株買う中央銀行がもう一つ誕生か ECBが日銀への接近姿勢を見せる=NY為替
きょうのECB理事会を通過して、ユーロドルは1.1160ドル付近での推移となっている。この日のECB理事会では政策は据え置きとなった。ただ声明では、利下げや追加緩和再開の姿勢を強く打ち出している。注目のフォワードガイダンスは「少なくとも2020年上期まで、現水準か“それ以下”の金利を必要な限り継続する」と修正していた。
ユーロはECBの声明発表後に売りが強まり、ユーロドルは1.11ドルちょうど付近まで下落し、年初来安値を更新していた。しかし、その後のドラギ総裁の会見を受けて買い戻しが強まり、1.1190ドル近辺まで反転する場面も見られた。総裁は緩和姿勢を強調したものの、景気後退の可能性は否定しており、十分緩和的ではなかったと見られている模様。
今回の理事会でECBが緩和姿勢を強調してくることは事前に十分織り込まれていたことや、1.11ドルちょうど付近の買い圧力が強かったことも買い戻しを促したのかもしれない。「噂で売って、事実で買う」という動きかもしれない。
今回の理事会では、マイナス金利の階層化、そして、新たな資産購入の可能性の選択肢も検討していることを明らかにしている。新たな資産購入については、市場では以前から憶測も出ていたが、ECBによる国債購入枠にテクニカル的な限界も出て来ている中、株購入も選択肢に入れる可能性も指摘されている。
金利階層化や株購入については、既に日銀が実施しており、ECBもその方向に進みつつあるとも受け取れる。株買う中央銀行がもう一つ増えるのかもしれない。
EUR/USD 1.1150 EUR/JPY 121.18 EUR/GBP 0.8952
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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