米中通商協議、第一弾合意の調印が来週15日と中国も認めドル買いに
米中通商協議、第一弾合意の調印が来週15日と中国も認めドル買いに
ポンドはカーニー総裁が追加緩和の可能性に言及で売りが出る流れ
【東京市場】ドル円、クロス円はしっかりも、値幅は限定的
ドル円は109円台でしっかりの動き。昨晩のトランプ大統領による声明で今後の依頼に対する経済制裁強化の話が出たものの、全面戦争につながる表現はなく、これ以上の軍事行動に消極的な姿勢が見られたことを好感して109円台まで上昇。
NY市場夕方にバグダッドのグリーンゾーンにロケット弾との報道で109円ちょうど近辺まで下げる場面も見られたが、ミサイル攻撃ではなく、影響は限定的で、東京市場ではドル買いが入る格好となった。
日経平均が寄り付きから大幅な買い戻し。前場を400円超の上昇で引けると、後場には500円超まで上げ幅を拡大と、株高の動きが優勢となって、ドル円、クロス円はしっかりの動きを続けた。
ドル円は109円26銭までとNY市場の高値をわずかながら超える動き。その後は109円20銭前後での推移。
【ロンドン市場】中国が来週の調印認める
中国政府は米国が発表していた米中合意の15日の調印について
劉副首相が13日にも訪米して15日に調印式との日程を正式に認めた。
これを受けてドル円は堅調な動きに。
ポンドは軟調。カーニー英中銀総裁が講演で
250BPに相当する政策余地が残っていると追加緩和の可能性に言及したことが
ポンド売りにつながっている。
【NY市場】109円台半ば
ドル円はしっかり、
ロンドン朝に中国が15日の調印を認めたことで期待感が広がった。
これまで米国の発表はあったものの
中国側からの反応がなく、警戒感も出ていた。
ダウ、ナスダック、S&P500がいずれも史上最高値を更新するなど株高の動きもあり
リスク選好での円売り。
【本日の見通し】雇用統計が一つのきっかけに
上方向の意識が強いものの、ここから110円にかけての売りが並ぶ中で
上値買いにも慎重な姿勢が見られる。
今日は2020年最初の米雇用統計。
前回かなり強めに出ただけに、反動(NFPは前月比なので、前回値が良いと反動が出やすい)で
やや鈍い数字が出る可能性があるが
現状でのNFPの予想は+16.0万人と
前回の+26.6万人はともかくとして、水準としては弱くない。
予想通りもしくはそれ以上の数字が出てくるとドル買いにもう一段の安心感が生じ
数字次第では110円トライのきっかけとなる可能性も。
【本日の戦略】押し目買い
ここから売りが並んでいるだけに、上値での買いには慎重も
昨日主要指数が軒並み過去最高値を更新した米株の勢いを考えると
リスク選好のからの円安基調の継続が期待され
ドル円も上を期待。
押し目を丁寧に拾いたい。109円をしっかり割るとストップ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《1/9 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.12 1.1105 121.17
高値 109.58 1.1120 121.69
安値 109.01 1.1093 121.13
終値 109.52 1.1106 121.63
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《1/9 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23739.87 +535.11
DOW 28956.90 +211.81
S&P 3274.70 +21.65
Nasdaq 9203.43 +74.18
FTSE 7598.12 +23.19
DAX 13495.06 +174.88
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《1/9 木曜日の商品市場》
NY原油先物2月限(WTI)(終値)
1バレル=59.56(-0.05 -0.08%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1554.30(-5.90 -0.38%)
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《1/9 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
貿易収支(11月)9:30
結果 58.00億豪ドル
予想 41.00億豪ドル 前回 40.75億豪ドル(45.02億豪ドルから修正)
【中国】
消費者物価指数(12月)10:30
結果 4.5%
予想 4.7% 前回 4.5%(前年比)
生産者物価指数(12月)10:30
結果 -0.5%
予想 -0.4% 前回 -1.4%(前年比)
【ユーロ圏】
鉱工業生産指数(11月)16:00
結果 1.1%
予想 0.8% 前回 -1.0%(-1.7%から修正)(前月比)
結果 -2.6%
予想 -3.7% 前回 -4.6%(-5.3%から修正)(前年比)
貿易収支(11月)16:00
結果 183億ユーロ
予想 213億ユーロ 前回 213億ユーロ(215億ユーロから修正)
経常収支(11月)16:00
結果 249億ユーロ
予想 238億ユーロ 前回 227億ユーロ
雇用統計(11月)19:00
結果 7.5%
予想 7.5% 前回 7.5%(ユーロ圏失業率)
【スイス】
小売売上高(11月)16:30
結果 0.0%
予想 N/A 前回 0.4%(0.7%から修正)(前年比)
【南アフリカ】
SACCI景況感指数(12月)18:30
結果 93.1
予想 N/A 前回 92.7
製造業生産高(11月)20:00
結果 -1.5%
予想 -0.1% 前回 2.5%(2.7%から修正)(前月比)
【ブラジル】
鉱工業生産指数(11月)21:00
結果 -1.7%
予想 -0.8% 前回 1.1%(1.0%から修正)(前年比)
【カナダ】
住宅着工件数(12月)22:15
結果 19.73万件
予想 21.05万件 前回 20.43万件(20.13万件から修正)(住宅着工件数)
住宅建設許可(11月)22:30
結果 -2.4%
予想 1.0% 前回 -1.5%(前月比)
【米国】
新規失業保険申請件数(12/29 – 01/04)22:30
結果 21.4万件
予想 22.0万件 前回 22.3万件(22.2万件から修正)(前週比)
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《1/9 木曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》
【中国】
*中国商務省
米中双方の交渉チームは引き続き署名に向けて緊密に連絡している。
中国の劉鶴副首相、貿易合意に署名のため13~15日に訪米へ。
【英国】
*カーニー英中銀総裁
英金融政策の枠組みを変更するための障壁は極めて高い。
QE、フォワードガイダンス、利下げなどすべてが政策手段。
250BP相当の政策余地が残っている。
英経済成長は潜在的な水準を下回る水準へと減速。
ブレグジットの不透明感からの回復は不確か。
英金融政策委員会(MPC)は近い将来の刺激策のメリットを検討。
経済の弱さが継続するならは、即座に対応すべき。
不透明感が緩和される初期の兆候がみられる。
(講演テキストで)
*英首相報道官
2月1日からのEUとの貿易協議開始を準備している。
きょうのEU離脱法案の議会通過は極めて前向きな一歩。
*ラーブ英外相
・イランのミサイルで旅客機撃墜されたとの見方に同意した。
【米国】
*ペンス米国務長官
米国はイランに対して最大級の圧力をかけるキャンペーン継続。
NATOがより一層の協力すること確信している。
*クラリダFRB副議長
現在の金融政策は適切。
政策は適切な状況にある、大きな変化には対応する。
世界的な逆風が緩和される兆候ある。
金融政策は事前に予定される類のものではない。
2019年の利下げは見通しを下支えするための良い時期だった。
インフレは抑制されているが、2%目標に向かっている。
レポは少なくとも4月までは必要となろう。
インフレに関するリスクは下向き。
世界的なディスインフレ圧力は相当強い。
昨年の夏以降、下向きリスクは幾分弱まった。
フォワードガイダンスは極めて強力な手段たりえる。
米金融政策はやや緩和的。
景気が下向いた場合、金融政策とともに財政政策が必要に。
*トランプ大統領
中国との第2段階交渉は直ちに開始する。
中国との合意第2段は大統領選挙後まで待つ可能性。
ウクライナ行き旅客機墜落が機械的な原因とは疑わしい。
イランは米大使館の爆破を企てていた。
イラン制裁を直ちに強化へ。
*米30年債入札結果
最高落札利回り 2.341%(WI:2.358%)
応札倍率 2.54倍(前回:2.46倍)
*ウィリアムズNY連銀総裁
FRBのフレームワーク変更は慎重に検討する必要。
インフレ期待は言葉ではなく行動にかかっている。
インフレが2%未満に落ち着く場合は、期待が弱まる可能性がある。
*ブラード・セントルイス連銀総裁
FRBは上半期は政策効果の様子を見るべき。
2020年も労働市場は力強いと予想。
*ビルドワドガロー仏中銀総裁
インフレ目標は戦略見直しの中心。
インフレ目標は非対称で柔軟でなければならない。
経済の安定は金利の安定を正当化。
一般預金のマイナス金利は恐らくない。
金融政策は金融安定を無視することはできない。
*ポロズ・カナダ中銀総裁
貿易問題のダメージは続く可能性。
貿易問題が他のセクターに波及するか監視している。
最近の雇用の鈍化が続くかどうか監視している。
過去何年もカナダの雇用市場のトレンドは健全。
【カナダ】
*トルドー・カナダ首相
旅客機墜落、イランのミサイル被弾が原因との証拠。
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《本日予定されている主な経済指標》
【豪州】
小売売上高(11月)9:30
予想 0.4% 前回 0.0%(前月比)
【日本】
景気一致指数・速報値(11月)14:00
予想 95.2 前回 95.3
景気先行指数・速報値(11月)14:00
予想 90.9 前回 91.6
【シンガポール】
小売売上高(11月)14:00
予想 1.0% 前回 -2.2%(前月比)
予想 -4.1% 前回 -4.3%(前年比)
【スイス】
失業率(12月)15:45
予想 2.3% 前回 2.3%(季調済)
予想 2.5% 前回 2.3%(季調前)
【インド】
鉱工業生産(11月)21:00
予想 0.2% 前回 -3.8%(前年比)
【カナダ】
失業率(12月)22:30
予想 5.8% 前回 5.9%
雇用者数(12月)22:30
予想 2.50万人 前回 -7.12万人
【米国】
失業率(12月)22:30
予想 3.5% 前回 3.5%
非農業部門雇用者数(12月)22:30
予想 16.0万人 前回 26.6万人
卸売在庫・確報値(11月)11日0:00
予想 0.0% 前回 0.0%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員