市場は英議会の採決待ちに=外為どっとコム総研 神田卓也
市場は英議会の採決待ちに
昨日のドル/円はポンド/円の急伸に連れて一時108.90円台まで上昇したが、英国と欧州連合(EU)の離脱協定案合意を好感した動きは長続きせず108.40円台に反落。前日比0.1%安の108.64円前後でクローズした。
英国のEU離脱=Brexit問題については、英EU間で合意に漕ぎ着けた離脱協定案の英議会批准という大きな「壁」が控えており、明日19日の採決で10月末の「円満離脱」が決まるか見極めたいところ。仮に否決されれば離脱の再延期が濃厚となり、英政局は不安定化が避けられなくなる。それだけに、本日は市場に様子見ムードが広がる公算が大きく、ドル/円は108円台での取引が続きそうだ。
なお、本日は中国7-9月期国内総生産(GDP)の発表が予定されており、市場予想によると前年比+6.1%と前期の+6.2%から減速する見込み。もっとも、中国経済の減速は市場に広く織り込まれており、政府目標の下限である+6.0%を割り込まなければ大きな影響はないと見られる。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。