ドル/円、燃料不足=外為どっとコム総研 神田卓也
ドル/円、燃料不足
昨日のドル/円は、概ね109円台後半で推移し、終値ベースでは0.1%未満の小幅安だった。米中は第1段階の通商合意に署名。中国の輸入拡大と米国の対中関税一部取り下げが決まったが市場の反応は限られた。また、この日は米下院がトランプ大統領弾劾条項の上院送付を可決。米議会は弾劾裁判に向けて正式に動き出したが市場はこちらにも無反応だった。これらに反応しないとなれば、目先的にドル/円相場を大きく動かしそうな材料は見当たらない。今週付けた約8カ月ぶり高値の110.21円前後を更新するのは燃料不足で難しそうだ。110円台での戻り売り圧力が増すと見られる中、仮に先週までの上値抵抗である109.70円を下抜けるようだと、短期調整ムードが広がる可能性もあろう。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。