ドル全面安に 緊急利下げのカナダは大きなカナダ高=NY為替概況
ドル全面安の動きとなった。ドル円はロンドン市場で109円台を回復する場面が見られたが、その後は頭の重い展開に。
朝方ロンドン市場の流れを受けて売りが出ていたユーロドルが反転したことなどをきっかけに、ドル売りが加速。
米債利回りの低下なども加わってドル売りが強まり、ドル円は東京市場の安値を割り込み、108円の大台を割り込んでの推移に。
ユーロドルも一気に上昇し、ロンドン市場での下げ分を解消してさらに上をトライ。NY朝の安値から200ポイント近く一気に上昇する格好に。
米株の4営業日ぶりの大幅な下げがドル売りに。また、米国内での新型コロナウイルスの感染拡大が予想を超えて広がり、中国を抜いて感染者数世界最多になったことなどもドル売りにつながったとみられる。
投資資金の質への逃避が見られ、米10年国債の利回りは0.67%台まで低下。こちらもドル売りにつながった。
米下院は25日の上院に続いて2兆ドル規模の大規模経済対策を可決。すぐに大統領の下に送付され、トランプ大統領も直ちに署名して、法案が成立した。こちらに対する期待感がかなり強いが、週末を前にした調整ムードに押された。
カナダ中銀は今月3度目となる緊急利下げを発表。政策金利は0.25%となった。量的緩和の実施方針も示すなど、積極的な緩和対応に。またカナダ政府も歩調を合わせて緊急経済対策を発表している。原油安で厳しい状況にある石油関連産業への信用保証などの方針も示され、カナダ買いの動きに。
ドルカナダは利下げ発表直後のカナダ売りに1.4154を付けたが、その後1.3922までと200ポイントを超える大幅なドル売りカナダ高に。
ジョンソン首相と新型コロナウイルスの担当であるハンコック保健相が相次いで新型コロナウイルスの陽性反応を示した英国はジョンソン首相陽性の発表直後に売りが出る場面も、その後は対ドルで買いが一気に広がった。ドル全面安の動き受けたもの。ポンドドルはロンドン市場で1.21台半ばから1.23近くまで上昇。首相の陽性反応発表に1.22割れを付けたが、その後は一転してのポンド高に1.2486までの急騰となった。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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