ドル円流れ変わらずも大台超えには慎重、109円台半ばしっかり
ドル円流れ変わらずも大台超えには慎重、109円台半ばしっかり
ポンドは買いが優勢、GDP好結果なども支え
ユーロは下げ基調もさすがに警戒感から下げ止まり
【10日の市場】ドル円しっかり
週明けのドル円は109円台後半での推移が続いた。先週のNY市場で米雇用統計が強めに出たことでドル円は110円手前まで上昇も、大台を付けきれず、逆に109円50銭台まで調整も、こちらもサポートを割らず。109円70銭台に戻してもみ合った流れが、週明けも継続。朝方、先週末の米株安の動きなどを嫌気して109円50銭台まで下落も、先週末の安値に届かず、その後は109円80銭前後での推移が続いている。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念が継続。日本で話題となっているクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号での感染者が60名増え約130名にとの報道にやや円高の動きが入る場面なども見られたが、影響は限定的なものにとどまった。
ロンドン市場に入っても同じ流れが続く中、動きが目立ったのがポンド。
朝方は対ドルを中心に売りが出る流れ。東京午後の1.29台から、一時昨年11月以来の安値である1.2872を付ける動きが見られた。週末に行われたアイルランドの総選挙で、英領北アイルランドとの統一を党是とする左派シンフェイン党が第一党になったことなどが警戒感につながった。もっとも、売り一服後は買い戻しが優勢になり、東京市場の高値を超えて1.2930台まで上昇とポンド買いの動きが優勢に。その後NY市場に入って1.2945近辺まで上昇も続かず。
ドル円はNY市場で小動きで109円台後半推移が続いた。
【11日の市場】
東京不在の中で中国・香港株が上昇でリスク選好ムードも、ドル円は110円近辺が重いとの意識もあり、下値しっかりも上値を抑えられた。ロンドン市場朝方の上値トライも109.95まで。
ポンドがしっかり。英第4四半期GDPは前期比が事前見通し通りも前年比は予想を超える好結果、
12月の月次GDPの好結果もあり、ポンド買いに。ポンドドルは一時1.2970近辺に。
ポンドドルの買いもあってドル売りが入ったものの
中国の専門家があと数週間で新型コロナウイルスの感染拡大は落ち着くと示したことなどもあり
ドル円は比較的しっかり。一時109.96と110円をうかがう動きもみせた。
その後は少し値が落ち着き、109円台後半推移に。
下院での半期議会証言はほぼ想定通り。
新型コロナウイルスへの警戒感も見あられたが影響は限定敵に。
【本日の見通し】地合いは堅調
堅調地合いが継続し、ドル円は109円台後半から110円超えを意識。
新型コロナウイルスへの警戒感から上値追いには慎重も
これだけの材料でも押し目が限定的で基調はまだ上方向か。
米指標が軒並みの好結果となった先週の流れが継続しそう。
クロス円も基本はしっかり。ユーロドルなどの下げも落ち着いており、
ドル円同様に上を意識だが、ユーロドルや豪ドルドルなどの動きはまだ不安定で
安定感はあまりない。
【本日の戦略】押し目買い
流れは上方向。ドル円は110円超えを期待も
突っ込んだ買いを避けたいところで
109円台での押し目をうまく拾いたい。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/11 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.80 1.0951 120.22
高値 109.88 1.0958 120.34
安値 109.56 1.0908 119.68
終値 109.77 1.0911 119.78
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《2/11 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23685.98 -142.00
DOW 29276.82 +174.31
S&P 3352.09 +24.38
Nasdaq 9628.39 +107.88
FTSE 7446.88 -19.82
DAX 13494.03 -19.78
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《2/11 火曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=49.57(-0.75 -1.49%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1579.50(+6.10 +0.39%)
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《2/10 月曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
国際収支(12月)8:50
結果 1207億円
予想 344億円 前回 -25億円(貿易収支)
結果 5240億円
予想 4647億円 前回 14368億円(経常収支)
結果 17147億円
予想 16605億円 前回 17949億円(経常収支・季調済)
【中国】
消費者物価指数(1月)10:30
結果 5.4%
予想 4.9% 前回 4.5%(前年比)
生産者物価指数(1月)10:30
結果 0.1%
予想 0.0% 前回 -0.5%(前年比)
【スイス】
失業率(1月)15:45
結果 2.6%
予想 2.6% 前回 2.5%(季調前)
結果 2.3%
予想 2.3% 前回 2.3%(季調済)
消費者物価指数(1月)16:30
結果 -0.2%
予想 -0.2% 前回 0.0%(前月比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.2%(前年比)
【トルコ】
失業率(11月)16:00
結果 13.3%
予想 13.4% 前回 13.4%
【カナダ】
住宅着工件数(1月)22:15
結果 21.32万件
予想 20.50万件 前回 19.59万件(19.73万件から修正)
住宅建設許可(12月)22:30
結果 7.4%
予想 2.8% 前回 -3.5%(-2.4%から修正)(前月比)
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《2/10 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【新型コロナウイルス関連】
*中国国家衛生健康委員会
中国での新型コロナウイルスによる死者は計908人、感染者は計4万171人に。
*クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号で、新たに60名の感染者。
【中国】
*中国人民銀行
7日物リバースレポで7000億元、14日物リバースレポで2000億を供給。
*トランプ大統領
米国はコロナウイルス感染に対して良く対応。
自身の計画はメディケアも社会保障も変えていない。
自身の予算案は無駄も不正も削減を求めている。
*デーリー・サンフランシスコ連銀総裁
財政政策はショックを緩めるという点で大きな役割。
インフレが目標よりも若干高いことは若干低いよりも遙かに良い。
中銀はインフレ上昇のために必要な手段を持っている。
*ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
タイトな労働市場は、求人活動と訓練の再考を要求。
金融政策は維持されるだろう。
向こう数年は4%以下の失業率を見込む。
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《2/11 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.77 1.0911 119.78
高値 109.96 1.0925 120.03
安値 109.73 1.0892 119.60
終値 109.79 1.0916 119.84
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《2/11 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 休み
DOW 29276.34 -0.48
S&P 3357.75 +5.66
Nasdaq 9638.94 +10.55
FTSE 7499.44 +52.56
DAX 13627.84 +133.81
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《2/11 火曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=49.94(+0.37 +0.75%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1570.10(-9.40 -0.60%)
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《2/11 火曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
実質GDP(速報値)(2019年第4四半期)18:30
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.4%(前期比)
結果 1.1%
予想 0.8% 前回 1.1%(前年比)
鉱工業生産指数(12月)18:30
結果 0.1%
予想 0.3% 前回 -1.1%(-1.2%から修正)(前月比)
結果 -1.8%
予想 -0.8% 前回 -2.5%(-1.6%から修正)(前年比)
製造業生産高(12月)18:30
結果 0.3%
予想 0.5% 前回 -1.6%(-1.7%から修正)(前月比)
結果 -2.5%
予想 -1.0% 前回 -3.3%(-2.0%から修正)(前年比)
貿易収支(12月)18:30
結果 8.45億ポンド
予想 -100.00億ポンド 前回 -49.47億ポンド(-52.56億ポンドから修正)(商品貿
易収支)
【南アフリカ】
雇用統計(2019年第4四半期)18:30
結果 29.1%
予想 29.1% 前回 29.1%(失業率)
製造業生産高(12月)20:00
結果 -2.8%
予想 -1.0% 前回 -1.8%(-1.5%から修正)(前月比)
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《2/11 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*パウエルFRB議長
見通しへのリスクは残る。
コロナウイルス感染の影響を注視。
重大な判断見直しなければ政策は適切である可能性。
ウイルス感染が中国で混乱を引き起こす可能性。
貿易における一部の不透明感は後退。
この先2,3カ月でインフレは2%に接近見込む。
家計消費を支援しているファンダメンタルズはなお底堅い。
下振れにおいて財政刺激策は重要。
財政安定は政策余地を創造。
*パウエル議長(質疑応答)ウイルス感染の影響を注視
上半期は中国のウイルス感染からの影響があるだろう。
ウイルス感染の影響を注視。
米国にも影響がある可能性。ただ、言及するには時期尚早。
短期金融市場は9月以降安定。
FRBは少なくとも4月までレポオペ継続。
*トランプ大統領
FF金利は高過ぎる。
ドル高が輸出に重石。
*ブラード・セントルイス連銀総裁
テールリスクが存在し、ウイルス感染に注意を払う必要。
ウイルスが金利に具体的に影響することは歴史が証明。
2%超のインフレが適切な政策。
スタンディング・レポ・ファシリティを持つことができない理由はない。
第1四半期の成長は非常に良好。
インフレ目標への回帰で今年は進展見込む。
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
米経済は欧州に比べて非常に魅力的に見える。
拡大する米財政赤字は最終的に投資家を抑制する可能性。
資産バブルは事前に把握するのは難しい。
*米3年債入札結果
最高落札利回り 1.394%(WI:1.392%)
応札倍率 2.56倍(前回2.45倍)
【ユーロ圏】
*ラガルドECB総裁
金融政策だけが唯一の選択肢ではない。
政策の副作用は時間ともに大きくなって行く。
気候変動を政策に考慮する必要。
【英国】
*カーニー英中銀総裁
深刻な構造問題が低金利を誘発。
低金利からの資産バブルはリスク。
英EU離脱の不透明感が生産性の伸びを抑制。
成長トレンドに戻すのに刺激策が必要だった。
総選挙後の戻りがなければ、追加緩和を実施していた公算。
コロナウイルス感染の経済への影響はSARSより大きい。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
失業率(1月)8:00
予想 3.8% 前回 3.8%
【日本】
マネーストックM2(1月)8:50
予想 2.7% 前回 2.7%(前年比)
【NZ】
NZ中銀政策金利 10:00
予想 1.00% 現行 1.00%
【シンガポール】
小売売上高(12月)14:00
予想 -0.2% 前回 0.2%(前月比)
予想 -2.5% 前回 -4.0%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産(12月)19:00
予想 -2.0% 前回 0.2%(前月比)
予想 -2.5% 前回 -1.5%(前年比)
【南アフリカ】
小売売上高(12月)20:00
予想 2.0% 前回 2.6%(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(7日までの週)21:00
予想 N/A 前回 5.0%(前週比)
【インド】
鉱工業生産(12月)21:00
予想 1.7% 前回 1.8%(前年比)
【ブラジル】
小売売上高(12月)21:00
予想 3.5% 前回 2.9%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員