雇用統計、かなりの好結果も、ドル買い続かず
雇用統計、かなりの好結果も、ドル買い続かず
非農業部門雇用者数予想をはるかに超える26.6万人
前回値も上方修正
ポンドは一時売りが優勢に、雇用統計及び党首討論を前に調整
【東京市場】雇用統計控え小動き続く
主要通貨は軒並みの小動き。ドル円は108円70銭前後での12銭レンジ、ユーロドルに至っては1.1100台のわずか6ポイントのレンジ。
今晩の米雇用統計を控えて様子見ムードが広がっている。
今回の雇用統計は前回がGMのストライキで弱かった分、反動で回復が見込まれている。ただ、水曜日のADP雇用者数が予想を大きく下回る厳しい数字となったことで、下振れに警戒感も。
予想通りもしくはそれ以上の数字が出ると、109円台回復のきっかけとなりそうだが、ADPのように厳しい数字が出ると108円割れもありうる。結果次第の面が大きく、発表まではかなり動きにくい状況。
【ロンドン市場】ポンドに調整
雇用統計を前にポンドドルにこのところのポンド高ドル安の調整が入り、1.31台後半から前半へ
ジョンソン首相・保守党党首と労働党コービン党首のTV討論がロンドン時間夜に行われることも
調整を誘うきっかけとなった。
ドル円は一時上昇。
中国が米国産の大豆および豚肉の輸入関税を撤廃する可能性との一部報道に反応。
もっとも雇用統計を前にその後調整が入った。
【NY市場】雇用統計は衝撃的な強さ
注目の雇用統計は予想を大きく上回る好結果。
直近の関連指標が軒並み厳しい数字となっていただけに
サプライズな結果となり、いったん一気にドル買いに。
失業率は予想外に低下、平均時給も前年比+3.1%と強く
かなりの好結果となった。
ドル円は108円50銭台から一気に108円80銭超え、その後108円90銭台まで上昇する展開となったが、
その後108円50銭台に戻して週の取引を終えた。
ダウ平均が300ドル以上上げるなど、堅調な動きが見られたが、動きが続かず。
【本日の見通し】上値の重さ意識
雇用統計の好結果でも上値が抑えられた状況をどうとらえるか。
米雇用の力強さが示されたことで、当面の金利据え置き期待が強まっており
大きくドル売りが進む状況ではないが、頭の重さが意識される展開も。
その前から据え置き期待が強い今週のFOMCの声明で
今後により前向きな姿勢が示されるとドル買いもありそうだが
それまでは108円台でのレンジ取引か。
【本日の戦略】押し目買い
押し目は丁寧に拾いたい。108円台前半での買い下がりを意識
107円台に入るとストップ。
デイトレはレンジを意識して、見切り早めに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《12/6 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.76 1.1104 120.77
高値 108.92 1.1110 120.80
安値 108.53 1.1040 120.01
終値 108.58 1.1060 120.18
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《12/6 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23354.40 +54.31
DOW 28015.06 +337.27
S&P 3145.91 +28.48
Nasdaq 8656.53 +85.83
FTSE 7239.66 +101.81
DAX 13166.58 +111.78
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《12/6 金曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=59.20(+0.77 +1.32%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1465.10(-18.00 -1.21%)
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《12/6 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
景気動向指数(速報値)(10月)14:00
結果 91.8
予想 前回 91.9(景気先行指数)
結果 94.8
予想 前回 101.1(景気一致指数)
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産(10月)16:00
結果 -1.7%
予想 0.1% 前回 -0.6%(前月比)
結果 -5.3%
予想 -3.6% 前回 -4.5%(-4.3%から修正)(前年比)
【カナダ】
雇用統計(11月)22:30
結果 -7.12万人
予想 1.00万人 前回 -0.18万人(雇用者数)
結果 5.9%
予想 5.5% 前回 5.5%(失業率)
【米国】
雇用統計(11月)22:30
結果 26.6万人
予想 18.3万人 前回 15.6万人(12.8万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 3.5%
予想 3.6% 前回 3.6%(失業率)
民間部門雇用者数
結果 25.4万人
予想 17.9万人 前回 16.3万人(13.1万人から修正)
製造業雇用者数
結果 5.4万人
予想 4.0万人 前回 -4.3万人(-3.6万人から修正)
平均時給
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.4%(0.2%から修正)(前月比)
結果 3.1%
予想 3.0% 前回 3.2%(3.0%から修正)(前年比)
週平均労働時間
結果 34.4
予想 34.4 前回 34.4
労働参加率
結果 63.2%
予想 N/A 前回 63.3%
ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(12月)00:00
結果 99.2
予想 97.0 前回 96.8
卸売在庫(確報値)(10月)00:00
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
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《12/6 金曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*トランプ米大統領
貿易やその他の話題について「匿名の情報源」を信じるな。
情報源の氏名が明記された情報のみを受け入れるべき。
*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
米CNBCのインタビュー
合意は依然として近い。
恐らく11月よりも若干近づいている。
12月15日が非常に重要な日に変わりはない
最終的な決断を下すのはトランプ大統領。
米中両国の当局者はほぼ毎日話し合っている。
【カナダ】
*カナダ中銀のポロズ総裁が2020年で退任
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
GDP・2次速報値(第3四半期)8:50
予想 0.2% 前回 0.1%(前期比)
予想 0.6% 前回 0.2%(前年比)
GDPデフレータ・2次速報値(第3四半期)8:50
予想 0.6% 前回 0.6%(前年比)
国際収支(10月)8:50
予想 1359億円 前回 11億円(貿易収支)
予想 18781億円 前回 16129億円(経常収支)
予想 17668億円 前回 14852億円(経常収支・季調済)
【スイス】
失業率(11月)15:45
予想 2.3% 前回 2.3%(季調済)
予想 2.3% 前回 2.2%(季調前)
【ユーロ圏】
ドイツ貿易収支(10月)16:00
予想 N/A 前回 212億ユーロ(211億ユーロから修正)
ドイツ経常収支(10月)16:00
予想 N/A 前回 255億ユーロ
【カナダ】
住宅着工件数(11月)22:15
予想 N/A 前回 20.20万件
住宅建設許可(10月)22:30
予想 N/A 前回 -6.5%(前月比)
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員