『8月相場』の季節的アノマリーについて
来週より、“曰く付き”の『8月相場』がスタートします。その『8月相場』に少なからず影響を与えたであろう歴史的な事件や季節的アノマリーについて、以下順に見ていきたいと思います。
- 【8月】は歴史的事件の“引き金になりやすい?
この検証のために、以下、1974年以降に発生した「8月の歴史的事件」(抜粋)についてご覧ください。
1974年8月:ウォーターゲート事件によりニクソン米大統領辞任(→NYダウ、翌年までの下落の引き金に)
1980年8月:メキシコ債務危機(→新興国株式・通貨暴落の引き金に)
1990年8月:イラク軍、クウェートに突如侵攻開始(→翌年、湾岸戦争に発展)
1998年8月:ロシア財政危機(→翌月、LTCMが破綻)
2007年8月:パリバショック(→サブプライム問題の表面化→翌年のリーマンショックの引き金に)
2015年8月:チャイナショック(→8.11 人民元切り下げ→8.24 フラッシュクラッシュ発生)
上記は、あくまで主要な事件の抜粋ですが、8月は経済問題のみならず、地政学的・軍事的な材料が比較的多く発生している月と捉えて良さそうです。(余談ながら、フランス革命の武装蜂起である「8月10日事件」[1792年]も。)
- 【8月】は株安、金利安(債券高)になりやすい?
早速ですが、以下表にてご確認ください。まずは、NYダウ・日経平均の過去20年における月別平均騰落表から。
上記表より、日米ともに株式市場においては「8月相場は下がりやすい」と言えそうです。次に、以下で、過去20年における米10年債利回りの月別平均騰落率表をご覧ください。(左軸:bp)
上記表より、米10年債利回りの月別平均騰落率については、「8月は利回りが下げやすい(=債券価格は上昇しやすい)」と言えそうです。日米株式市場の8月における傾向と合わせて勘案すると、「投資家は8月においては、リスク回避(株売り、債券買い)の姿勢を取りやすい」との仮説を立てることができます。
- 【8月】は豪ドル安になりやすい?
この検証のために、以下、過去20年における、米ドル/円・豪ドル/円・NZドル/円・カナダドル/円の月別平均騰落率表についてご覧ください。
上記表より、全般的な傾向として「8月相場は下げやすい」とのデータを見ることができますが、特に豪ドル/円についてはその傾向が顕著であると言えそうです。
ちなみに、2000年以降における豪ドル/円の8月陰線確率は.833(18回中15回)となっており、過去10年に絞るとその確率は.900(10回中9回)となっています。
これらはあくまで過去のデータであって、将来にわたって必ずそうなるというものではありませんが、「豪ドル/円の季節的(8月)アノマリー」として頭の片隅に入れておいた方が良いのかもしれません。
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