【NY市場】米中会談延期の報もドル円は111円台後半に上昇 期限延長可決もポンドは売りの反応
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は111.80円近辺まで上昇する場面も見られた。NY時間に入る前に米中首脳会談が4月以降に延期されるとの報道が伝わっていた。この日発表の米住宅指標も弱い内容だったが、市場はさほどネガティブな反応を見せず、米株や米国債も落ち着いた反応を示している。また、きょうはポンドが利益確定売りに押されていることもドルをサポートした模様。
きょうの上げでドル円は200日線を回復しており上値期待を再び高めている。目先は112円台を回復し、今月の高値112.15円を突破できるかが注目となる。
明日は日銀決定会合が予定されているが、それへの期待感もドル円をサポートしているとの指摘も出ているようだ。政策自体は据え置きが濃厚なものの、黒田総裁が会見で追加緩和のヒントを示してくるのではとの期待感が出ている模様。ドル円もその期待感に支えられている面もありそうだが、FRBやECBが慎重姿勢に転じる中、日銀も追随する可能性は高い。
しかし、日銀に残された手段は少なくなっていることも事実。あまり期待感を高めると火傷しそうな可能性も留意され、過度な期待は禁物かもしれない。
一方、ポンドは利益確定売りが優勢。NY時間の午後になって英議会はEU離脱期限の延期を可決した。ただ、ポンドの反応は逆に売りが優勢となった。ポンド円は147円台に再び下落。
前日は合意なき離脱を英議会が否決したことで、最悪のシナリオは後退したとしてポンドは買いが強まっていた。ただ、英国側がEU離脱期限の延期を決めたからといって、EUが承認しなければ成立しない。市場も改めて冷静になっており、ポンドは調整の動きが出ているものと思われる。ポンド円は一時148円台後半まで上昇し年初来高値を更新していたが、150円を目指すことなく伸び悩んでいる。
ユーロも売りに押され、ユーロドルは1.13ドルちょうど付近に値を落としている。1.1315ドル付近に21日線が来ているが、上値を抑えられている格好となっている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美