プーチン大統領、JTのロシア資産を管理下に 大統領令に署名
プーチン大統領は5日、日本たばこ産業(JT)<2914>の海外事業を統括するJTインターナショナル(JTI)のロシア資産を同国企業の管理下に置く大統領令に署名した。大統領令によると、JTIのロシア資産は同国企業JSCインダストリアル・アセッツに暫定的に移管された。
JTIのウェブサイトによると、同社は1999年からロシアで事業を展開。現在は販売数量でロシア市場で首位に立っている。同国内で4000人を雇用するほか、サンクトペテルブルクやロストフナドヌーなど複数の生産拠点を持つ。
JTはロシアで、「ウィンストン」や「キャメル」などの国際ブランドのほか、「ロシアン・スタイル」、「プレイ」などのロシアブランドも手がけている。2018年には同国のたばこ企業ドンスコイ・タバックを買収し、ロシア市場でのシェアを約40%に伸ばした。
ロシアがウクライナに対して全面侵攻を開始した22年にJTはロシアでの新規投資と販売促進活動を停止したものの、同市場での圧倒的な地位は維持している。同社は10月、販売数量全体が減少する中でも、ロシアの従来型たばこ市場でのシェアが41%に上ったと明らかにした。
JTIは発表文で「JTIのロシア資産を一時的な管理の下に置くとするロシア大統領令を把握している。従業員をはじめとする利害関係者を最優先としつつ、状況と当社がとり得る選択肢を精査していく。現段階でこれ以上のコメントはない」と説明した。
JSCインダストリアル・アセッツはほとんど知られていない企業。
プーチン大統領は9月以降、ロシアに残る外国企業の資産接収を加速。同月にはスイスのネスレとフランスのスーパー大手オーシャン、さらにドイツの小売大手メトロ・キャッシュ・アンド・キャリーが保有するロシア資産を暫定管理下に置いた。
ロシアは当時、非友好国の欧州企業を標的とした理由の1つとして、ロシアが全面侵攻を続けるウクライナに対して、これらの国が軍事支援を行っていることを挙げていた。
ロシアでは外国企業に対する制限が強まっているものの、米国のペプシコ<PEP>やモンデリーズ<MDLZ>、オーストリアのライファイゼン・バンク・インターナショナルなどの大手企業が同国でなお事業を続けている。
執筆者 : MINKABU PRESS
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