【ロンドン市場】ドル高の動き一服、様子見ムード広がる
17日のロンドン市場は、ドル高の動きが一服している。序盤にポンドドルやユーロドルが下値を試す動きとなり、ポンドドルは1.2380近辺、ユーロドルは1.1200近辺まで下押しされた。しかし、ポンドドルは英物価統計発表を前に反発、ユーロドルも追随した。米債利回りや欧州株は前日終値をはさんで方向感の定まらない相場が続いている。ドル円は108.20-30レベルで小動き。全般に前日からのドル高水準での揉み合いとなっており、小幅の調整が入る程度となっている。この日発表された英欧物価統計は市場に目立ったインパクトを与えなかった。英消費者物価指数は前年比+2.0%と前回と同水準で、英中銀目標に合致している。ユーロ圏消費者物価指数・確報値は前年比+1.3%と0.1%ポイントの上方修正となったが、ユーロ買い反応は限定的だった。7月米FOMCでの利下げは織り込み済みとなっており、米経済指標の強さで0.5%利下げ観測が後退してきている。この後は米住宅着工件数など住宅関連指標が発表される。
ドル円は108円台前半での取引。108.20-30レベルでの揉み合いが続いている。欧州株が下げ渋る場面でやや円売りの動きをみせたが、10銭程度の値動きにとどまっている。前日からのドル高水準を維持しているが、ロンドン午前の取引は様子見ムードが広がっている。この後は米住宅着工件数など住宅関連指標が発表される。
ユーロドルは1.12台前半での取引。序盤に下値を試す動きがみられ、安値を1.1200レベルに広げた。しかし、大台割れは回避されており、1.1220近辺へと小反発している。ユーロ円は121.20近辺まで売られたが、その後は121.50手前まで反発。前日NY市場のレンジ内での値動きにとどまっている。対ポンドでは引き続き小高い。ユーロ圏消費者物価指数・確報値は前年比+1.3%と0.1%ポイントの上方修正となったが、ユーロ買い反応は限定的だった。クーレECB理事は、経済データ、調査などが第2、3四半期成長の弱さ示す、ECBはあらゆる手段による調整を適切に行う用意、などと述べたが反応薄だった。
ポンドドルは1.24近辺での取引。序盤に下値を試す動きとなり、1.2382レベルと前日安値を下回り、2017年4月10日以来の安値水準となった。ポンド円は133.99近辺まで下落する場面があり、前日安値水準にほぼ並んだ。ただ、その後はポンドドルは1.24台を回復、ポンド円は134.45近辺まで反発した。ただ、合意なき離脱への警戒感が上値を抑えての揉み合いとなっている。バークレイ英離脱相は、バルニエEU首席交渉官は合意なき離脱を回避したいとの強い希望を強調した、と述べた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明