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[資源・新興国通貨11/18~22の展望] 豪ドル:豪中銀の利下げ観測が高まる

達人の予想 

豪ドル

14日、豪州の10月雇用統計が発表され、総じて弱い結果でした。失業率は5.3%と、9月の5.2%から上昇(悪化)し、雇用者数は前月比1.90万人減、労働参加率は9月の66.1%から66.0%へと低下しました。雇用者数が減少したのは2018年5月以来であり、減少幅は2016年8月以来の大きさでした。

RBA(豪中銀)は“インフレが加速するためには、失業率が4.5%へと低下する必要がある”とみています。そのため、失業率の上昇など雇用情勢の悪化はRBAに追加利下げを促す要因となります。

雇用統計の結果を受けてRBAの追加利下げ観測が市場で高まっており、市場は2020年2月までに利下げが行われる確率を約6割織り込んでいます(翌日物金利スワップ参考)。追加利下げ観測が豪ドルの上値を抑えそうです。

一方で、豪ドルについては米中貿易協議の行方にも目を向ける必要があります。両国が貿易協議“第1段階”に合意するとの期待が市場で後退すれば、豪ドルには下押し圧力が加わりやすくなる一方、合意への期待が高まれば豪ドルは堅調に推移する可能性があります。

NZドル

13日、RBNZ(NZ中銀)は政策金利を過去最低の1.00%に据え置くことを決定。「8月以降の経済動向は、現時点で既に景気刺激的な金融政策の設定を変更することを正当化しない」と指摘する一方、「経済動向を注視し、必要に応じて行動する用意がある」と表明。追加利下げの可能性を残しました。

RBNZが今回利下げを見送ったことは、NZドルの支援材料となりそうです。一方で、“RBNZの経済見通しは楽観的過ぎる”との見方も市場にはあり、利下げ観測は残存しています。NZの11月企業信頼感指数が28日、7-9月期GDPが12月19日に発表されます。それらが軟調な結果になれば、2020年2月の次回会合での利下げ観測が高まる可能性があります。

NZドルについては豪ドルと同様、米中貿易協議の行方にも目を向ける必要があります。両国が貿易協議“第1段階”に合意するとの期待が市場で後退すれば、NZドルには下押し圧力が加わりやすくなる一方、合意への期待が高まればNZドルは堅調に推移しそうです。

カナダドル

カナダドルは今週(11日の週)、対米ドルや対円で約1カ月ぶりの安値を記録しました。10月30日のBOC(カナダ中銀)会合を受けて、市場では利下げ観測が浮上しており、それがカナダドルの重石となりました。BOCは会合で政策金利を据え置いたものの、2020年と2021年のカナダのGDP成長率見通しを下方修正し、声明で「貿易摩擦や不確実性が続くなか、カナダ経済の回復力がますます試されていることに留意している」と指摘しました。

市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)が織り込む、12月4日の次回会合での利下げの確率は2割弱。利下げの確率は2020年1月までで約5割、3月までで約6割へと上昇します。

現地時間14日夜(日本時間15日昼)、ポロズBOC総裁が米サンフランシスコで講演を行います(本稿執筆時点ではまだ行われていません)。講演が利下げ観測を高める内容になれば、カナダドルは一段と上値が重くなりそうです。

トルコリラ

13日、トランプ米大統領とエルドアン・トルコ大統領はS400(ロシア製地対空ミサイルシステム)やシリアの問題について会談を行いました。トルコは2019年7月、S400の導入を開始。F35戦闘機などの軍事機密がロシアに漏えいするおそれがあるとして、米国はS400の破棄をトルコに強く求めています。

トランプ大統領は会談後の会見で、「(トルコのS400導入は)米国にとって非常に深刻な課題だ」と語る一方、トルコとの協議は続ける意向も表明。シリア問題については、エルドアン大統領は会見で「クルド人勢力への支援を止めるようにトランプ大統領に要請した」と述べましたが、それに対するトランプ大統領の回答は明らかにしませんでした。

両首脳の会談でS400やシリアの問題は先送りされました。両国の関係の一段の悪化が避けられたことは、トルコリラにとってプラス材料と考えられなくもありませんが、一方で米国による対トルコ制裁発動の可能性も残ることになります。

南アフリカランド

21日のSARB(南アフリカ中銀)会合では、政策金利の据え置きが決まりそうです。南アフリカの景気は低迷が続いているうえ、9月のCPI(消費者物価指数)上昇率は前年比+4.1%と、SARBの目標(+3~6%)中央値である+4.5%を3カ月連続で下回りました。それらをみると、SARBは利下げしてもおかしくありません。

一方で、ムーディーズ(米格付け会社)が南アフリカを格下げする可能性は依然としてあり、格下げした場合には南アフリカランドに対して強い下落圧力が加わるおそれがあります。SARBはそれを懸念して、利下げを見送る可能性が高そうです。市場ではSARBの政策金利は据え置かれるとの見方が有力であり、その通りの結果になればランドに大きな反応はなさそうです。

米中貿易協議の行方が南アフリカランドの動向に影響を与えるとみられ、貿易協議に関する報道に注意が必要です。貿易協議“第1段階”の合意期待が後退して市場でリスク回避の動きが強まれば、ランドなど新興国通貨には下押し圧力が加わりやすいと考えられます。

メキシコペソ

14日、BOM(メキシコ中銀)は0.25%の利下げを決定。政策金利を7.75%から7.50%へと引き下げました。利下げは3会合連続。決定は3対2で、反対した2人は0.50%の利下げを主張しました。

BOMは声明でメキシコ経済について、「不確実性が高い環境下で、成長に対するリスクは引き続き下方に傾いている」と指摘し、「2019年と2020年のGDP(国内総生産)成長率は、8月時点の見通しよりも低くなる」との見方を示しました。BOMの8月時点のGDP成長率見通しは、2019年が+0.2~0.7%、2020年が+1.5~2.5%でした。

***

USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)をめぐり米議会に今後動きがあるかもしれません。ペロシ米下院議長は14日、USMCAについて「民主党(野党)とトランプ政権は協議で近く合意する可能性がある」との見方を示し、「年内に(USMCAの議会承認を)終えることが目標だ」と語りました。

米、メキシコ、カナダの3カ国首脳は2018年11月、NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新協定“USMCA”に署名しました。ただし、USMCAの発効には3カ国すべての議会承認が必要。メキシコは2019年6月に承認しましたが、米国とカナダは未承認。カナダは承認手続きについて米国を待つ方針を示しているため、米国が承認すればカナダも続くとみられます。

USMCAの発効のメドがたたないことがメキシコの景気低迷の一因となり、メキシコペソの重石にもなっています。そのため、米国が承認してUSMCAが発効に向けて前進すれば、ペソの上昇要因になると考えられます。

執筆者 八代 和也

執筆者 : 八代 和也|マネ―スクエア シニアアナリスト

マネースクエア シニアアナリスト。資源・新興国通貨を中心に分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。

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