ラガルド総裁、欧州経済がAIを積極的に受け入れ、普及を遅らせる障害を取り除くべき
ラガルドECB総裁は、欧州経済がAIを積極的に受け入れ、その普及を遅らせるあらゆる障害を取り除くべきだと述べ、さもなければAIの恩恵を逃し、欧州の将来を危うくしかねないと警告した。
一部のECB理事がAI企業のバリュエーションの過熱を懸念する声を上げているものの、総裁はブラチスラバでの会議で、投資ブームや景気サイクルの変動は「異例ではない」と指摘。さらに、今回のAIの進歩は過去の技術革新よりも明確で早い経済効果が表れている点を強調した。
「もし、われわれがその道を進んでいるのだとすれば 、そして私はその可能性が高いと考えている、欧州はそれに応じてポジションを取る必要がある。この変革を受け入れることを阻む障害をすべて取り除かなければ、AI普及の波を逃し、欧州の未来を危険にさらすことになります」と述べた。
これは、AIの経済への影響を世界の中央銀行がどのように捉えるかという大きな議論の一部で、FRBもAIが変革的である点では一致しているが、その影響がどう現れるかについて明確な立場はまだ示していない。
欧州にとってAIは、停滞する成長をどう改善するかという議論にも直結する。ドラギ前ECB総裁は2024年の報告書で、欧州の生産性が落ち込んだ主因のひとつは、第1次デジタル革命をうまく活用できなかったことだと指摘している。
ラガルド総裁は、欧州が同じ過ちを繰り返すべきではないと強調。米中が革新で先行しているとしても、迅速な採用と賢明な活用によって、欧州は後発優位を築けると述べた。
執筆者 : MINKABU PRESS
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