ダウ平均は大幅反発 FRBの早期利下げ期待も復活 強気な見方も根強い=米国株序盤
NY株式4日(NY時間11:53)(日本時間00:53)
ダウ平均 44041.43(+452.85 +1.04%)
ナスダック 20981.64(+331.51 +1.61%)
CME日経平均先物 40520(大証終比:+200 +0.49%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均は大幅に反発。先週末の急落から市場は落ち着きを取り戻しているようだ。先週は米雇用統計の驚きの弱い数字に、これまでの米株高の前提が崩れたといった意見も出ていたほか、トランプ関税の発動も引き金となった。
ただ、先週は覆い隠されてしまったが、同時にFRBの早期利下げ期待も復活しており、市場は9月の利下げ確率を85%程度まで回復させている。年内2回の利下げもほぼ完全に織り込み、3回の利下げも45%程度の確率で織り込む動き。米雇用統計前とは一変している。
市場は現在、米労働市場の弱さが今後数週間にどのような影響を及ぼすかを見極めようとしている状況。過去の経験則からは、8月は弱い月になることが多い点も警戒されている。1988年以降のデータによると、8月はダウ平均にとって最もパフォーマンスの悪い月で、S&P500とナスダックにとってもワースト2位の月とされている。
最高値圏にあることもあり、短期的な調整が入るのでとの見方も出ているが、米大手証券のストラテジストからは、来年にかけての堅調な企業業績の見通しを理由に、「下がったところでは押し目買い入れるべき」との推奨も出ている。業績見通しの修正幅を分析したところ、循環的な回復はすでに始まっているという。AIの導入拡大、ドル安、減税措置が株式市場に追い風となるとも述べた。
一方、「強気派が完全に敗れたわけではなく、依然として市場の主導権を握っているが、信頼回復にはさらなる裏付けが必要だ」とのコメントも一部から出ていた。
これまでのところ、S&P500企業の利益は9.1%の増益が見込まれ、予想の2.8%を大きく上回る気配で推移。業績予想を上回った企業の割合も、過去4年で最も高い水準となっている。今週も決算発表は続々と予定されている。
バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>が下落。4-6月期(第2四半期)に、保有するクラフト・ハインツ株<KHC>に関連して38億ドルの減損を計上したと発表。クラフト株への投資は近年、同社にとって重荷となっていた。
ヘリコプター輸送のブレード・エア・モビリティ<BLDE>が大幅高。空飛ぶタクシーのジョビー・アビエーション<JOBY>が同社の買収を検討していると伝わった。
通信機器のコムスコープ<COMM>が急騰。同業のアンフェノール<APH>が同社のブロードバンド接続部門を、負債を含めて約105億ドルで取得する方向で最終調整に入ったと伝わった。
オフィス家具のスチールケース<SCS>が急騰。同業のHNI<HNI>による同社買収で合意した。取引総額は22億ドルで、現金と株式交換による実施。
eコマースのウェイフェア<W>が決算を受け大幅高。売上高、1株利益とも予想を上回った。米国での売上高が好調だった。伸びは過去最高となっており、受注増と単価上昇により、予想を大きく上回っている。
バークシャー<BRK/B> 461.20(-11.64 -2.46%)
ブレード・エア<BLDE> 4.82(+1.04 +27.38%)
ジョビー<JOBY> 20.71(+3.55 +20.69%)
コムスコープ<COMM> 13.92(+6.13 +78.63%)
アンフェノール<APH> 107.66(+3.35 +3.21%)
スチールケース<SCS> 16.82(+6.64 +65.23%)
HNI<HNI> 46.79(-3.83 -7.57%)
ウェイフェア<W> 72.79(+7.57 +11.61%)
アップル<AAPL> 205.41(+3.03 +1.50%)
マイクロソフト<MSFT> 534.86(+10.75 +2.05%)
アマゾン<AMZN> 212.46(-2.29 -1.07%)
アルファベットC<GOOG> 194.48(+4.53 +2.38%)
アルファベットA<GOOGL> 193.65(+4.52 +2.39%)
テスラ<TSLA> 307.14(+4.51 +1.49%)
エヌビディア<NVDA> 178.06(+4.34 +2.50%)
メタ<META> 772.70(+22.69 +3.03%)
AMD<AMD> 177.10(+5.40 +3.15%)
イーライリリー<LLY> 760.77(-1.56 -0.20%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。