新型コロナウィルス懸念が海外市場で拡大
新型コロナウィルス懸念が海外市場で拡大
米国で二人目の患者見つかっ他ことなどきっかけ
週明けさらに懸念拡大でドル売り円買い強まる
【東京市場】109円台半ばばさみ
ドル円は109円台半ばでもみ合いに。
前日のNY市場でドル円が109円20銭台まで落とした後、値を戻した流れを受けて
やや様子見ムードも。
新型コロナウィルス懸念が継続もこの時間帯の反応は一息。
【ロンドン市場】欧州株高で朝方はしっかりも、その後頭重い
朝方は円安の動きで、ドル円は109円65銭近辺。
欧州株高が背景にあり、
ユーロ円が121円20銭台まで。ポンド円も144円40銭台を付ける動きに。
もっとも上昇一服後は円高が進行。
新型コロナウィルス懸念が重石となる展開に。
【NY市場】新型コロナウイルスの感染拡大懸念が継続
ドル円は109円17銭まで一時値を落とす展開となった。
序盤は米株が力強く始まったことなどを受けて、109円60銭台を付けるなど比較的
しっかりの展開が見られたが、その後リスク警戒感からの円買いが優勢となった。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念が重石。米疫病感染予防センター(CDC)が米国
内で二人目の感染者が見つかったことを発表したことなども、市場の警戒感を強める格
好となった。120ドル超の上昇を見せていたダウ平均が、300ドル超の下げを一時
記録するなど、リスク警戒感の動きが広がる中で、ドル円は109円17銭まで下落。
安値から少し戻したものの109円30銭前後のドル安円高圏で週の取引を終える展開
となっている。
安全資産とされる米長期債に資金が流れ込む状況も見られ、米10年債利回りはロン
ドン市場の1.76%から1.66%台まで9BP超の低下(債券価格上昇)となり、ドル
売り円買いに寄与する格好となった。
クロス円も売りが優勢。ユーロ円はロンドン市場で英PMIの好結果を受けたポンド
の買いに121円27銭を付けていたが、NY市場午後には120円42銭と、80銭
以上ユーロ安円高が進行している。ユーロは対ドルでも1.1060台から1.102
0前後まで下げる動きに。
ポンドは対ドル、対円で大きく振幅下。ロンドン市場午前の英製造業・非製造業PM
Iがともに予想を超える好結果となり、いったんはポンド買いが進行。ポンドドルは
1.3173、ポンド円は144円42銭を付ける動きとなった。しかし、来週の英中
銀金融政策会合(MPC)で利下げに踏み切る可能性が指摘される中で、ポンドの買い
は続かず、逆に売りが優勢に。ポンドドルは1.3057、ポンド円は142円72銭
まで大きく値を落とす展開となっている。
【本日の見通し】警戒感継続
先週末は新型コロナウィルスへの警戒感が広がる展開を見せた。
中国は24日に国内、25日に海外への団体旅行を全中国で禁止。
感染拡大防止を計っているが、
春節で人が移動する時期の非常手段に
経済的な影響もかなり大きく、リスク警戒感が継続。
週明けさらに懸念が広がる形で、ドル円は108円台に。
この後もドル円は頭の重い展開が続きそう。
中国側は積極対応も、ある程度病気の感染が一段落する状況を待つしかないか。
【本日の戦略】円高意識
ドル円、クロス円は戻り売り意識。
突っ込んだドル売りを避けたいところであるが、
戻りでは売りが出る流れ。
109円台後半が重くなりそうで、スウィングは少しゆっくり売り上がりで
110円超えストップという印象。
デイトレは早めに売りに回っての回転。
こちらは見切りも早めに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《1/24 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.49 1.1055 121.06
高値 109.65 1.1062 121.27
安値 109.17 1.1020 120.42
終値 109.28 1.1025 120.49
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《1/24 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23827.18 +31.74
DOW 28989.73 -170.36
S&P 3295.47 -30.07
Nasdaq 9314.91 -87.57
FTSE 7585.98 +78.31
DAX 13576.68 +188.26
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《1/24 金曜日の商品市場》
NY原油先物MAR 20月限(WTI)(終値)
1バレル=54.19(-1.40 -2.52%)
ブレント先物MAR 20月限(ICE)(終値)
1バレル=60.69(-1.35 -2.18%)
NY金先物420月限(COMEX)(終値)
1オンス=1578.20(+6.60 +0.42%)
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《1/24 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
消費者物価指数(12月)08:30
結果 0.8%
予想 0.7% 前回 0.5%(前年比)
結果 0.7%
予想 0.7% 前回 0.5%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【シンガポール】
鉱工業生産指数(12月)14:00
結果 4.1%
予想 3.6% 前回 -9.4%(前月比)
結果 -0.7%
予想 -0.6% 前回 -9.3%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI・速報値(1月)17:30
結果 45.2
予想 44.5 前回 43.7
ドイツ非製造業PMI・速報値(1月)17:30
結果 54.2
予想 53.0 前回 52.9
ユーロ圏製造業PMI・速報値(1月)18:00
結果 47.8
予想 46.8 前回 46.3
ユーロ圏非製造業PMI・速報値(1月)18:00
結果 52.2
予想 52.8 前回 52.8
【英国】
CIPS製造業PMI(1月)18:30
結果 49.8
予想 48.8 前回 47.5
CIPS非製造業PMI(11月)18:30
結果 52.9
予想 51.1 前回 50.0
【カナダ】
小売売上高(11月)22:30
結果 0.9%
予想 0.6% 前回 -1.1%(-1.2%から修正)(前月比)
結果 0.2%
予想 0.5% 前回 -0.4%(-0.5%から修正)(コア・前月比)
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《1/24 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【中国新型コロナウイルス関連】
*中国国家衛生健康委員会
23日時点で新型コロナウイルスによる死者は25人、感染者は計830人、1072人に感染の疑い。
*人民日報
中国、新型ウイルス感染拡大阻止のため、移動を制限した都市が10都市に増えた。
*米疫病予防管理センター(CDC)
シカゴで米国内二人目の感染者
【ユーロ圏】
*ラガルドECB総裁
市場は戦略見直し作業に過度の注意払うべきではない。
今後12カ月での政策変更の可能性を排除するものではない。
ECBの政策は自動運転ではない。
安定に対する気候変動の影響は相当過小評価されている。
中銀の政策手段が使い果たされたわけではない。
財政政策は金融政策の代替物たりえない。
ユーロ圏の賃金が2.5%伸びたことをECBは歓迎。
貿易合意で下向きリスクについての発言はトーンダウン。
*クノット・オランダ中銀総裁
ECBの見直し作業はインフレに関する認識の相違を近づける良い機会。
ECBは市民とのコミュニケーションを過小評価してきた。
ECBはテクニカルな実効金利の下限には達していない。
(CNBCで)
*ビルロワデガロー仏中銀総裁
ECBは低金利の副作用を和らげるよう努力すべき。
インフレ目標には対称性、柔軟性、信頼性が必要。
ECBの見直し作業には、市民や企業の観点を盛り込むべき。
(ブルームバーグTV)
*ECB専門家調査
リスクに関する見通しは下向き
今年のGDP成長見通し1.1%(前回1.0%)
2021年のGDP成長見通し1.2%(前回1.3%)
2022年のGDP成長見通し1.4%
今年のインフレ見通し1.2%(前回1.2%)
2021年のインフレ見通し1.4%(前回1.4%)
2022年のインフレ見通し1.5%
【日本】
*黒田日銀総裁
企業投資の強さは継続すると見込む。
日銀は緩和政策を当面継続する。
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《本日予定されている主な経済指標》
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指(1月)18:00
予想 97.0 前回 96.3
【米国】
新築住宅販売件数(12月)28日0:00
予想 73.0万件 前回 71.9万件
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員