ドル円は108円台を維持 21日線を超えると戻り待ち売りも多数観測=NY為替
一連の米経済指標を通過してドル円は108円台を維持している。きょうのドル円は緩やかな戻り売りが出ている。前日は月末のFOMCで0.5%の大幅利下げまではないとの見方や、株式市場が底堅さ、そして、米中貿易協議への期待感が高まっていることから、ドル円も買い戻しが見られ、108円台を回復していた。
ただ、21日線が108.10円付近に来ているが、その水準を超えると戻り待ち売りオーダーも多数出る模様で、108円台を駆け上がる気配は見られていない。前日にIMFは世界経済の見通しを下方修正していたが、先行き不透明感は根強く、リスク回避の動きも出ているようだ。
朝方発表になった6月の新築住宅販売件数が予想を下回ったことで107円台に一時下落する場面が見られたものの、FRBの大幅利下げ期待が後退していることや、明日のECB理事会を控えていることもあり、下押しする動きまでは見られず、直ぐに108円台に戻している。目先は明日のECB理事会を受けての市場の反応を見極めたい雰囲気のようだ。
来週はFOMCのほかに日銀も決定会合が予定されているが、同日に発表される展望リポートではインフレ見通しが下方修正される見込み。ロイター通信が関係者の話として、決定会合では、海外経済の減速を背景に拡大する経済・物価の下振れリスクについて集中的に議論が行われる見通しだと伝えている。ただ、下振れリスクに対応するため、緩和強化に前向きな意見がある一方で慎重な意見もあり、追加緩和に関して日銀内にも温度差があるという。
政策維持観測が強いECBが追加緩和に踏み切った場合は、ユーロが対円でも急落し、円が全面高になる可能性について丁寧にウオッチしたいとの声が出ており、そのケースでの追加緩和に積極的な見方も出ている。
当日にFOMCも控えていることから、ドル円に対するインパクトは小さいとは思われるが、要注目ではある。
USD/JPY 108.09
minkabu PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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