒
強い支援措置が、今後の力強い回復につながるだろう
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
的を絞った経済活動再開が必要。
米経済は企業ごとの再開を見込む。
*バーキン・リッチモンド連銀総裁
経済は恐らく底を打ち、ここから上昇。
マイナス金利は試す価値はない。
消費者サイドで緩やかな再建を期待。
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《本日予定されている主な経済指標》
【英国】
GFK消費者信頼感・確報値(4月)8:01
予想 -37 前回 -34
【ユーロ圏】
ドイツ貿易収支(3月)15:00
予想 188億ユーロ 前回 206億ユーロ(208億ユーロから修正)
ドイツ経常収支(3月)15:00
予想 207億ユーロ 前回 237億ユーロ
【カナダ】
住宅着工件数(4月)21:15
予想 10.50万件 前回 19.52万件
住宅建設許可(3月)21:30
予想 -20.0% 前回 -7.3%(前月比)
失業率(4月)21:30
予想 18.1% 前回 7.8%
雇用者数(4月)21:30
予想 -400.00万人 前回 -101.07万人
【米国】
失業率(4月)21:30
予想 16.0% 前回 4.4%
非農業部門雇用者数(4月)21:30
予想 -2125.0万人 前回 -70.1万人
卸売在庫・確報値(3月)23:00
予想 -1.0% 前回 -1.0%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員