新型コロナウイルスへの警戒続く
新型コロナウイルスへの警戒続く
ユーロは対ドルでも軟調、独Ifoの弱さなどが重石
ポンドは往って来い、住宅ローン申請強めでいったん買いも続かず
【東京市場】円高でスタート
週明けの東京市場、ドル円は先週末の水準からドル安円高方向に窓を開け、108円台でスタートとなった。春節にともなって中国・香港・シンガポール・台湾などが休場。建国記念日の豪州、オークランドアニバーサリーのNZなども休場で、取引参加者が極端に少ない中、ドル円は一時108円73銭まで値を落とす展開となった。
日経平均の下げ幅が500円を超えるなど、リスク警戒感の強い展開となったが、その後少し盛り返す展開に。
新型コロナウィルス問題で、どこまで反応するべきかの判断が難しく、過剰な下押しには警戒感もあり、ドル円はポジション調整の動きに109円台を回復する動きに。
一時120円台を割り込む動きを見せたユーロ円が120円30銭近辺まで回復。
6.93台から6.9780近辺と年初来高値(ドル高元安)を更新する動きを見せたオフショア人民元が6.96台まで少し値を戻すなどの動きも見られた。
先週金曜日に1.76%から一時1.66%台まで低下し、1.68%台後半で引けた米10年債利回りは、1.62%台まで大きく低下する動きを見せた後1.64%台での推移。こちらもリスク警戒感を意識させる展開となった。
【ロンドン市場】冴えない独指標がユーロ売り
ドル円は頭の重い展開、東京午後からロンドン朝にかけて109円台をしっかりと回復する場面が見られたが、その後108円台に値を落とす展開に。
新型コロナウィルスの感染拡大懸念が広がる中で、欧州株安の動きが広がり、リスク警戒感からの円高が進行。109円10銭台での買いが一息で、先週末終値水準である109円20銭台を戻しきれない流れに、見切り売りが出た面も。
一時108円83銭まで値を落としたが、少し戻してもみ合い。
ユーロは朝方の対円での買いに1.1037近辺を付けたものの、その後独Ifo景況感指数の弱めの数字に売りが強まり1.1015近辺まで。先行指標となる独ZEW景況感指数が強かったこともあり、予想を超えるような数字が出るのではとの期待があったが、予想及び前回値を割り込む弱めの数字となり、失望感からのユーロ売りに。
対円では朝方の買いが一服した後、ドル円でのドル安円高基調もあり、値を落とす展開となり、120円40銭近辺から119円92銭近辺まで。もっとも東京午前同様に119円台での売りには慎重で、すぐに120円の大台を回復してのもみ合いに。
ポンドは上に行って来い。英住宅ローン申請件数の好結果がいったんポンド買いを誘い、ポンドドルは朝方の1.3050台から1.3105近辺まで上昇。先週の英CBI楽観指数、製造業・非製造業PMIなど、ここにきて英指標は強めのものが目立っており、今週の英中銀金融政策会合(MPC)での利下げ期待が後退する形でポンド買いにつながっている。
もっとも、1.31台を維持できず、その後調整売りにロンドン市場での上昇分を打ち消す動きに。
【NY市場】警戒感続く
ドル円は108円台後半から109円超えにかけてのもみ合い。
新型コロナウイルスへの懸念が継続する中で、神経質な天下に。
ユーロは軟調地合いが継続。独指標の弱さに加え
ユーロ円での売りが重石に。
ポンドはロンドン市場でいったん上昇も続かずとなったこともあり
売りが優勢な展開に。
【本日の見通し】警戒感続く
新型コロナウイルスへの警戒感が続き、頭の重い展開となりそう。
ドル円は108円台後半から109円台前半を中心に方向性を探る展開に。
感染拡大が続く中、ドル買いには慎重も、ここからさらに新たなサプライズがあるかは微妙で
下値押しにも慎重。
ドル円は明日のFOMC、明後日の米GDPを控えて動きにくさも。
FOMCはサプライズがないという予想も、
ここにきての新型コロナウイルスへの警戒感などがどこまで声明で示されるか。
米GDPは前期並みの伸びが見込まれているが、個人消費は前期ほど伸びないとみられるだけに
予想を割り込むような数字も。この場合ドル売りが広がる可能性があるだけに
積極的なドル買いを抑える材料となっている。
【本日の戦略】戻り売り
ドル買いが進みにくい展開だけに、
基本は戻り売りか。
中国の経済鈍化懸念も広がっており、ドル円だけでなく
豪ドルやNZドルへの悪影響も。
クロス円は基本下方向を意識する展開に。
ドル円は109円台で丁寧に売りに回りたいところ。
109円台半ばを超えるような動きになるとストップ。
デイトレはもっと早く109円20銭超えあたりを目途に。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《1/27 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.02 1.1023 120.35
高値 109.14 1.1038 120.40
安値 108.73 1.1010 119.91
終値 108.90 1.1019 120.00
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《1/27 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23343.51 -483.67
DOW 28535.80 -453.93
S&P 3243.63 -51.84
Nasdaq 9139.31 -175.60
FTSE 7412.05 -173.93
DAX 13204.77 -371.91
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《1/27 月曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=53.14(-1.05 -1.94%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1583.70(+5.50 +0.35%)
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《1/27 月曜日に発表された主な経済指標》
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指(1月)18:00
結果 95.9
予想 97.0 前回 96.3
【米国】
新築住宅販売件数(12月)00:00
結果 69.4万件
予想 73.1万件 前回 69.7万件(71.9万件から修正)
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《1/27 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*米2年債入札結果
最高落札利回り 1.440%(WI:1.439%)
応札倍率 2.65倍(2.30倍)
*米5年債入札結果
最高落札利回り 1.448%(WI:1.437%)
応札倍率 2.33倍(前回2.49倍)
*米国務省
中国渡航への警戒レベルを引き上げ、再考を促す。
*メルシュECB専務
ユーロ圏の見通しは緩和策を正当化する。
政策の副作用に注意を払っている。
現在の資産価格は非常に高水準。
資産価格は修正リスクが高まっている。
【中国新型コロナウイルス関連】
*モンゴル、中国国境を閉鎖。
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《本日予定されている主な経済指標》
【米国】
耐久財受注・速報値(12月)22:30
予想 0.4% 前回 -2.1%(前月比)
予想 0.3% 前回 -0.1%(輸送除くコア・前月比)
S&Pケースシラー住宅価格(11月)23:00
予想 2.40% 前回 2.23%(20都市・前年比)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(1月)29日0:00
予想 128.0 前回 126.5
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員